絵コンテをつくるということ
2017.09.21 (Thu)
2017.09.21 (Thu)
仕事で映像作品を作る以上、競合他社とコンペティション(競争)を行なうこともあります。
コンペのときに完成した映像を披露できれば良いのですが、それは現実的には難しいので、どのような作品を撮影するのかをクライアントに説明してイメージを伝えます。
そのため、事前にクライアントの要望を聞きだし、映像を使って何を表現しようかということを考え、それを成功に結びつけるための映像をイメージしてコンペに臨むのです。
演出家には、まずはこういったコンペを勝ち取れる能力、言い換えるとプレゼンテーション能力が必要です。
このプレゼンテーションをより完全なものとするため、クライアントとこれから作ろうとする作品を共有できるよう、台本や絵コンテを作るのです。
クライアントと制作者の間に代理店が入っている場合は別ですが、アーツテックの場合は、クライアント様との直接取引きにこだわっています。
クライアントの望む映像が、実際にどういう表現となるのか、観た人にどのように伝わるのか。それは、映像を作るプロにしか分かりません。
アーツテックは映像を作るプロですので、クライアントから頂いた要望を細かくプレゼンテーションに入れて説明します。
これがブレていると、伝えたいことが伝わらないような映像になってしまうのです。
アーツテックでは、東京の丸の内にある某上場企業様の、リクルート用の映像を撮影したことがありました。
そのとき、最初に東京駅から映像が始まり、すぐに、丸の内のビル街の映像を映すよう絵コンテを書いてプレゼンテーションで表現しました。
リクルート用の映像というと、対象は10代から20代前半の若い世代ですよね。彼ら若い人が見たらどういったものを「素敵だな」と感じるかを、制作者が理解している必要があるのです。
40代から50代の人の心に響いたとしても、リクルート用映像としては対象者の琴線に触れません。そうなると、どんなに質の高い映像が完成したとしても、表現手法としては失敗です。
アーツテックの作る映像には、ワンカットずつに全て意味があるんですよ。だから効果を生むのだと自負しています。