映像制作会社の経営を目指すあなたへ PART 2 ~誠実さこそ財産~ - 映像制作・動画制作会社 - ARTSTECH(アーツテック)

映像制作会社の経営を目指すあなたへ PART 2 ~誠実さこそ財産~

2026.06.30 (Tue)

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営業、人材育成、資金繰り、組織づくり、そして学び続ける姿勢。

 

映像・動画制作会社を経営するということは、一人のクリエイターである前に、一人の経営者として多くの責任を背負うことでもあります。

 

本コラムでは、前回に引き続いて、アーツテック代表酒井靖之監督に、30年以上にわたり映像制作会社を経営してきた経験をもとに、「会社を続けるために本当に大切なこと」をお聞きしました。

 

映像制作会社を立ち上げたい人も、すでに経営している人も、長く選ばれ続ける会社を目指すためのヒントとして読んでいただければ幸いです。

 

 

 

Q「社長になると制作時間が減るのはなぜですか」

 

A

社長にとって、いちばん大事なことは、売り上げをあげて、社員に給料を払っていくことです。

 

そのためには、営業的な側面であったり、会計的な面であったり、様々なことをやらなければなりません。

 

単に制作だけをやっているだけでは、会社はすぐに潰れてしまいます。

そういった意味では、制作に費やせる時間が減るのは、仕方のないことだと思います。

 

ただし、僕はクリエイションをやりたくて会社を始めたので、社長業のためにクリエイトの時間を減らすのは本末転倒だと思っていました。

この矛盾を断ち切るのは、時間革命しかない。

そう腹をくくってやってきました。

 

1時間で普通の人の5時間分の仕事をしようと挑戦してきたので、今は、時間が無くて困るということはありません。

というよりも、社長業とクリエイター業を兼ねてやっている今の方が、作品の質は高いと思っています。

 

逆に、幾らでもクリエイションに費やす時間があるとしたら、ダラダラした一日になってしまうかもしれません。

 

 

Q「経営と制作は両立できますか?」

 

A

経営というものは、儲けを出していかなければなりませんし、制作は儲けだけを考えていてはできません。

映画で言えば、作品の質を高めるのは監督、儲けを出すのがプロデューサーです。

監督とプロデューサーの両方を兼ねるのは大変ですが、自分はなんとか両立できていると思っています。

 

そのためには、社長の脳と、クリエイターの脳を使い分けることが重要です。

僕の場合、社長脳とクリエイター脳を、時間を区切って使い分けています。

クリエイションをしている時に、いきなり見積書を見てくれと言われても難しいですね。

時間でしっかり分けています。

 

 

 

Q「社長は何に時間を使うべきですか?」

 

A

社長が何より時間を使うべきことは、人づくりだと思います。

 

僕は作品づくりよりも人づくりに、長く時間を費やしてきました。

 

良いスタッフがいて、はじめて自分の作品がカタチになっていくわけですし、売り上げを出してくれる人材がいるからこそ、自分たちは作品に取り組めるわけです。

 

営業にしても、制作にしても、一流のビジネスマンになってほしい。

もっと言えば、自分以上になってほしい。

そう思って、人づくりをしてきました。

 

組織は、人財がいてこそ。

人づくりに、いちばん時間を費やすべきと考えます。

 

 

 

Q「経営者も現場に出続けるべきですか?」

 

A

人それぞれの考え方はあるかと思いますが、映像・動画が好きで、この世界に入ってきたならば、出れるうちは現場に出るのが自然なカタチだと思います。

 

単に経営だけをしていたいというのであれば、他のもっと儲かる業界に転身することをお薦めします。

 

 

 

Q「社長は休んでもいいのでしょうか」

 

A

社長は休んでもいいと思います。

 

「社長は好きなときに休めていいな」と思う人もいるかと思いますが、借金等のあらゆるリスクを社長が負うのですから、基本、何をしてもいいと思います。

 

そういう覚悟のある人だけができる仕事ですので、社員の生活をしっかり守っていけるのなら、何をしてもいいのです。

 

ただし、社員の生活も守れず、ずっと安月給で働かせているのに自分だけ遊び呆けているのは論外です。

 

僕は、モノを作っている時間が好きなので、社長の特権として、休日出勤もしています。

 

そういう社長がいても、良いのではないでしょうか。

 

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Q「若手に仕事を任せるときに大事なことは?」

 

A

人づくりを十分行った上で、ある基準に到達したならば、若手にひとつの仕事を任せるということをやっていかなければいけないと思います。

 

基本的に僕は、「自分よりすごい人間を育てる」ということをテーマに社員教育を行っているので、彼らが育ってきた段階で、少しずつステップを踏みながら、段階的に仕事を任せるようにしています。

 

自分の夢は、僕へ指名で来るような仕事を、自分の代わりに情熱を持ってやってくれる人間を育てることです。

 

 

 

Q「成長する社長の習慣とは?」

 

A

自分はこういう仕事をしているので、ありとあらゆる企業に出入りさせて頂いて、あらゆる社長のインタビューを撮ってきました。

 

共通していることは、優秀な社長ほど、社長室は本で埋め尽くされていることです。

 

本から様々な知識を得て、自分の指針にしているのだな、と容易に察せられます。

本も読まず、何の信念も思想も持たずに会社を成長させられるほど、社長職は甘くないと思います。

新しく立ち上げた会社の約7割が3年以内に潰れていくという現状では、社長の信念というものが非常に重要になってきます。

 

信念を養う最大の武器は、読書だと僕は思っています。

 

 

 

Q「一流の経営者は何に時間を使っていますか?」

 

A

自分が見てきた一流の経営者に共通することは、何に時間を使うかというよりも、時間の使い方のメリハリにあると思います。

 

朝の貴重な時間を無駄にすることなく、次から次に頭を回転させて、さまざまなことを決済し、仕事を行っていく。

そして、自分の時間は、ゴルフやヨットなど、自分の趣味の世界に没頭する。

働くときは徹底的に働く。遊ぶときは徹底的に遊ぶ。

 

このような時間の使い方のメリハリこそが、一流の経営者の素養なんじゃないかと思います。

 

 

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Q「なぜ多くの会社は消えていくのですか?」

 

A

YouTubeが流行ればYouTubeの制作会社ができ、SNSが流行ればSNS、TikTokが流行ればTikTokの制作会社が増えていく。

 

これは商売として自然なことだと思いますが、そのような時流だけに乗った商売は、やがて消えていく運命にあるというのは、当然だと思います。

 

残っていくのは、本質的に商売を極めていったところだけです。

 

映像制作・動画制作会社も例外ではなく、生き残っていくためには、選ばれる会社にならなければなりません。

 

作品においても、実績においても、あらゆる面で信頼される企業でなければ、生き残るのは難しいと思います。

 

 

Q「10年続く会社の共通点とは?」

 

A

オンリーワンの何かを持っていることと、もうひとつは、その会社と付き合うメリット(ベネフィット)が圧倒的に優れていることです。

 

この会社に作品を頼むと、めちゃくちゃ売れる、とか、ものすごくウチの会社を目立たせてくれる、などということです。

 

単に映像を作れる、広告を作れる会社はごまんとあるわけで、見る人に感動を与えたり、ココロを動かしたり、この商品をぜひ買いたいと思わせる作品を作れる会社は限られてきます。

圧倒的かつオンリーワンの何かがなければ、10年続けるのはとても難しいことです。

 

弊社は創業から30年を越えました。

 

思えば遠くにきたものですが、気を緩めず、技術力、制作力、またお客様への対応力を上げて、他社と勝負していかなければ、と思っています。

 

 

Q「会社の文化はどうつくられますか?」

 

A

会社の文化とは、その会社の社長の思想と信念以外の何物でもありません。

会社の文化は、社長の生き方そのものです。

だからこそ、社長は学び、本を読み、良いものから影響されなければなりません。

良くも悪くも、すべては社長次第です。

 

これは、どの業種のどの会社でも一緒だと思います。

 

創業100年以上も続く会社でいちばん大事なのは、創業の精神をいかに絶やさずに持っていられるか。

これを持ち続け、継承し続けている会社は「100年企業」になるのだと思います。

 

こうした100年企業は、創業者が素晴らしいだけではなく、創業者の精神を保ち続ける後継者の努力もあったのだ、と推察できます。

 

 

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Q「人材の育て方を教えてください」

 

A

僕は早い段階でフリーになったので、映像の仕事の「師匠」と呼べる人がいません。

ほとんど独学でやってきた部分が大きいです。

 

その分、遠回りしてしまったので、うちの新入社員には近道を教えてあげたいと思っています。

 

この業界は、コミュニケーション能力が高い人が得をします。

弊社の場合、映像のクリエイターになりたい人には、まず営業をやってもらいます。

なぜなら、コミュニケーション能力が高くないと、せっかく良いアイデアをもっていたとしても、その人間が選ばれることはないからです。

 

パソコンに向かって、編集をコツコツやるのも大事ですが、それだけだと、一生そのポジションから抜け出せない可能性が非常に高くなります。

 

監督やプロデューサーは、お客様、クライアントだけではなく、あらゆるスタッフと、徹底的に議論を重ねていかねばならないポジションです。

だからこそ、単なる映像バカ(失礼!)では、その立場には行けないのです。

 

僕は独学なので、随分と遠回りしました。

だからこそ、近道を教えてあげたいと思っています。

 

 

コミュニケーション能力を徹底的に学べるのは営業です。

これに勝る訓練はありません。

 

営業で、自分や自社を信頼してもらえるプレゼンテーション能力、コミュニケーション能力が身についたら、次の段階でクリエイティブな部分をやってもらいます。

コミュニケーション能力、プレゼン能力、クリエイト能力、これらが相まった時に、監督だったり、プロデューサーだったりの、現場のリーダーになっていけます。

 

遠回りのようで、これが一番の近道。

「こうすれば、あなたは5年以内にトップの立場に立てるよ」という、そういうやり方を教えています。

飲み込みの早い人は、早ければ3年で、ディレクターレベルに到達できます。

 

 

Q「人を選ぶ際のポイントは何ですか?」

 

A

人を選ぶ基準は、「誠実」かどうか。これにつきます。

 

ビジネスで、いちばん大切なのは誠実さです。

誠実であれば、信用を築けます。

 

誠実さに欠けている人は、仕事の結果も出づらい。

納期に遅れてもいいや、とか、遅れてもたいして気にもしない、とか、メールの返信が遅くなっても気にしない等は、それはひとえに、誠実さに欠けているからだと思います。

 

どんなにクリエイティブな仕事でも、ビジネスは「人と人」との関係が重要なので、「あの人の仕事の姿勢は素晴らしいな」と思ってもらえるところには、仕事の広がりがあるし、次にまたお願いしよう、ということになります。

 

単に、作品が良いからといって、それだけで会社や自分の名声が広がるわけではないのです。

やはり、すべては誠実さ、仕事に対する姿勢にかかってきます。

 

僕は、「誠実さ」というのは、ある種の才能だと思っています。

持って生まれたものや、育てられ方によることも大きいかもしれませんが、誠実さを身に着けるためには、人よりも苦労することです。

だから先達は、「苦労は買ってでもしろ」と言ったのだと思います。

 

苦労しているから、人の気持ちも分かる。

「必ずこの恩を返そう」という感謝の気持ちは、苦労することで育ちます。

 

苦労をなるべく避けたい、というのは、人間として当たり前ですが、将来大きく成長したい、経営者になりたいという人は、人一倍の苦労を喜んでするべきだと思います。

 

苦労も何もしていない人が、リーダーになっては、皆がかわいそうだし、そんな人が頂点に立てるほど、この世界は甘くないと思います。

 

 

 

おわりに

 

以上、いろいろと言わせて頂きました。

 

結局のところ、誠実に仕事をする、ということが全ての根幹です。

僕は、何歳であっても、死ぬまで誠実でいつづけけたいと思っています。

 

そして、こんなちっぽけな自分を信用してもらい、お仕事までいただいていることに、本当に感謝します。

自分の作品を通して、何十倍ものお返しをしないといけないと思っています。

 

これからも、さらに人間を磨き、技術を磨き、成長を続けていきたいと思っています。

 

 

 

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