映像制作の流れとは?企画・撮影・編集などの工程を徹底解説
2019.04.02 (Tue)
2019.04.02 (Tue)
会社を紹介したい、または自社ブランドの商品を取引先やクライアントに発表したいというときに、「映像を制作しよう」と考える企業も少なくないでしょう。また、映像制作に慣れていないために、何から始めたらよいのかわからないという悩みを抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回は、自分たちで映像を制作する場合にどのような流れを押さえるべきなのかを解説していきます。ぜひ参考にしてみてください。
Contents
すべての仕事の流れがそうであるように、動画制作もまず打ち合わせからスタートします。何のために動画を制作するのか、伝えたいメッセージは何か、誰にどのように、何を届けたいのかなど、綿密な打ち合わせを行って方向性を決めていきます。
打ち合わせとヒアリングによって制作側の向かうべき方向性が明確かします。ここを誤ってしまうと、依頼側の意図するものと違うものができあがってしまいます。
打ち合わせは、顧客やユーザーの心を掴む動画を制作するために最も重要な工程です。依頼側は、ここを明確にしないと制作会社は、目標やゴールが見えてきません。依頼側は「動画を制作する目的」「予算」「納期」、この3つは具体的にしておく必要があります。
次に、ヒアリングの内容を踏まえて企画立案に入ります。
コンテンツのクオリティは企画力で決まるといっても過言ではありません。「何のために」「誰のために」「どんなことを伝えたくて」動画を制作するのか。打ち合わせから受け取ったイメージを具体的な形に落とし込んでいきます。
企画段階では、スタッフでアイディアを出し合い、コンテンツの骨子を組んでいきます。
ここで大切なことは、どれだけ優れたアイデアであっても、それだけでは絵に描いた餅に過ぎません。生み出されたアイデアを具体的に実現するためにはどうすべきかまで落とし込む工程が「企画」と言えます。
企画案がまとまり、依頼側とのコンセンサスが取れ、その企画にGoがかかった段階で、次はシナリオやコンテの作成に入ります。企画を台本や絵コンテなど、目に見える形に具現化する工程です。
シナリオ、コンテを作成することによって、撮影のロケーションやキャスティングなどが具体的に浮かび上がります。
コンテを元に、依頼側と再度打ち合わせをし、内容を詰めていきます。
そして、撮影準備に入ります。
現場の下見や撮影許可の申請、モデルや役者のオーディションを行います。
また、「香盤表」という撮影スケジュールをまとめた資料もこの段階で作成します。香盤表とは、キャストやエキストラの現場入り時間、衣装や小道具などの情報が事細かく書かれたもので、撮影を円滑に進めるために必要不可欠な資料です。
いよいよ撮影に入ります。撮影は作成したシナリオ、香盤表に沿って行われます。撮影においては、キャスト、カメラマン、カメラや照明といった機材、撮影現場の確保など、さまざまな事前手配が必要となります。
撮影は「プロダクション」とも呼ばれ、イメージを具体的な映像に定着する工程です。
撮影が完了したら、次は撮影した素材をシナリオ通りにまとめる編集作業に進みます。編集作業は、編集機、もしくは編集ソフトを使用します。
まずは、素材を整理し、編集し易い状態へ整えます。この準備作業は非常に重要で、今後の編集時間を短縮するために欠かせないものとなります。はじめに仮編集と言われる工程に入ります。仮編集は「オフライン編集」とも呼ばれ、本編集の前にシーンの大まかなカット割りなどを行うことを指します。一方、本編集は「オンライン編集」と呼ばれ、シーンの緻密なカット割りや高度なエフェクトを加えるなどして、映像を1つの作品として仕上げることを指します。
弊社のポリシーとして、仮編集段階で、本編集のクオリティまで高めることで、試写の際に、依頼側により完成に近いものを見ていただいています。
仮編集の段階で試写を行います。依頼側からの要望を受け取り、後日、本編集となります。
本編集では、依頼側にお立ち会いいただきます。要望がある場合は、その場で動画を編集し、最終確認いただきます。
この段階で「今後、映像の修正は頼めないもの」と認識していただき、重大な問題点がないか念入りにチェックしていただいています。
音入れとは、編集済みの映像にナレーションやBGMを挿入する工程です。音入れは、専門用語で「MA(Multi Audio)」とも呼ばれ、コンテンツを完成形へと導く最終的なプロセスです。
音が人に与える影響はとても大きく、ナレーションとBGMで動画作品の印象はガラリと変わります。そのため音入れ時には、依頼側も現場に来ていただきます。ナレーションのアクセントや音楽のイメージなどを一緒に確認し、完成、納品となります。
・目的やターゲットをきちんと明確にする
映像制作で一番大切なのは、「誰に向けた映像なのか」「何の目的で映像を制作するのか」ということです。この2点をきちんと把握していないと、せっかく映像を制作してもふわっとした雰囲気の映像に仕上がってしまいます。
映像を制作しようと思い立ったとすれば、それには何かしらの明確な目的があるはずです。例えば、新入社員や求職者に向けた会社紹介のための映像だったり、新しい取引先やクライアントへ向けた自社商品の紹介映像だったりと、映像制作の目的はさまざまあるでしょう。映像制作においては、目的やターゲットをきちんと確立させておくことが重要です。
・コンセプトがブレないようしっかりと脚本を作成する
自分たちで映像を制作する場合に大切なのが、映像の目的、ターゲット層、映像のコンセプトがブレないように脚本を作成するということです。自分たちで映像を制作するとなると、どうしてもこの3点がブレてしまいがちです。ここがブレると、いざ映像が完成して見直したときに、何を伝えたいのかいまいちよく分からない、ということになってしまいます。
そうならないためにも、映像内容をきちんと脚本として起こすことが大切なのです。きちんと脚本を起こしていれば、その脚本通りに進めることで、このようなブレの心配がなくなります。
・カメラマンや登場人物など必要な人材の確保と通常業務のタスク管理
自分たちで映像を制作するならば、映像の内容に応じた人材の確保が必要になります。カメラマンや進行役の人間はもちろんのこと、アシスタントや映像内の登場人物に見合った数の人間を社内から選出しなければなりません。
業務と並行して行うことになりますから、映像制作に携わる人が抱えている仕事のタスク管理なども必要になってきます。
・映像撮影はクオリティーを意識することが大切
自分たちで映像を制作するとなると、どうしてもアットホームな雰囲気の映像に仕上がってしまう場合が多いです。例えば、社内を紹介する映像を撮影するとき、カメラマンもインタビュアーもインタビューを受ける人間も自社の人間ですので、どうしても「仲間感」が出てしまいます。
企業の映像となるとスタイリッシュなものが評価される場合が多いので、あまりにもこのような印象が強く出てしまうと、あまり良い反応を得られない可能性が高まります。
・映像の編集・本格的な制作段階へと移る
撮影が一通り終わったら、いよいよ映像編集へ入ります。この工程は映像の仕上がり具合を決める重要なポイントとなるので、手を抜かずにしっかりと行うことが大切です。
映像の見せ方や演出の仕方は、技術とセンスがカギを握ります。映像の編集に関して、何らかの知識や技術がある人物を抜擢しておくことをおすすめします。
動画を作るゴールを決めておくことは動画制作における絶対条件です。動画の目的は主に3種類あり、どれに該当するかを設定してください。
動画制作にかけられる予算は事前に決めておいてください。予算が曖昧だと制作会社もどのような映像が実現可能かを決めかねます。
もし予算をハッキリと決められない場合は、制作会社に作りたい動画のイメージを伝え、どれくらいの制作費がかかるか聞きてみるのもいいかもしれません。
動画をいつまでに完成したいかの納期も決めておいてください。納期を明確に制作会社に伝えることは、全体のスケジュールを大きく左右します。
自社で動画を制作する場合にかかる費用は、撮影機材、編集ソフトの費用があげられます。最近ではスマートフォンでも画質の良い動画は撮影できるため、機材にこだわらなければほとんど費用はかからないでしょう。高度で複雑な編集を行いたい場合はは、動画編集が行えるソフトウェアを購入するとよいかもしれません。
無料トライアルを実施しているところもあるので、試してみるのも一つの手です。簡単な作業であれば無料ソフトでも十分編集はできるので、まずは無料ソフトを使うのがおすすめです。
動画制作会社に依頼する場合、企画から編集までいくつかの段階に分かれている場合が多いため、どこまで依頼するかによって費用は大きく変わります。撮影や編集だけだと、費用を抑えられますが、企画・構成まで依頼すると一定の費用は掛かります。どのような動画を作成するかによって、工程も増えることがあります。
自分たちで映像を制作すれば、かなりオリジナリティ溢れる映像を制作することができます。しかし、さまざまな工程や流れをしっかりと把握しておかなければならないほか、ただ撮影して編集するだけではなく、演出や見せ方などに技術やセンスも必要となってきます。
こうした労力をかけることが難しいという企業の場合、映像制作を専門に行っている業者に依頼するという手もあります。この場合、打ち合わせなどを重ねる必要はありますが、かなり本格的な仕上がりの映像が制作できます。
場合によってはこちらも検討してみてはいかがでしょうか。
筆者:アーツテック制作スタッフ 伊藤