採用動画を作っても応募が増えない7つの理由|成果につなげる改善ポイントを解説
2026.08.06 (Thu)
2026.08.06 (Thu)

採用活動を強化するために、採用動画を制作する企業が増えています。
社員インタビュー、職場紹介、若手社員への密着、企業理念を伝えるコンセプトムービーなど、採用動画の形式も多様化しています。
しかし、実際には、
「採用動画を作ったのに、応募数がほとんど変わらない」
「映像の完成度は高いのに、採用成果につながっていない」
「採用サイトやYouTubeに掲載したが、ほとんど再生されていない」
といった悩みを抱えている企業も少なくありません。
採用動画は、制作すれば自動的に応募が増えるものではありません。
どれほど美しい映像を作っても、求職者が知りたいことと内容がずれていたり、動画自体が採用したい人材に届いていなかったりすれば、応募にはつながりません。
重要なのは、採用動画を単なる「会社紹介映像」ではなく、求職者の心を動かし、応募や説明会への参加といった行動につなげる採用戦略として設計することです。
本記事では、採用動画を作っても応募が増えない主な理由と、成果につなげるための改善ポイントを、実際の採用動画制作事例を交えながら解説します。
採用動画には、文章や写真だけでは伝えにくい情報を、視覚と聴覚を通して伝えられる強みがあります。
社員の表情、声のトーン、職場の空気感、仕事に向き合う姿勢、社員同士の関係性などは、求人票の文章だけでは十分に表現できません。
動画であれば、社員が働く姿や自然な会話を見せることで、求職者に職場の雰囲気を直感的に感じてもらえます。
一方で、動画に会社の情報を詰め込めば、応募が増えるわけではありません。
採用動画を成果につなげるためには、大きく分けて次の3つが必要です。
1つ目は、求職者の心を動かす内容であること。
2つ目は、採用したい人材に動画が届いていること。
3つ目は、動画を見た後に、応募や説明会予約などの行動へ進めることです。
このうち、どれか1つでも欠けていると、動画は再生されても応募には結びつきません。
つまり、採用動画の成果は、映像の美しさや撮影機材の性能だけで決まるものではないのです。
採用動画で起こりやすい失敗の1つが、企業側の伝えたい情報だけで構成してしまうことです。
例えば、次のような内容です。
「当社は創業50年の歴史があります」
「全国に多くの拠点を展開しています」
「高い技術力を強みに成長を続けています」
「お客様第一の姿勢を大切にしています」
これらは、会社にとって重要な情報です。
しかし、求職者にとっては、その情報だけでは応募する理由になりません。
求職者が本当に知りたいのは、自分がその会社で働いたときに、どのような毎日を過ごすことになるのかということです。
例えば、
「入社後はどのような仕事を任されるのか」
「未経験でも仕事を覚えられるのか」
「上司や先輩はどのように接してくれるのか」
「どのような人が評価されるのか」
「仕事の大変な部分は何か」
「3年後にどのような成長ができるのか」
といった情報です。
採用動画では、企業の歴史や規模を説明するだけでなく、その情報が求職者にとってどのような意味を持つのかまで伝える必要があります。
例えば、「創業50年」という事実を伝えるのであれば、単に年数を見せるのではなく、
「長年蓄積してきた教育ノウハウがある」
「若手に仕事を任せながら、経験豊富な社員が支える文化がある」
「安定した経営基盤の中で、新しい挑戦ができる」
といった、働く人にとっての価値へ変換します。
企業情報を、そのまま並べるのではありません。
求職者が自分の未来を想像できる言葉と映像に置き換えることが、採用動画の基本です。
採用動画で社員インタビューを行っていても、必ずしも社員の人柄や社風が伝わるとは限りません。
よくあるのが、社員がカメラの前で、
「風通しの良い会社です」
「若手でも活躍できます」
「やりがいのある仕事です」
「社員同士の仲が良いです」
と話すだけの動画です。
内容として間違っているわけではありませんが、多くの企業が同じような言葉を使っています。
そのため、視聴者の記憶には残りにくくなります。
重要なのは、抽象的な言葉を、具体的な経験に変えることです。
例えば、「風通しが良い」と伝えるのであれば、
「入社半年のときに、自分の提案が新しいプロジェクトに採用された」
「失敗した際、上司に責められるのではなく、一緒に原因を考えてもらった」
「社長が若手社員の席まで来て、直接意見を聞くことがある」
といった実際の出来事を語ってもらいます。
具体的なエピソードには、その人の感情が含まれます。
嬉しかったこと、悔しかったこと、困ったこと、成長を実感した瞬間などを語ることで、社員の人柄と会社の文化が自然に見えてきます。
採用動画制作事例|東武ホテルマネジメント「私たちのAmbition」(ArtsTech)
東武ホテルマネジメントの「私たちのAmbition」では、調理、バンケット、宿泊、レストランなど、各部門の第一線で働く若手社員を取材しています。
社員の働く姿を通して、仕事への誇りや、やりがいを伝えるドキュメンタリースタイルの採用動画です。
ここで重要なのは、社員に会社の長所を説明させるだけでなく、一人ひとりが仕事に向き合う姿を見せていることです。
人は、企業の制度だけを見て入社を決めるわけではありません。
「この人たちと働きたい」
「この先輩のようになりたい」
「この環境なら自分も成長できそうだ」
と感じたとき、会社への興味が応募意欲へ変わります。
採用動画を制作する際、ターゲットが「求職者全般」になっているケースがあります。
しかし、新卒社員、第二新卒、業界経験者、未経験者、管理職候補では、それぞれ求めている情報が異なります。
新卒の学生は、社会人として働くこと自体を具体的に想像できていない場合があります。
そのため、職場の雰囲気、若手社員の成長、研修制度、上司や先輩との関係などが重要です。
一方、中途採用の求職者は、仕事内容、裁量、給与、評価制度、組織体制、キャリアアップなど、より具体的な情報を求めます。
未経験者であれば、
「本当に自分でも仕事を覚えられるのか」
「どのような教育が用意されているのか」
という不安を解消する必要があります。
経験者であれば、
「これまでの経験をどこまで生かせるのか」
「現在の会社よりも成長できる環境なのか」
という視点で企業を判断します。
すべての人に向けて会社の魅力を幅広く伝えようとすると、結果として誰の心にも深く刺さらない動画になります。
採用動画を作る前に、次の項目を具体的に決めることが重要です。
「どの職種を採用したいのか」
「年齢や経験はどの程度か」
「現在、どのような職場で働いている人なのか」
「就職や転職に対して、どのような不安を抱えているのか」
「企業を比較するときに、何を重視するのか」
「応募を迷っている最大の理由は何か」
例えば、製造業の技術職を採用したい場合でも、「ものづくりが好きな新卒学生」と「同業他社で働く経験者」では、響く内容が異なります。
ターゲットを明確にすることで、出演する社員、インタビューの質問、映像のテンポ、音楽、動画の尺、配信媒体まで決めやすくなります。
採用動画は、会社を広く紹介する映像ではなく、特定の相手に向けたメッセージとして設計する必要があります。
求職者は、1社だけを見て就職先や転職先を決めるわけではありません。
多くの場合、複数の求人情報、採用サイト、口コミ、会社説明会、SNSなどを見ながら企業を比較しています。
給与、休日、福利厚生、勤務地などの条件が大きく変わらない場合、最後に判断を左右するのは、
「なぜ、ほかの会社ではなく、この会社を選ぶのか」
という理由です。
採用動画には、この「会社を選ぶ理由」を作る役割があります。
企業が採用動画で伝えるべきなのは、単なる会社の長所ではありません。
「研修制度が充実している」
「若手が活躍している」
「社員同士の仲が良い」
「社会に貢献している」
といった言葉は、多くの企業が使っています。
これらの言葉だけでは、求職者にとって、ほかの会社との違いが分かりません。
重要なのは、その会社にしかない具体的な理由まで掘り下げることです。
例えば、「若手が活躍している」という魅力を伝えるのであれば、実際に若手社員がどのような仕事を任され、どのように悩み、誰に支えられ、どのような成果を出したのかまで描きます。
「社会に貢献している」と伝えるのであれば、自社の商品やサービスが、誰の生活を、どのような場面で支えているのかを見せます。
「社員同士の仲が良い」と伝えるのであれば、社員にその言葉を話してもらうだけではなく、困っている後輩に先輩が声をかける場面や、部署を越えて協力する姿を映します。
抽象的な魅力を、具体的な人、出来事、表情、行動に置き換えることで、初めてその会社らしさが伝わります。
会社を選ぶ理由は、企業の規模や知名度だけから生まれるものではありません。
「この仕事だから得られる達成感」
「この仲間とだから乗り越えられる困難」
「この会社だから実現できる成長」
「この会社が社会で果たしている役割」
といった、企業独自の意味から生まれます。
特に、一般には仕事内容が知られていない業界や、学生から注目されにくい職種では、この理由づくりが重要です。

採用動画制作事例|株式会社ZERO「夢を未来へ運ぶ。」(ArtsTech)
株式会社ZEROは車両輸送業界のリーディングカンパニーである一方、ニッチな業界であることから、採用に苦戦していたという課題がありました。
そこで、採用動画によって業界に対する従来のイメージを変え、エントリー数の増加を目指す企画が行われました。
単に陸送会社の仕事内容を説明するのではなく、仕事をスタイリッシュに描き、車両輸送という仕事を「選びたくなる価値」へ変換している点が重要です。
求職者が知りたいのは、企業が優れている理由だけではありません。
「この会社で働くことが、自分にとってどのような意味を持つのか」です。
動画を見終わったときに、
「この会社でなければ経験できないかもしれない」
「この人たちと一緒に仕事をしてみたい」
「この仕事なら、自分の力を生かせそうだ」
「ここで働く自分を、少し見てみたい」
と感じてもらうこと。
それが、採用動画による「会社を選ぶ理由づくり」です。
採用動画は、最後まで見てもらえることを前提に作ってはいけません。
特にスマートフォンやSNSで視聴される動画は、冒頭で興味を持たれなければ、すぐに離脱されます。
それにもかかわらず、採用動画の冒頭が、
企業ロゴ
社屋の外観
受付や廊下
代表者の挨拶
会社沿革の説明
から始まるケースは少なくありません。
企業にとっては自然な順番ですが、求職者にとっては、まだ興味を持つ理由がありません。
動画の冒頭では、説明よりも先に、視聴者が「自分に関係がある」と感じる要素を見せる必要があります。
例えば、
「入社1年目、私は会社を辞めようと思っていた」
「この仕事は、誰にも知られないまま社会を支えている」
「3年前まで、私はこの業界のことを何も知らなかった」
「自分の仕事が、誰かの未来を変えるとは思っていなかった」
といった言葉から始める方法があります。
映像であれば、仕事の迫力が伝わる瞬間、社員の印象的な表情、失敗や葛藤を感じさせる場面、完成した製品やサービスが社会で使われている様子などを最初に見せます。
採用動画の冒頭に必要なのは、会社名の説明ではありません。
「この先を見たい」と感じさせる問いや感情です。
特に知名度が高くない企業や、仕事内容が一般に知られていない業界では、最初に強い印象を作らなければ、企業の魅力を説明する段階まで見てもらえません。
映像の完成度を高めることは重要です。
しかし、採用動画では、美しく見せることだけを優先すると、かえって信頼を失う場合があります。
明るいオフィスで、社員全員が笑顔で会話している。
若手社員が迷いなく仕事を進め、上司が優しく見守っている。
仕事の大変さや失敗は一切描かれず、会社の良い部分だけが続く。
このような動画は、一見すると印象が良いものの、視聴者には広告的に見えてしまいます。
求職者は、企業が自社を良く見せようとしていることを理解しています。
だからこそ、過剰に演出された映像よりも、仕事の現実が感じられる内容に信頼を感じます。
採用動画で見せるべきなのは、会社の欠点ではありません。
仕事の厳しさも含めて、その仕事にどのような価値があるのかを伝えることです。
例えば、
「覚えることが多く、最初の半年は毎日必死だった」
「お客様から厳しい言葉を受けたこともある」
「自分の判断が、プロジェクト全体に影響する責任がある」
といった事実を隠さずに伝えます。
その上で、
「先輩が支えてくれた」
「失敗をきっかけに、仕事への向き合い方が変わった」
「責任があるからこそ、完成したときの喜びが大きい」
という成長や意味を描きます。
リアルを見せることは、企業イメージを悪くすることではありません。
むしろ、良い部分だけでなく、仕事の厳しさも伝える企業に対して、求職者は誠実さを感じます。

採用動画制作事例|太陽誘電「私たちが夢に描いた未来―」(ArtTech)
採用動画では、企業や製品だけでなく、現場で働く社員の表情や情熱を前面に出すことで、仕事に向き合う人の本気を伝えられます。
会社を美しく見せることだけを目的にするのではなく、働く人の感情や熱量を映すことが重要です。
採用動画を作っても応募が増えない大きな原因が、配信設計の不足です。
採用サイトやYouTubeに動画を掲載しただけで、「あとは求職者が見つけてくれる」と考えてしまうケースがあります。
しかし、知名度の高い企業でなければ、求職者が自ら企業名を検索し、採用動画にたどり着く可能性は高くありません。
採用動画は、作ることと同じくらい、届けることが重要です。
活用方法としては、次のようなものがあります。
採用サイトへの掲載
求人媒体への掲載
会社説明会での上映
スカウトメールへの挿入
SNS広告での配信
YouTube広告での配信
Instagram、TikTok、YouTubeショートへの展開
社員によるSNS投稿
学校説明会や合同企業説明会での上映
内定者フォローでの活用
ただし、1本の長い採用動画を、すべての媒体で同じように使用するのは効果的ではありません。
例えば、会社説明会であれば、5分から10分程度の動画でも視聴してもらえる可能性があります。
一方、SNS広告では、最初から長い動画を見てもらうことは難しいため、15秒から30秒程度で興味を引く短尺動画が必要です。
採用サイトでは、会社全体を紹介する動画だけでなく、職種別、社員別、テーマ別に動画を分けることで、求職者が必要な情報へアクセスしやすくなります。

採用・ブランディング動画制作事例|ティラド「We are T.RAD」(ArtsTech)
ティラドの「We are T.RAD」は、会社のイメージを大きく変えるような、スタイリッシュなブランディングムービーを作り、採用動画としても活用したいという依頼から制作されています。
このように、採用動画は会社説明だけに使うものではありません。
企業の印象を作るブランディング動画と、社員や仕事を詳しく見せる動画、SNSで認知を広げる短尺動画など、役割を分けて展開することが重要です。
1回の撮影から、
企業全体を伝える本編
社員インタビュー動画
職種紹介動画
15秒の広告動画
縦型ショート動画
説明会用動画
などを制作すれば、採用活動のさまざまな場面で活用できます。
採用動画は、納品された時点で完成するのではありません。
求職者との接点に合わせて継続的に運用することで、初めて採用成果につながります。
採用動画を見て会社に興味を持っても、次に何をすればよいのか分からなければ、求職者は行動しません。
動画の最後に企業ロゴだけを表示して終了するケースがありますが、それでは視聴者に次の行動を委ねることになります。
応募につなげるためには、動画を見た後に取ってほしい行動を明確に示す必要があります。
例えば、
「採用サイトで社員インタビューを見る」
「オンライン会社説明会に申し込む」
「カジュアル面談を予約する」
「募集職種の詳細を確認する」
「LINEで採用情報を受け取る」
「エントリーフォームへ進む」
といった案内です。
また、応募という行動は、求職者にとって心理的な負担があります。
動画を見た直後に、いきなり履歴書の提出を求めるよりも、まずは会社説明会やカジュアル面談など、負担の小さい行動を用意した方が参加しやすくなります。
応募導線を設計する際は、次の流れを考えることが重要です。
動画を見て興味を持つ。
採用ページで詳しい情報を確認する。
社員や仕事内容への理解を深める。
説明会や面談に参加する。
不安を解消した上で応募する。
つまり、採用動画だけで応募を決断させようとする必要はありません。
動画の役割は、求職者の心を動かし、次の情報へ進みたくなる状態を作ることです。
動画、採用サイト、会社説明会、面談、応募フォームが分断されていると、その途中で離脱が発生します。
採用動画を制作する際は、動画単体ではなく、採用活動全体の導線を確認する必要があります。
ここまでの内容を整理すると、応募につながる採用動画には、次の6つの条件があります。
年齢や職種だけでなく、その人が現在どのような悩みや不安を抱えているのかまで考えます。
ターゲットが明確であれば、動画で伝えるべき内容も明確になります。
会社の沿革や事業説明だけでなく、仕事内容、職場の雰囲気、成長、上司との関係、仕事の厳しさなどを具体的に伝えます。
常に「求職者にとって、この情報はどのような意味を持つのか」を考える必要があります。
社員を会社説明の代弁者にするのではなく、一人の人間として描きます。
入社前の不安、仕事での失敗、成長した瞬間、将来の目標などを通して、視聴者が感情移入できる構成を作ります。
「風通しが良い」「成長できる」「社会に貢献できる」といった言葉だけでは、他社との差が伝わりません。
その会社ならではの仕事、文化、社員、顧客、技術、歴史などを掘り下げ、映像でしか見せられない魅力に変換します。
採用サイト、会社説明会、YouTube、TikTok、Instagram、広告では、視聴環境が異なります。
1本の動画をそのまま使い回すのではなく、縦型、横型、短尺、長尺など、接点に合わせて編集します。
応募、会社説明会、カジュアル面談、採用ページへの移動など、視聴後に取ってほしい行動を明確にします。
動画を見ることをゴールにせず、採用活動全体の中で動画の役割を設計する必要があります。
採用動画を作る際、最初に決めるべきなのは、撮影場所や出演者ではありません。
「採用動画によって、何を変えたいのか」を明確にすることです。
例えば、
応募数を増やしたい。
会社の認知度を高めたい。
仕事内容への誤解を解消したい。
若手社員の応募を増やしたい。
経験者の応募を増やしたい。
応募後の辞退を減らしたい。
入社後のミスマッチを減らしたい。
といった目的が考えられます。
目的によって、作るべき動画は変わります。
認知度を高めるなら、短時間で印象に残る映像が必要です。
仕事内容への理解を深めるなら、社員への密着や仕事紹介が有効です。
会社への共感を高めるなら、社員の成長や企業の社会的な役割を描くストーリーが適しています。
ミスマッチを減らすなら、仕事の良い部分だけでなく、厳しさや求められる姿勢も伝える必要があります。
採用動画の企画は、会社の魅力を並べることから始めるのではありません。
採用課題を特定し、その課題を解決するために、何を、誰に、どのように伝えるかを決めることから始まります。
求職者が採用動画を見ながら考えているのは、その会社がどれほど立派かということだけではありません。
「この会社に入ったら、自分はどうなるのか」
ということです。
どのような人と働くのか。
どのような仕事を経験するのか。
どのような力が身につくのか。
どのような壁にぶつかるのか。
その壁を越えた先に、どのような自分がいるのか。
採用動画で描くべきなのは、現在の会社だけではありません。
その会社で働くことによって生まれる、求職者の未来です。
そのためには、社員の表情や言葉だけでなく、仕事を通じて成長する過程を見せる必要があります。
先輩に助けられる姿。
初めて責任ある仕事を任される瞬間。
失敗して悩む姿。
仲間と一緒に成果を喜ぶ場面。
自分の仕事が社会につながっていると実感する瞬間。
こうした場面を通して、求職者は動画の中に自分を重ねます。
「この会社で働きたい」と思ってもらう前に、「この会社で働く自分を見てみたい」と感じてもらうことが重要です。
採用動画の目的は、会社の情報を正確に伝えることだけではありません。
求職者の感情を動かし、応募や会社説明会への参加といった、次のアクションを生み出すことです。
人は、情報を理解しただけでは、必ずしも行動しません。
会社の売上、事業内容、福利厚生、年間休日、研修制度などを理解しても、それだけで「この会社に応募しよう」と決断できるとは限りません。
情報は、企業を比較するための材料にはなります。
しかし、最後に人を動かすのは、
「この人たちと働きたい」
「この仕事に挑戦してみたい」
「自分もこんな未来を目指したい」
という感情です。
その感情が大きく動いた状態が、感動です。
採用動画における感動とは、必ずしも涙を流すような物語を意味するものではありません。
社員の仕事に対する真剣な姿に、心を動かされること。
困難を乗り越えて成長した姿に、共感すること。
目立たない仕事が社会を支えていると知り、見方が変わること。
若手社員が将来の夢を語る姿を見て、自分の未来を重ねること。
こうした小さな心の変化も、採用動画における感動です。
企業理念を文章で説明するだけでは、理念は企業側の言葉のままです。
しかし、その理念を実践する社員の行動や、仕事によって助けられた人の姿を映すことで、理念は視聴者が実感できる物語に変わります。
「会社の考え方を理解した」という状態から、
「この会社の考え方に共感した」
という状態へ変わるのです。
採用において、共感は重要な意味を持ちます。
条件だけで選ばれた会社は、より良い条件の企業が見つかれば、比較の対象から外れてしまう可能性があります。
一方、企業の考え方、社員の姿勢、仕事の意味に共感してもらえれば、その会社を選ぶ明確な理由が生まれます。
感動は、単なる映像演出ではありません。
求職者と企業との間に、感情的なつながりを作るための力です。
採用動画を見る前には、会社名さえ知らなかった人がいるかもしれません。
仕事内容に、あまり良い印象を持っていなかった人もいるでしょう。
自分には関係のない業界だと考えていた人もいるかもしれません。
しかし、動画の中で働く人の姿を見て、仕事の意味を知り、その人の人生や思いに触れることで、企業に対する見方は変わります。
「知らない会社」が、「気になる会社」になる。
「気になる会社」が、「もっと知りたい会社」になる。
そして、「もっと知りたい」という感情が、採用サイトへの訪問、会社説明会への参加、エントリーという行動につながります。
感動とは、視聴者をその場で泣かせることではありません。
動画を見る前と後で、その企業や仕事に対する見方を変えることです。
採用動画によって心が動き、会社を見る目が変わり、自分の未来を重ねられたとき、求職者は初めて一歩を踏み出します。
感動が、共感を生む。
共感が、会社を選ぶ理由になる。
そして、その理由が、応募というアクションを促します。
採用動画で目指すべきなのは、単なる理解ではありません。
人の心を動かし、未来の社員の行動を生み出すことです。
ここまで設計されて初めて、採用動画は応募につながる力を持ちます。
採用動画の目的は、再生回数を増やすことではありません。
求職者の心を動かし、
「この会社について、もっと知りたい」
「この人たちと働いてみたい」
と感じてもらい、最終的な応募へつなげることです。
企業の情報を伝えるだけでは、人は動きません。
社員の表情、仕事への誇り、失敗を乗り越えた経験、仲間との関係、社会における仕事の意味を、1つの物語として伝える必要があります。
そこに、感動が生まれます。
感動は、企業への共感を生みます。
共感は、その会社を選ぶ理由になります。
そして、その理由が、会社説明会への参加や応募といった具体的なアクションを促します。
採用したい人物を明確にし、その人が知りたい情報を届ける。
企業にしかない魅力を掘り起こし、働く人の人生や感情を通して描く。
動画を公開して終わるのではなく、採用サイト、SNS、広告、会社説明会、面談、応募までの導線を一体で設計する。
こうした採用戦略と、人の心を動かす映像表現が合わさったとき、採用動画は単なる会社紹介ではなく、未来の社員を動かす力を持ちます。
感動こそが、人を動かす。
それが、採用動画を応募成果へつなげるための重要な考え方です。
(筆者:アーツテックスタッフ 伊藤)