「動画」と「映像」の違いとは?動画・映像制作のプロが解説
2019.09.11 (Wed)
2019.09.11 (Wed)
「動画」と「映像」。どちらもよく使う言葉です。
この 2 つの似ている言葉の違いはどこにあ るのでしょうか?
この記事では「動画」と「映像」の違いを様々な観点から解説します。
◇「動画」と「映像」は何が違うのか?
「映像」という言葉は、今の時代、なんだか古い言い方に感じてしまいます。
それほど「動画」という言葉が若い世代を中心に浸透してきたのだと思います。
スマホでパッと撮って、サイトにアップ。
簡単、お手軽。これを「動画」とイメージする人が多いでしょう。
演出や作意がほとんど感じられないもの。いわゆる「まんま」を撮る。
そのリアルで、偽りのなさが、逆に Youtube などでは受けて、
Youtuber が紹介すると、商品がバカ売れしたりする現象も起きています。
一方、「映像」とは、作り手の意図があって、それに伴って演出が加えられる種類のもの。
いわゆるプロの仕事と言えるのではないでしょうか。
「映像」には、たくさんの演出が隠されています。
カメラワーク、ライティング、ポージング、セリフ、撮影する場所・ロケーション、
また編集もその一つです。
それぞれのプロが集結し、一つの「映像」が作られていく。作り手のヘッド・監督の
意図を、それぞれのプロたちがこだわり、そして、最高のものを生み出していく。
このように、作り上げられる「作品」=「映像」なんだと思います。
人の意思が詰まった作品 =「映像」。
スマホでお手軽、簡単、そのまんま =「動画」。
いきなり結論になってしまっていますが、他の可能性も探ってみたいと思います。
◇「動画」と「映像」、その特質について。
次は、「動画」と「映像」の違いについて、その特質で比較してみたいと思います。
映画は映写機のレンズを光が通過することで、その像が形成される仕組みです。
テレビは、モニタ上に、信号が走査線を描くことによって像を形成する仕組み。
これらは、学術的に「映像」といわれます。
映画館の、映写機から投影される映像に、夢やロマンを
感じない人はいないでしょう。
我が家にはじめてテレビが来た日。思い出してください。(古いでしょうか)
サッカー日本代表がワールドカップを決めた時、テレビの前で抱き合った人たち。
ワールボベースボールクラシックで日本が世界一になった時、
テレビの前で歓声をあげた人たち。
「映像」には人を魅了する何か、ワクワク、ドキドキが伴う何かがあります。
一方、写真などの静止画に対して、動いて見える連続的な像のことを
「動画」といいます。
Animation の訳が「動画」でもあります。
パラパラ漫画や、WEB のバナー広告なども「動画」と言えるかもしれません。
「映像」は、1秒間に 24~30 コマで形成される像の連続。
「動画」は、2 コマでも成立するものかもしれません。
「動画」をアニメーションと捉えると、「映像」との区別としては、
「実写」か「作画」か、ということになります。
そういった意味では、「作画」には、作り手の意思が
しっかりと反映されることになるので、「動画」に
作意がないとは言えなくなってきます。
視点を変えると、意味合いも変化してしまいます。
それほど、曖昧な表現なのでしょう。
◇「動画」と「映像」、使用シーンで比較。
次は、使用シーンで考えてみます。
TV や映画館のスクリーンに投影されるものが「映像」。
それに対して、スマホやタブレットで見るものが「動画」と分類できるかもしれません。
決まった時間になると、家族全員が自然と居間に集まり「8 時だよ!全員集合」とか
「おれたちひょうきん族」を見ていた時代がなつかしく思われます。
それこそ「映像」だったんだと。
一方、手軽にさっと見るものが「動画」。
テレビよりもスマホ、「映像」よりも「動画」を見る時代が到来していると思うと、
なんだか寂しい時代になったと感じます。
今や、吸引力が失われ、リビングの、まるで看板になりつつあるテレビ。
映像を見ている、ストーリーを見ている、という感覚がなくなってきています。
つまり、テレビが家の中のサイネージになりつつあります。
それは、何を意味しているか。
例えば CM だとすると、もっと言いたいことを直接的に、ストレートに、
短く表現しなければ、意識に入ってこない。
家族みんなは、テレビの前を、通り過ぎることなります。
サイネージは、言いたいことを一方的に「伝える」映像です。
動く看板ということです。伝えたい文字、目を惹きつけたい部分を動かして
「つい見てしまう」処理をする。
もともと、見ようと思ってそこにいくわけではないので、効果的な動きで、
目を惹きつけることが必要になってきます。
さらに言うと、音楽や効果音も重要です。
サイネージは、基本、うるさい店頭や、駅の柱などに設置されています。
その場所でも聞こえる、一番目立つような工夫が、つくる段階で必要です。
最近の流れとしては、逆に音を出さずに、文字で見せていく傾向にあります。
◇「動画」と「映像」、コンテンツの種類。
次は、コンテンツの種類の違いで考えてみます。
DVD、ブルーレイ、プロ用の収録メディア HDCAM、XDCAM は「映像」。
Youtube、Instagram、Facebook などは「動画」。
HDCAM、XDCAM は、信頼性と品質が保証されている、
プロ用の機材で収録するためのメディア。
テレビ番組や CM の放送で使用されます。これらは間違いなく「映像」の部類です。
また、DVD、ブルーレイは、「映画」や「ドラマ」のイメージが強いと思います。
Youtube、Instagram、Facebook は、いわゆるアマチュア、もっと言うと、一般の人、
おじいちゃん、おばあちゃんでも、器用な人なら扱えるメディアです。
使用する機材は、スマホ。最近では、一眼レフカメラなどを使って、
しっかり撮影している人もいます。
しかし、「動画」と定義した、Youtube、Instagram、Facebook にも、
「映画」や「ドラマ」が流れることもあります。
「Netfilix」のように、Web 上だけでの映画やドラマ、番組も登場してきています。
そういった意味では、SNS にのせるもの = 「動画」とは言えなくなり、
判断が難しくなってきます。
さらにいうと、Youtube をテレビに映して見るなど、最近では、
Net とテレビのさかいがなくなってきているのが現状です。
そう考えると、コンテンツの種類によって、分類することはできないという
結論に達します。
その他のWeb動画の事例はこちら
https://www.artstech.net/works/cat/webmovie
◇「動画」と「映像」、本当の違い。
では、「動画」と「映像」の本当の違いは何なのでしょうか。
テレビ放送がはじまって 66 年。そこに流れ続けてきた、いわゆる CM やドラマ、
そして映画。それらは、人々を魅了し、夢中にさせてきました。
そこには、1 カットへ命がけでこだわり、実現してきた並大抵でない「努力」や
「執念」があり、作り手の熱い深い「想い」が込められていました。
そういった、いわゆる「作品」と呼べるもの、本格的なスタイルが「映像」
ではないかと思います。
一方、簡単に、手軽に、たくさん作って、誰でもできて、
即公開するたぐいのスタイルが「動画」ではないかと考えます。
そこには、Youtube や sns の登場と、スマホのカメラ機能の進化が、
誰もが簡単に「動画」を作って、アップすることができる時代となった、
大きな要因だと考えています。
しかし、便利に、簡単になった分、そこに「こころ」が
失われてしまったのではないかとも感じます。
つまり、「映像」の要素となる「感動」をつくれるのは、「プロ」だけなのです。
◇ まとめ
弊社HPのトップに掲げているキャッチコピーは「実効果を出す『動画』戦略」。
しかし、我々が作るものは「動画」ではなく「映像」です。
「え?どういうこと?」と思われるでしょう。
我々アーツテックは、時代に合った「動画」戦略で実効果を出す
「映像」制作会社でいたいと考えています。
それは、すなわち「映像」というものを、今の時代にあった「動画」
というカタチに変えてお届けするということです。
見た目は一見「動画」でも、根底としているものは「映像」なんだ、
ということをお伝えしたいのです。
我々がつくるものには「想い」や「魂」、「感動」 があります。
どのような作品にも全身全霊で取り組む、それがアーツテックの姿勢です。
このような会社をお探しの方がいらしたら、ぜひご用命いただけましたら幸いです。