「ココロに響く動画」その制作手法を、実例を交えて解説
2020.07.21 (Tue)
2020.07.21 (Tue)
YouTube等の動画サイトは、ある調査によると1分間に100時間もの動画が投稿されているとも言われています。
無数の動画の中に埋もれさせることなく、自社の動画を
「記憶に残るもの」、「シェアしたくなるもの」、「商品の購買等のアクションを起こしていただけるもの」
にするためには、視聴者のココロに響く動画を制作することが重要です。
ここでは、「ココロに響く動画制作」について、事例を交えながら紹介していきます。
ココロに響く動画は、どうやって制作するの?皆を感動させ、
シェアしてもらう動画づくりの秘訣は?
Contents
皆様は、映画館で、その映画の世界に入り込んだ経験がありますか?
ヒーローが活躍するアクション映画を見て、自分まで強くなった気分になったことはありませんか?
誰しも一度は、登場人物の人生に感情移入して、喜怒哀楽を共に味わい、
エンドクレジットが流れても、席を立てず、すぐには現実に戻りたくないような
気持ちになったことがあるかと思います。
それが「映像でココロを動かされる」ということです。
私たちアーツテックは、企業の広告動画でも、視聴者のココロに響かせることはできるのだ、と考えています。
エンターテイメントの世界では、脚本を作る段階で、人がどの瞬間で、安心、喜び、楽しみ、悲しみなどを
感じてもらうかを、緻密に計算しています。
企業の動画も、エンターテイメントのように計算して作るべきです。
ホッとした気持ちや温かさを感じたり、勇気を与えてもらったりすること。
それは企業の広告動画でも十分できることなのです。
それを、きちっと計算して作る。
ココロに響く動画づくりのための、基本中の基本となります。
弊社が制作した、プリントパックのTV-CM「印刷で日本中のお役に立ちたい」
篇を例に挙げて解説いたしましょう。
プリントパック「印刷で日本中のお役に立ちたい」篇
テレビCMには15秒・30秒という尺があります。
いずれにしても、短い尺。
その中でドラマ性のあるストーリーを作ることは至難の業ですが、不可能ではありません。
このTV-CMは、開店当日を迎えたパン屋さんの夫婦のお話です。
15秒・30秒の短い尺だけに、ポイントとなるのは、視聴者の想像力になります。
ファーストカットは、パン屋の店主が本日開店という、プリントパックで印刷したポスターを貼っているシーン。
“ここに至るまでに、どれだけの苦労があったことだろう。
パン作りの修行を重ね、お金を貯め、やっと、この日を迎えたのだろう。”
視聴者に、そう感じてもらいたいシーンです。
しかし、後ろを振り返っても、お客様はいません。奥さんは店の前でチラシを配っています。
店主の不安そうな顔がアップになります。
ここも、視聴者に何かを感じてもらいたい局面です。
すると、奥さんのチラシに反応した女子高生が初めての客としてお店に入ってくる。
安堵とともに、感謝と感動の表情を浮かべる店主。
以上で15秒・30秒です。
視聴者の皆様から高い評価を頂いたこの作品には、ココロに響かせるための
様々な技術とロジックを詰め込んでいます。
文章の世界には「行間を読む」という言葉があります。実際に、文章として書いてなくても、
読者として、ある種の想像を働かせつつ読んでいくことを指します。
私は、映像・動画にも「行間」が必要だと考えています。
視聴者は、色々なことを考え、想像を膨らませながら、映像・動画を見ています。
作り手は、視聴者が考え、心を動かされる瞬間を、計算して作らなければなりません。
しかし、昨今、最初から最後まで、全てを説明しようとし過ぎる広告動画が多いように思います。
映像、ストーリーを追っていれば分かることを説明してはいけません。
それはまた、視聴者のことを、「全てを説明しなければ、内容を理解できない」と、
見下しているから、とも言えると思います。
私たちアーツテックは「視聴者は、視聴者なりの考えを持っている。想像力という、巨大な力を持っている」
ことを前提にして制作しています。
ですから、作品に「行間」を入れて、視聴者自身に考えて頂くことを非常に大切にしています。
視聴者に「行間」を考えていただくためには、プロット・シナリオを作成する段階で、
ロジックを十分に練り上げる必要があります。
こういう風に感じてもらいたい、という狙いを、緻密に構成したシナリオを作っていくこと。
そうすれば、「広告動画は広告のためであり、つまらないもの」という固定観念から脱却でき、
よりエンターテイメントに近いもの、シェアされる動画に昇華させることができると考えます。
世の中には、ココロに響かない動画、視聴者に何も考えさせない動画が多々あります。
皆様も、単調なナレーションによる、説明がびっしりと詰め込まれていて、
初めて聞くような言葉が平気で羅列されているような企業の動画をご覧になられたことがあるかと思います。
そのような動画には、心を動かす瞬間がありません。
説明に終止しているあまり、感情も動きません。
逆に嫌悪感すら覚えてしまいます。
まるで、何を言っているのか分からない校長先生の長い訓示を聞いているようなものです。
のべつ幕なしに一方的に伝えたいメッセージを伝えているだけではダメなのです。
テレビ番組なら、そのような番組作りは絶対にしないでしょう。
例えばクイズ番組においても、視聴者に考える時間を与えています。
考えているその時間に、視聴者に自分も番組に参加しているという意識が生まれ、
出演者と共に正解・不正解に一喜一憂できるのです。
またドキュメンタリーのような番組でも、一方的な説明に終始するということはありません。
例えば季節が変わった時には必ず、雪解けや春の訪れといったものをシーンで描いてから、
次の展開に移るのが常套手段です。
もし、それをナレーションだけで「三ヶ月が経ち、○○は‥‥」と済ませてしまったら、
時間の経過を体感することは難しいでしょう。
このように、相手に考えさせる余地を与えないもの、「行間」を与えないものは、
映像としての情感も無くなり、作品としての価値も下がってしまうことになります。
しかし、企業の「会社紹介動画」にはこの手のものが多いのが事実です。
会社紹介動画を楽しみながら見ている人は、まず、いないと言ってもいいでしょう。
「楽しんで見ていない」ということは、「ココロに響いていない」と同義語だと考えます。
私たちアーツテックは、いかなる種類の動画であっても、ココロに響かせ、
最後には必ず感動してもらうことを目指して制作しています。
エレクトロニクス業界の動画であっても、車の業界の動画であっても、
最後は「感動したな」「良かったな」と思ってもらえるもの。
そのような種類の感情を、視聴者に抱いて頂くことが、動画の成功であり、
私たちアーツテックは「ココロに響く動画制作」に全力を注いでいます。
「ウチの会社には心に響かせるサービスや社風がない・・・」
そのように言われるケースが多々あります。
しかし、それは「灯台下暗し」のケースがほとんどだと思います。
どの会社にもオンリーワンの何かがあり、「素敵だな」と思える部分は必ずあるものです。
他ならぬ会社の中にいる方々自身が、その良さを見失っていることが多いのです。
私たちはその良さを、外の立場から見出し、輝かせ、伝えていくことを大切にしています。
どの会社も持っている、絶対的な部分、その魅力を主軸に立てた構成にさせていただくことがよくあります。
「ウチはこんなに良い社風だったの!?」「よくよく考えて見ればウチってこんな会社だったよね!」
と仰ってもらえることもたくさん経験してきました。
映像・動画作品というものは、だんぜん、オリジナリティがある方がいいのです。
○○風というより、オンリーワンが、やはり目立ちます。
どんな業界でも、この会社の売りは何か、オンリーワンな部分はどこか、強く訴えたほうが良いのです。
それを、プロの目で見極め、緻密なロジックで作品にしていく。
それが私たちアーツテックに課せられた使命だと考えています。
相手のココロに響かせること。
これは簡単なことではありません。多くの方々を、老若男女全てを、
あまねく感動させることは至難の業といって良いと思います。
エンターテイメントの世界でも、世界中全ての人を感動させる作品は、
数えられるくらいの映画でしか成し遂げられていないのが現実。
大上段ですが、私たちアーツテックは、必ず7、8割の人に「見て良かった!」
と思って頂けるものを、狙って作っています。
それはとても難しい事であり、産みの苦しみも半端ではないですが、私たち、少なくとも私
酒井靖之は、それを本気で考え、挑戦しています。
ウォータースタンド株式会社
ウォータースタンド株式会社という、水道水からおいしい水を生成できる機械を製造販売している会社から、
私たちのミッションとビジョンを映像化してほしいとのご依頼がありました。
まず考えたのが、私たちの住む地球は水に覆われていて、私たちの人体の70%は水であり、
そしてその水は、生活に欠かすことはできないということ。
今、全世界が、プラスチックゴミによって環境が破壊されているという事実。
これをしっかりと伝え、共感性をとりつつ、作品が進んでいかなければなりません。
たとえば、
「私たちには、次の世代により良い地球環境を引き継ぐというミッションがあります」
これを、そのままストレートにナレーションにしてもココロには響きません。
私は、本動画を
「大地は祖先から受け継いだものではなく、未来の子供たちから預かっているもの」
というアフリカのことわざからスタートさせました。
そして、「プラスチックボトルが、地球にどのような影響を与えているのか」
ということを視聴者に考えて頂くために、全体的にゆとりを持たせた構成を取っています。
この作品を見終わった方すべてが、
「私たちがプラスチックボトルからマイボトルに変えるだけで、未来の子供たちを笑顔にできるんだ」
と感じて頂けるよう、最後は子供たちの笑顔のイメージで終わります。
視聴者の想像力の力を借りつつ、共感性を持たせたロジックで、
動画の本来の目的を達成できた例だと考えています。
これは、ただ単に、機械の設置をお願いするプロモーションではありません。
企業のミッションとビジョンをしっかりと際立たせることで、
「この会社には、こんな理念があるのか」
「自分でも環境に貢献できるかもしれない」
と感じて頂き、次なるアクションにつながるための動画です。
この作品により、何十人、何百人のかたがアクションを起こして頂ければ、
私たちの動画作りは間違っていなかったと言えます。
見る人々にアクションを起こさせる動画。
それがココロに響く動画ということではないでしょうか。
以上、2020年6月にリリースした動画をご紹介させて頂きました。
動画作りを通して社会貢献をしたい。
動画の力で「よし、やってみよう!」というモチベーションを抱いてもらいたい。
より良い作品は、より良い行動につながると信じてきましたし、
それがどんな種類の作品でも、私たちは、ココロに響く動画を目指してきました。
今も変わらぬアーツテックスタイルの動画制作です。
ココロに響く映像・動画作りの秘訣について、ひとつ言えることは、経験値、
ノウハウを持っている制作会社に依頼することが一番です。
どのような企業のクライアント様であっても、人を感動させるストーリーを作るためには、
ある種の才能、力が必要になってきます。
クライアント様が持っている伝えたいメッセージを、ココロに響く形にするノウハウ。
それを持っている制作会社・監督に依頼することが、成功への、最大の要因となります。
私事で恐縮ですが、私 酒井靖之はドラマ畑で育ちました。
ドラマは、人間のココロをドラマの展開で動かす、それ以外の何物でもありません。
その世界からテレビCMに参入し、20代からTV-CMの世界で活躍させていただきました。
ドラマ畑出身でしたので、15秒・30秒の短い尺は大変でしたが、
視聴者の「行間を読む力」「想像する力」をお借りするテクニックを身につけてからは、
ストーリー的なCMを多数作ることができ、過分にも高い評価を得させていただきました。
弊社アーツテックは、「動画」という新しいジャンルを切り拓いて行くという主旨で立ち上げました。
ドキュメンタリーであってもドラマであっても、企業の映像・動画作品でも、
ココロに響くものを作り続けるというマインドは創業当時から現在にいたるまで、
ありがたくも全く変わっていません。
結局、ココロに響かない作品など、いかなる作品でも意味を成すことはありません。
ココロに響くからこそシェアしたくなり、商品プロモーションなら、その商品を購入したくなるのです。
ココロに響く「感動動画」はアーツテックが作り上げたブランディング動画のジャンルです。
そのほとんどが100万再生を数え、800万を超えている作品もあります。
それこそ、相手のココロに響いたという証左であると思っています。
ココロに響く動画、シェアさせる動画を作りたいとお考えでしたら、ぜひアーツテックに相談ください。
日本屈指のクリエイター、酒井靖之監督が
最前線のクリエイティブの話題から、人生に役立つ情報まで縦横に語り尽くす!
クリエイティブに生きたいすべての人に贈るYouTubeチャンネル「sakaiTV」。
売れる動画・映像制作のパイオニア