差をつけるスマホムービーテクニック 撮影編
2021.01.31 (Sun)
2021.01.31 (Sun)
誰もが気軽に動画を撮影、編集できる今。
その大きな理由は言わずと知れたスマホの普及です。
カメラ性能は年々高まり、プロにまかせることなく、誰でもそれなりの動画が撮れてしまう。
自分で撮って、自分で編集、即アップロード。
その簡単さ、スピード感がうけているようです。
一方で、「残念な」動画が横行しているのも現状です。
どうせなら「『きれい』『面白い』『かっこいい』と言ってもらえる動画を作ってみたい」と思っている方が、多くいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、スマホで簡単プロ並みの動画を撮る、
差をつけるスマホムービー撮影術をご紹介します。
Contents
今から20年以上前。
ごついビデオカメラがないと動画を撮影できない時代がありました。
ちなみに当時は、「動画」という言葉はなく「映像」が一般的でした。
日曜日に子供を撮影するお父さんや、やたらと機材のことに詳しいカメラマニアの方が、がんばって30万円のハイスペックカメラを買っていました。
その後、1985年に誕生したソニーのハンディーカムを始め、民生機はコンパクトカメラが主流となります。
そして、30年ほどの時間を経て、今や皆様おなじみのスマートフォンが登場します。
ボタン一発でバンバン撮影でき、その簡単さ、手軽さから、スマホでの撮影は、こどもから、おばあちゃんまで、一気に広まりました。
ちなみに5歳のうちの子も、よく撮影してます。
そして、YouTubeやFacebook、そしてTwitterやInstagramなど、新しいメディアが生まれ、誰もが動画を撮影し、自己表現の手段として、そしてビジネス上のツールとして、気軽に編集、投稿できる時代がやってきました。
しかし…
「手軽に撮影」ができてしまう反面、「残念な動画」が横行しているのが今の時代の現状です。
世に出てはならない代物が、多数流出しているのです。
なんでもありの世の中。
再生回数が上がればそれで良し?
クオリティは二の次です。
例えば、画面がずっとブルブル震えている動画。
なぜかずっと画面が傾いたまま、延々と同じ場面を撮り続けている動画。
自分の顔が画面からはみ出し、中途半端に風景が写っている動画。
顔色が悪い動画。
つねにピントが合っていない動画。
雑音がうるさすぎて、声がまったく聞こえない動画など・・・
これらは決して世に出てはならない部類のものです。
ただ、上記のような動画を、ちょっとした工夫でプロ並みの動画にすることもできます。
そこで今回は、初心者でもOK!スマホで簡単プロ並みの動画を撮る、
差をつけるスマホムービー撮影術をご紹介します。
と、大げさなことを書きましたが、全ては基本をしっかりマスターすること。
それが、プロ動画への近道です。
まずは基本から説明していきます。
通常のカメラは、シャッターを半押しすることでピントを合わせます。
ピピッと音がなりますね。
スマホカメラの場合は、指で、ピントを合わせたい部分に画面タッチ。
そうすると、自動でピントを合わせてくれます。
こちらはピントが合っている写真。
こちらはピントが合っていない写真。
違いわかりますか。当たり前ですよね。
もしかして、違いがわからなかったあなた、動画はあきらめましょう。
ピントはプロにとって絶対に外してはいけない、基本中の基本。
しかし、一番むずかしいのもピントなのです。
ピントが合っているか、合っていないのか、しっかりと「見極める目」が必要となってきます。全部ピントがずれている、最悪なパターンだけは避けたいですよね。
また、ピントがずれてしまう要因として、三脚を使っていないこともあげられます。
スマホ用の三脚を用意して、しっかり固定することで手振れをなくし、撮影しやすい環境にするもの重要です。
画面に置いた二本の指を引き離すように動かします。
すると、被写体にズーム(よる)することができます。
普通のカメラはレンズの機能でズームしますが、
スマホカメラは、実は画像を引き延ばしているだけ。
だから、ズームしすぎると画質が荒くなってしまうこともありますので注意してください。
通常のサイズで撮ると、状況がわかる画になります。
ズームすると、被写体だけが強調され、画に力が増します。
続きまして、誰もがつまずく一つの壁、露出(明るさ)です。
スマホカメラには、画面に映る場所や被写体が明るいほど暗く、
暗いほど明るく補正する特性があります。
この原因は、スマホが画面上の明るい部分の割合と暗い部分の割合を、自動的に計測し、それに適した露出にしてしまうからです。
そこで必要となるのが、明るさ調整(露出補正)です。
被写体が自然な明るさになるように調整することができます。
スマホカメラの場合、画面に指を置いた状態で指を上下させるだけ。
適性の露出になります。しかし、最終的に、適性を判断するのは、人間の目になるわけです。
このように逆光だと、被写体が真っ暗になってしまいます。
露出補正で、被写体を浮かび上がらせます。
違いわかりますよね。
カメラのアングルの基本は、3つ。
アイレベル(目線の高さ)
ハイアングル(目線よりも高い位置)
ローアングル(腰の位置よりも低い位置)です。
どれが正解というものはなく、撮りたいものや、演出意図に合わせてアングルは決まってきます。
例えば、ローアングルで人物を撮ると、偉そうに見えてきます。
逆に、ハイアングルで撮ると、卑屈に見えてきます。
見え方は、一つの「演出」になるわけですが、
「演出」に関しては別のコラムにてご紹介させていただきます。
スマホカメラで動画をオート撮影すると、画面全体の色が急に変わったり、戻ったりといったことが起こりがちです。
これは、ホワイトバランスと言われるのもが、被写体の色に反応してしまうからです。
スマホでもAndroidなら、標準のカメラアプリのWB(ホワイトバランス)を固定して、適性に設定できます。
iPhoneは、WB調整機能が付いていないので、例えばアプリ(「MAVIS マビス」)などを使って、設定することができます。
ホワイトバランスの基本モードは、「晴天」「曇天」「蛍光灯」「白熱灯」です。
撮影している環境に合わせてモードを選ぶと、「白」を本来の「白」として写すことができるのです。
白がキレイに写る=ほかの色も本来の色で写る、という原理です。
適正なホワイトバランスを設定しなければ、気持ち悪い色味の原因となりますのでご注意ください。
次に、動画のキモ、音声についてご説明します。
動画は写真と違い、音声が重要な要素。
その音声がしっかり聞き取れないと、視聴者にストレスを与えてしまいます。特に話をしている内容のものは、必ず聞き取れるようにしなければなりません。
スマホの内蔵マイクを使う場合、なるべく近づいて撮影してください。
また、なるべく静かな場所を選ぶのもコツです。
ただ、近づきすぎて、自分が狙った画にならない場合もあります。
そんな時は、スマホ用の外付けマイクがオススメです。
屋外やにぎやかな場所で撮影する場合でも、雑音が入りにくくなります。
いい画が撮れているけど、音が撮れてなかった・・・とか、雑音がうるさくて台無しになった・・・とか、こんな悲惨な結果だけは避けたいですよね。
音声は、二の次にされがちですが、実は動画撮影において、最重要な要素ともいえるのです。
以上、これら5つの基本をご紹介してきました。
それでは、最初にあげた世に出せない代物を、この基本を使ってどうすれば世に出せるものにできるかを、説明していきます。
1、画面がずっとブルブル震えている動画
これは、基本その1でご紹介した、三脚を使うことで解消します。
インタビューや、セミナーのように撮影時間が長くなるものは、手持ちでがまんして撮るのではなく、三脚を使うことが基本です。それだけで、ブルブル動画は解決できます。
2、なぜかずっと画面が傾いたまま、延々と同じ場面を撮り続けている動画
これは、基本その4のアングルです。画面の高さ、角度をしっかり決めて、
撮影することです。作品というものは、撮った素材でしか成立しません、とりあえず撮っておけばという考えは無くし、1カット1カット妥協せず丁寧に撮影することがポイントです。
3、自分の顔が画面からはみ出し、中途半端に風景が写っている動画
これも、基本その4のアングルです。アングルを決める時は、慎重に行ってください。
特に自撮りするような場合は、自分の顔がしっかり画面に収まっているかを確認してください。
それだけで、失敗している動画とそうでない動画に別れてしまいます。たったこれだけなのです。
4、顔色が悪い動画
基本その5でご紹介した色味です。
ホワイトバランスを適正に設定しないと、やけに青白い顔になったりします。
撮影の環境に合わせて、外で晴れていれば「晴天」、曇っていれば「曇天」
室内の蛍光灯の部屋なら「蛍光灯」、あったかい色合いの部屋なら「白熱灯」に設定すれば、ほとんどの場合、不自然さは無くなります。
5、つねにピントが合っていない動画
基本その1のピントです。動いているものを撮る時は、はじめ合わせていたピントがずれてしまうことがあります。また、カメラを動かした時もそうです。ピントを常にチェックしながら撮影を行うことがポイントです。
ふとした瞬間にずれてしまうことがあるのでご注意を。
6、雑音がうるさすぎて、声がまったく聞こえない動画
これは、基本その4の音声です。
撮影場所や狙った画によって、マイクを使うなど工夫することが必要です。
もう一度書きますが、音声は、動画撮影において最重要な要素です。
手を抜かないように心がけてください。
このように、基本を守るだけで、一歩上の撮影ができるようになります。
ちょっとした工夫でプロ並みの動画に近づけることができるのです。
ほとんどの人が、基本を知らず、自己流で撮影しているのが現状です。
だからこそ、基本をマスターして、しっかりとミスのない動画を撮ることが、
他者と差をつけ、プロ並みの動画を撮るための第一歩だと思います。
(筆者:アーツテック制作担当 伊藤)