インサート映像(インサートカット)とは?撮影方法から編集方法までご紹介
2021.04.28 (Wed)
2021.04.28 (Wed)
インサート映像、またはインサートカットという言葉を聞いたことがあるかと思います。
そして、意識せずにその手法を毎日のように見ていると思います。
しかし、具体的にはインサート映像の効果や使い方をご存じの方は少ないのではないのでしょうか。
今回は、効果的なインサートカットの使い方や撮り方、編集方法が知りたい方に必見です。
インサート映像(インサートカット)にはいくつかの役割があります。
インサート映像(インサートカット)を効果的に使うことで、動画・映像の見栄えやクオリティが格段に良くなり、効果的なインサート映像は、しっかりと視聴者に「伝わる」映像にすることが出来ます。
動画・映像制作をする際には必須とも思われる編集手法です。
特に、インタビュー映像などには最も効果的だと思います。
今回はそんな動画・映像制作における「インサート映像(インサートカット)の効果的な撮り方と編集方法」をご紹介します。
Contents
インサート映像(インサートカット)とは、主にインタビュー映像などで見かけることの多い映像編集テクニックです。
一連の映像の合間に別の映像(カット)を挿入する手法です。
たとえば、ニュース番組やドキュメンタリー番組のなかのインタビュー映像で見ることが出来ます。
インタビュー撮影時には、実際に多くの映像を撮影しています。
その中で、不要な部分をカットし、次の映像とつなぎ合わせただけの編集では、編集点の映像に違和感が生じます。
出来るだけ自然にインタビュー映像を成立するためには、インタビュー内容に沿った資料映像、再現映像などを、編集点に挿入するテクニックが、インサート映像(インサートカット)です。
こうしたインサート映像(インサートカット)を動画・映像の中で効果的に使うことによって、映像の見栄えやクオリティが良くなり、さらには「感動」や「伝えたい想い」などがしっかりと伝わる効果があります。
映像・動画制作においてインサートカットが必要となる理由は主に3つあります。
1つ目には、映像を編集した際に不自然に見えてしまわないように。
通常、映像を編集する場合には、カット編集という映像と音声を同時に切り替える方法が一般的です。
しかし、ドキュメンタリーなどのインタビュー映像の場合には、不要な部分をカットし編集してしまうと、映像や音声が飛んだように見えてしまうことがあります。
その違和感や不自然さを、視聴者に感じさせないようにするためには、カット編集した部分へ別の映像を挿入する必要があります。
インサートカットが必要になる理由2つ目。
わかりにくいことをわかりやすく解説・補足する効果があります。
たとえば、企業の製品PRの動画で、開発者のインタビュー内容を、より視聴者にわかりやすく伝えるためにイメージ映像や製品のCGカット、解説動画を挿入します。
また、その開発に至った経緯などの再現映像などをインサートカットとして挿入します。
こうした解説・補足という役割がインサートカットにはあるのです。
このインサートカットを効果的に使うことで、映像に厚みが増し説得力のある「伝わる」映像となるのです。
こちらの事例をご覧ください。いたるところでインサート映像を効果的に使い編集しています。
「想い」が伝わりやすい手法として、「開発者のインタビュー」を入れています。
この商品が、どういったコンセプトで作られ、どういう特性をもち、どういう人に買っていただきたいか。
それをダイレクトに伝える手法です。
開発者の想いと設計のこだわりなどしっかりと「伝わる」映像になっているはずです。
映像の0:25秒あたりから開発者のインタビューが始まります。
ケンコートキナー「次世代広角ズーム Tokina AT X 14-20 F2」
海外に向けたグローバルな展開に考慮し、開発思想や、設計のこだわりに踏み込んだ、
スタイリッシュなプロモーション動画。
3つ目のインサートカットが必要になる理由。
時間の経過を演出することで、感動を伝えるというもの。
こちらの事例を見て頂きたいのですが、京都きもの友禅さまのドキュメンタリー映像です。
採用動画として制作いたしましたが、観るだけで企業の想いが伝わる感動映像です。
実際のお客様にご出演いただき、成人式のお着物を購入するところから、前撮りの日まで密着させていただいたドキュメンタリーです。
実際には正味2日間の撮影でしたが、これまでの20年間の母と娘の双方の想いを、成人式の着物選びを通して伝え、そのお客様の人生の一幕でもある、成人式の着物を売る仕事が、どんなに素晴らしいものなのかを伝えています。
1:13のところから始まる、母と娘が語る“過去”から“現在”へ至るまでの感謝の言葉(インタビュー)の合間に、着物選びのシーンと前撮りのメイクシーンなどのインサートカットを入れ、感動的に編集しました。
京都きもの友禅「母娘の想いを、つなぐ仕事」
実際のお客様にご出演頂いた、ドキュメンタリー動画。
着物を売る仕事とは―。着物を買う側の、家族の想いとは―。
余計な説明をせずとも、企業の思いが伝わる、新しいカタチの感動系採用動画。
このように動画・映像制作においてインサートカットは、
「場面転換を自然に見せる役割」「補足説明効果」「時間の経過演出」
という3つの用途を持っていると言えるのです。
東京エレクトロンデバイス「Pride of TED」
TEDは、最先端の技術をいち早く日本に届けてきた企業。そこで働く人々の、仕事への誇り・信念・挑戦を、丹念に、ドラマティックに描いた会社紹介動画。
株式会社東京水道「会社紹介・採用動画【社員インタビューダイジェスト】」
私たちの生活に欠かすことのできないライフラインの一つが水道水。
常に、あたりまえのように供給してくれているは東京水道株式会社のトータルサービスがあるから。
使命感溢れる新入社員の活き活きとした姿を映し出す、会社紹介&採用動画。
映像や動画のクオリティを向上させる効果のあるインサートカット。
その撮影方法や効果的な編集方法をご紹介します。
インサートカットとして使われる映像には、多くのスタイルがあります。
制作する動画・映像に合わせて必要なインサートカットを事前にリスト化し、撮影することが大切です。
たとえば、インタビュー映像で使うインサートカットなどは、出演者のコメント内容を説明する映像、採用動画などであれば、イキイキと働く仕事風景やグローバル会議などの映像ををインタビューとは別に撮影しておきます。
また食レポやグルメ番組などであれば、料理のシズル映像、箸上げと呼ばれるアップ映像、お店の外観、にぎわう内観のインサート映像が必要です。
ドキュメンタリーであれば、時間の経過がわかるような映像を撮影することも大切です。
企業紹介や企業インタビューの場合なら、会社の外観、エントランス、レセプション、会議風景、イキイキと働く仕事風景、商品カット、ドローン映像などを撮影しておくのが一般的です。
このようなインサートカット用の映像は本編とは別途、撮影することが多いですが、
本編と一緒に撮影するほうが、コストを押さえられることが多いです。
編集段階で撮り忘れに気づくなんてことにならないよう、構成段階から綿密にイメージしていき、リスト化することが大切です。
インサートカットの効果的な編集には、いくつかのポイントがあります。
たとえば、インタビュー映像。
インタビュー内容がその方の話だけでは、分かりづらい部分などを補足説明できるような映像を内容に合わせて挿入していきましょう。
具体的に視覚で入ってくることで視聴者はイメージしやすく、話の内容を理解しやすくなりしっかりと伝わる映像となります。
たとえば、製品の開発者のインタビューで、新製品の開発から販売に至るまでについて語る場面なら、商品映像や開発風景、苦労した部分の再現映像などをインサートカットとして使うなど、仕事内容や作業手順について語る場面なら、実際の作業風景をインサートカットとして使います。
また、有識者のインタビューでありがちな専門用語が多数出てくる内容や、エピデンスを示す必要がある専門的な話をされた場合には、一般の人がわかりやすいようにイラストやCGで解説する映像を、インサートカットとして使うというのもいいでしょう。
また、インタビューの場合、インタビュー時に撮影した映像をそのまま使うことはほとんどありません。
映像に必要な部分だけの音声を使い、映像はインタビュー内容に関係のある映像をインサートカットにするという方法があります。
ここで気をつけなければいけないのは、インタビューやドキュメンタリーの映像の場合、
話者のコメントを編集する場合には、話者の意図と異なる内容のコメントになってはいけません。
コメントの中で不要な部分と思う部分を削除したことにより、話者の意図と異なる主張になってしまい、訴訟になるケースもあります。
編集の際には、そういったコメントのねつ造につながるような編集は絶対にしないよう注意することが重要です。
インサートカットの効果的な撮影方法と編集について事例を基にご紹介しましたが、
インサートカットを効果的に使えば、動画・映像のクオリティは格段に向上します。
視聴者に情報をわかりやすく伝えるということを意識した上で、効果的に上手くインサートカットを使いましょう。
ただ、実際に自分で撮影・編集となると構成の段階からしっかりと考え、制作に至るまでに手間取ることが多いと思います。
“効果的な”インサート映像となると、さらにハードルも高いです。
それにはたくさんの経験値が必要になってきます。
効果的なインサート映像は、撮影と編集だけでは成立しません。
そこには、数多くの実績と綿密に考え抜かれた戦略的な企画・構成が必要になってきます。
アーツテックがこれまで培ってきた実績と動画戦略のノウハウで、効果的な映像を制作いたします。気になった方はぜひお問合せください。
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