Withコロナの時代の「売り上げ拡大」「集客支援」 ピンチをチャンスに変える『売れる動画戦略』
2021.05.30 (Sun)
2021.05.30 (Sun)
Withコロナの時代の「売り上げ拡大」「集客支援」
ピンチをチャンスに変える『売れる動画戦略』
2021年4月、コンテンツ東京にて行われた弊社アーツテック・酒井靖之監督による特別セミナーを採録し、加筆修正を行ったものです。
「売り上げ拡大」「集客支援」へのヒントが満載。
ぜひ、ご一読ください。
Contents
ウィズコロナの時代、私たちコンテンツ業界はもちろん、あらゆる業界の皆さんが打撃を受けていることとご推察いたします。
かといって、現状に対して諦めている方もいらっしゃらないと思います。
今回、お話させて頂くテーマは「ピンチをチャンスに変える『売れる動画戦略』」。
こういう時代だからこそ、逆に、どうやってモノを売っていくのか、どうしたら集客できるのか。
そういった核論について少しお話させて頂きます。
新型ウィルス感染拡大前と比べて、現在は、確実に購買スタイルに変化が起こっています。
実際、店舗に足を運ばなくなったという方も少なくないと思います。
確かに、コロナ禍前にもインターネットによる購買は主流になりつつありました。
しかし、リアルとネットの併用というスタイルから、現在はネット主導に取って変わっています。
であるなら、一つひとつの商品のweb動画を制作すればいい、というような話になってくるわけです。
いわゆる商品PR動画というものです。
それでは商品PR動画を制作すればモノが売れるのか、というと、そんなに短絡的なものではありません。
今や、動画の時代。
どこの会社でも、動画制作は当たり前になっています。
競合の商品動画も多い中で、
どうすれば目立つのか。
どうすれば人の心を打つことができるのか。
例えば、今流行のクラウドファンディングというものがあります。
SNSでもクラウドファンディングの動画というものが、非常に目立ってきています。
かくいうこの僕も、クラウドファンディングの動画を見て、ついつい買ってしまったという経験を持っています。
では、クラウドファンディングで、どうして、それほど欲しくもなかったものを買ってしまったのか、ということを分析しました。
それには2つの理由がありました。
ひとつは、こういう時代だからこそ、その企業、その商品を応援したいという気持ち。
動画からその企業の想いが伝わってきた時に、私は買ってしまったんだということに気付きました。
今のような有事の時、状況が困難であればあるほど、企業の熱、企業の想いが届く動画が必要になってきているのだと思います。
この想いが伝わりやすい形として、開発者や作り手のインタビュー動画にイメージ画像を載せて行くものがあります。
この商品が、どういう想い、コンセプトで作られていて、どういう方に買って頂きたいのか。
これをダイレクトに伝えていく手法がインタビュー動画と言われるものです。
弊社の事例を少し紹介させて頂きます。
こういう時代に商品PR動画で訴求すべきポイントというのは、やはり作り手たちや企業の想いです。
その想いが届いたとき、その商品はしっかり売れていくのだと思います。
また、もうひとつは、オンリーワンの世界観を作り上げていくことが大事です。
商品の特性ばかりを紹介するだけになりがちな動画を、世界観を主導にした動画にすることが、ひとつのポイントであると思います。
この商品を買ったら、自分はどのような素敵な日常を送ることができるようになるのか、という世界観をしっかりと伝えてあげるという動画です。
弊社の事例を紹介致します。
〇〇風、〇〇的といった動画が巷には溢れています。
それでは、商品を覚えてもらえません。
映像もメッセージもオンリーワンでなければなりません。
競合の多い製品は尚更です。
似たような商品があったとしても、映像のテイストはオンリーワンでなければなりません。
オンリーワンの世界観を訴求できる動画が、いわゆる「売れる動画」なのです。
今の時代、商品PRや商品CМよりも、もっと大事なものが、ブランディングムービーと呼ばれるものです。
いわゆる企業の理念や想いを消費者に伝えていくもの、共感して頂く動画です。
ウチはどういう“ものづくり”をしているのか。
どういう理念で成り立っている企業なのか。
今、これをしっかり伝えていかなければならない時代になりました。
この伝える手法、ブランディングムービーにも様々なスタイルがあります。
どうすればこのブランディングムービーを視聴者に「届く」ものにできるのか。
僕自身、いろいろと試行錯誤する中で、十年ほど前から始めたのが、この感動動画というスタイルになります。
2011年3月11日。
日本中を失意のどん底に陥れた出来事をきっかけに、テレビCМの世界も大きく様変わりしました。
公共広告機構・ACのCМばかりになったことも、皆さん、ご記憶されていると思います。
私達も同様に能天気なCМを止めて、今の時代に共感されるものでなくてはならない、と、この感動動画を始めたのです。
まず一本目はこういった作品でした。
これはスキンケアのメーカー様の動画でございます。
この動画は、仕事に子育てに頑張る女性の方に、そっと静かに寄り添っていたいという、企業の想いを動画にしたものです。
この一本目を作る時は、そうした動画の前例がありませんでしたので、いろいろと大変な思いをしたものです。
「感動動画」の主旨は、企業の理念であり、商品を前に出さないシナリオを書きました。
もっと商品を出せないのか、という話も当然ありました。
僕がクライアントに説明させて頂いたのは、
「YouTubeというのは、広告を見たいメディアではない」
「広告が嫌われるメディアなので、テレビCМのような発想ではなく、広告色を無くしたい」
ということでした。
時間はかかりましたけれども、ご納得頂けたことに感謝しています。
YouTubeで配信致しましたところ、一か月で二百万を超える再生回数(オーガニック)となりました。
これは視聴者に共感頂いた証だと僕は考えています。
こちらも化粧品メーカー様のブランディングムービーです。
化粧品を開発している方の実話をドラマにしたものです。
おばあちゃんに育てられた一人の女の子が、やがて成長し、おばあちゃんの元を離れて化粧品メーカーに就職。
それは、苦労したおばあちゃんを綺麗にしてあげたい気持ちからでした。
やがて、おばあちゃんは亡くなります。
それを境に、さらに皆さんを笑顔にするための道具としての化粧品を、使命を持って作り上げていく。
開発者の実話が、そのまま、企業の理念を表していると考え、僕はこれをドラマにさせて頂きました。
日本では累計3百万回、海外、中国を入れると、数千万を超える再生回数の作品となりました。
これもオーガニックで再生、シェアされたものです。
なぜ、「感動動画」はシェアされていくのか、についての見解を述べさせて頂きます。
人間はもともと感動したい、という欲求を持っています。
広告であっても、エンターテインメントであっても、本当に感動する動画があれば、人はそれを知らせたくなります。
良いものを「知らせたい」という欲求も、人は持ち合わせているのです。
ですから、本当に「感動」を描き切れば、自然を「シェア」される。
それを、僕は実証させて頂いてきたと思っています。
大事なことは、感動をさせるということは、ココロが動く動画である、ということであり、共感性のある動画であるということ。
そうした動画が、「売れる動画」たり得る動画だと思うのです。
最後に、この状況下で一番求められている動画のスタイルについて、お話させて頂きます。
「ココロをひとつにするワンチーム動画」
これは僕が作った造語です。
新型ウィルス感染拡大に伴い、働き方も大きく様変わりしました。
テレワークというスタイルで在宅勤務されている方も多くいらっしゃると思います。
確かに、そこには大きなメリットもあるかと思います。
通勤時間も無くなり、時間を有効に使えるというメリットもある半面、まだまだデメリットもあると感じています。
人間というものは、僕も含めて弱い動物ですから、自分ひとりではなかなか頑張れない、モチベーションも上がらない、という方も多いのではないかなと思います。
そういう中で、僕たちは、そういう気持ちにさせない動画・映像制作を提唱し、作らせて頂いています。
それは、社員みんなのココロがひとつになる動画制作です。
この動画におけるメッセージは、
「みんな、頑張っているんだ」
「自分ひとりだけがつらいんじゃないんだ」
「自分ひとりじゃない」
「困難な時代をみんなで乗り切ろう」
そういったメッセージです。
そうした気持ちになれる、頑張ろうという気持ちになれる、モチベーションが上がる動画というのが、今のこの困難な時代に、一番必要な動画なのではないかな、と僕は思っています。
なぜなら、社員の皆様が生き生きと前向きに働けることが、会社の業績を上げる根幹であると僕は考えているからです。
売り上げ拡大も、集客も、すべて働いている方々のモチベーション、前向きな気持ちがあればこそ。
働き方も大きく変化を遂げているように、映像・動画制作においても変化を遂げていかねばならないと思います。
そうした意味で、現在のビジネス環境で一番求められているのが、ココロが動く動画だと思うのです。
視聴者のココロが動かなければ、その商品が欲しいとか、その企業に魅力を感じるといった、具体的なアクションは起きえません。
どういうスタイルの動画であっても、ココロを動かせる要素を必ず入れていかねばならない、そういう時代になったのだと思います。
いろいろとお話をさせて頂きましたが、弊社アーツテックは創業以来、戦略的動画を標榜し、「売れる」「目立つ」「広がる」「ココロが動く」動画を制作しつづけてきました。
この「戦略的」という話は、○○と○○を組み合わせて、というようなよく分からない“まがいもの”ではなく、一つひとつのコンテンツの中に、皆様が抱えている課題、そして、想いや理念というものをしっかりと映像化し、定着させていくことです。
皆様の「伝えたい」を「伝わる」動画に置き換えていくという作業を、一つひとつ重ねて行った結果、25年で、取引会社様1,000社、5,000タイトルを超える作品を世に送り出させて頂いたのだと思います。
このコラムが、皆様のビジネスの一助となれば幸いです。
(筆者 酒井靖之)
日本屈指のクリエイター、酒井靖之監督が
最前線のクリエイティブの話題から、
人生に役立つ情報まで縦横に語り尽くす!
クリエイティブに生きたいすべての人に贈るYouTubeチャンネル「sakaiTV」。
売れる動画・映像制作のパイオニア