「他社と差をつける店頭動画」 ビューティ篇 〜いかにして商品をレジに持って行かせるか〜
2021.05.31 (Mon)
2021.05.31 (Mon)
「他社と差をつける店頭動画」 ビューティ篇
〜いかにして商品をレジに持って行かせるか〜
動画を見たらすぐに商品をレジに持って行きたくなる!
“強い”店頭動画 ビューティ篇 の制作手法を公開!!
店頭動画といえば、ドン・キホーテやロフト、東急ハンズなどのバラエティショップに
置かれているのを見たことがあるかと思われます。
皆さまもご存知のように、こうしたショップには、商品が数多く並んでいます。
その中には店頭動画を使っている商品も数多くあります。
また、週末にはたくさんのお客様がいて、売り場が大変混雑している状況の中では、ちょっとやそっとのことではお客様に振り向いてもらうことはできません。
こうした状況の中で、いかに自社の製品に振り向いてもらい、「これ欲しい」と思っていただけるか。
そんな動画の制作手法を公開します。
Contents
まず、店頭動画は、店頭という状況の中で見るということをご理解してください。
店頭動画は、5分も10分もずっと立ち止まって見ていただくものではありません。
お客様は、店頭動画のサイネージを見にきているわけではないからです。
すでにお目当ての商品があり、それを見に来ているわけで、主役は店頭動画ではないということです。
しかし、この店頭動画の役割というものは、その商品を見にきたわけではないお客様を振り返らせ、強く心に訴えかける。
そして、「購買したい」という気持ちにさせる。
すなわち、店頭動画は強いものではなければならないのです。
店頭動画で一番強いワードは、何だと思いますか。
「これをしたら10歳若返る」
「確実に痩せる」
「確実に肌が綺麗になる」。
これに勝る強いワードはありません。
しかしながら、こうした“痩せる”、“肌が綺麗になる”、“ハリが出る”、“シワが消える”といったワードは一切NGなのです。
厚生労働省の指導により、こうしたワードは厳しく規制されております。
店頭動画で強いイメージを訴求できないのは、この薬事法があるからなのです。
しかしながら、それでは何も強い動画はできないのかというと、そんなことはありません。
クリエイティブで勝負し、クリエイティブを確かなものにしていけば、強いワードを言えなくても効果のある動画を制作することが可能となります。
それでは、ここは少し話題を変えて、店頭動画の悪い例についてご紹介していきたいと思います。
こうした要素が入った動画を制作すると、せっかくお金を出して制作しても、効果が薄いということです。
① 尺が長いもの。
前述したように、店頭動画はTVと違い、お客様はコンテンツの頭から見るわけではありません。
15分、30分の通販番組的なものは店頭には不向きと言えるでしょう。
② ほわっとした雰囲気で、ほわっとした音楽のもの。
とにかくビューティ動画にありがちなのが、綺麗なイメージで、そつない綺麗なモデルさんが、優雅な音楽に乗ってカメラの前で笑顔を向けている類のもの。
モデルや商品が変われば、どのCMでも成立してしまうような内容です。
TV CMは、イメージを訴求したり、商品の認知度を上げたりするための手法のもの。
例えば、資生堂やコーセーのようなメーカーは、イメージモデルを使って、商品名や商品認知度をあげるTV CMを打っています。
店頭動画というものはそれを見て売り場に持っていかせるという、ダイレクトマーケティングに近い動画でなければいけないのです。
イメージだけをほわっと訴求しても、店頭で商品をレジに持っていくことはありません。
TV CMをそのまま流しているメーカーさんもありますが、それはその商品の認知度が高い、人気があるということであり、店頭動画によって売り上げが上がっているというわけではないのです。
単に見てくれが良くて、ほわっとしたイメージだけでは商品を欲しいとは思わないのです。
③ 最初から最後まで見ないとわからない構成のもの。
例えば、その動画が5分あるとしましょう。
最初から最後まで見切ってやっとその商品の特徴が理解できるようなものでは、店頭には不向きなのです。
前述したように、店頭動画とは、どのタイミングで見るかはお客さま次第。
では、動画の終わる20秒前から見たとしましょう。
それでもその動画の商品が何であり、どんな効果があり、私のために何をしてくれるのかが理解できるものでなければいけないのです。
すなわち金太郎飴のように、どこを切ってどこから見ても、意味が通じる内容でなければなりません。
女性は直感で、その商品が私を幸せにしてくれるかどうかをわずか数秒で判断します。
そうした能力を持つからこそ、短い尺で「この商品が何者であり、どんな効果があり、私に何をもたらしてくれるのか」というものを一瞬で判断させる作りにしなければいけないわけです。
すなわち、「この商品はまさに私のためにあるのだ」と思わせてくれるものが、効果のある強い店頭動画であると言えます。
震災による不景気で売り場が閑散としている状態の時代。
弊社の酒井監督は、売り場に活気が出る商品作りをしてみようと試みました。
そこで使ったのが、美容業界では初の絶叫系ナレーションというものです。
この動画が大変好評で、震災直後の暗い時代に売り場への変化を生み出し、売り場の担当者からこの店頭動画がありがたいというお声をいただく流れとなりました。
東急ハンズやロフト、ドンキホーテなどの主要なバラエティショップの全店で、この店頭動画が置かれるという大きな反響を生み出しました。
ヤーマン様は、「熱や風のようなものは、効いている感じを体感できますが、LEDの光は体感をしづらく、店頭に置いていてもどうも売れ行きが芳しくない」。
そのようなお悩みを抱えておりました。
10年ほど前から、エステサロンでLEDの強烈な光を発光する海外製の高いマシンがエステ業界を席巻し、ちょうどその名前が認知され始めている頃でした。
そこで、高いお金を払った人しか施術できなかった強いLEDと同じ技術を、ご家庭でもできるというイメージ戦略を用いました。
それが功を生した店頭動画がこちらです。
美容製品はどうしても似たり寄ったりな動画が増えてしまいます。
そんな中、製品を覚えてもらうために、綺麗さを除いて強烈なインパクトを残す動画にしました。
ボロボロに皮が剥けた足の裏がズラーっと並び、「もはや脱皮」というこの強烈な動画をご覧になった方も数多くいらっしゃると思います。
その証拠に、こちらはTV CMを一切売っていないにも関わらず、この動画を見たことがある方は、8割を超えていたのではないでしょうか。
商品も大ヒットなり、この動画自体も非常に評価された作品です。
ビューティー=キレイという概念が、必ずしも店頭で売れるわけではないことを証明したのがこちらの動画です。
コロナ禍とは状況が違う時代、土日のドン・キホーテやロフトなどのバラエティショップの混雑ぶりといえば、皆さまもご存知かと思われます。
ちょっとやそっとのことで振り向いてくれない混雑した状況の中で、派手目な音楽とバラエティ向けのナレーターを起用することで、他製品との差別化をはかった動画がこの整形級メイクです。
先述したように、基礎化粧品といった類のものは厚生労働省の指導により、ビフォーアフターに対する審査が大変厳しくなっており、ほとんど載せることは不可能となっています。
しかし、弊社が請け負った、この「整形級メイク」という商品は、メイクアップ用の化粧品であり、厚生労働省の指導の管轄とは異なるため、そこを最大限に利用してビフォーアフターを強烈にしたいと考えました。
まず、弊社の酒井監督は最大級のビフォーアフターを目指すために、キャスティングにこだわりました。
そして、スタッフ一同でビフォーアフターが強烈な人を探したのです。
当時ブログで有名だった女性を見つけ、すぐに打診。
こうして、他社と差をつける強い店頭動画の制作に挑みました。
撮影では、ビフォーアフターへの信憑性を促進させるために、ノーカットでメイクが完成するまでを早回しの技術で表現しました。
その動画がこちらです。
こちらは店頭とウェブで放映され、店頭ではビジュアルインパクトを与えることに成功し、ウェブ上では大変バズった動画となりました。
キャスティングした彼女は、某有名雑誌の表紙を飾るなど、のちに大変売れっ子になりました。
【短い尺でまとめる 最長1分30秒】
尺が長くないものにするために、最低限のノウハウが必要となります。
15秒以内にこの商品がなにもので、自分にとってどういう利益を与えてくれるものかを一気に理解させる商品とさせること。
【どこから見ても意味とメリット、ベネフィットがわかる展開にする】
どこを切っても絵柄が同じの金太郎飴のように、どこから見ても意味が通じる内容にすること。
決して頭から最後まで見なくては意味がわからない形にしてはいけません。
そのため、自分にとってどういう利益を与えてくれるものかを、一気に理解させる動画にする必要があります。
【ビジュアルインパクトを重視する】
ビューティー動画で一番強いビジュアルは何だと思われますか?
商品に含まれる成分の説明ではなく、もっとも強いのはビフォーアフターです。
今では誰もが知っているあのライザップが一気に時代を席巻したのも、TV CMのビフォーアフターがあまりにも強烈だったからです。
これにより、ライザップは後発ながら、圧倒的な認知度となりました。
これを見てもわかるように、ビフォーアフターに勝るものはありません。
現状、コロナ禍という人類史上特殊な状況下に置かれています。
「なかなかものが売れない」と悩みやご相談を弊社も受ける中で、改めてWeb動画をご提案しています。
特にB to B業界では対面の営業ができないということで、営業マンの代わりとなるウェブ動画というものが時代的に求められています。
ただし、B to C業界では対消費者となり、Web動画というものは巷に溢れていて、Web動画を作っていないところはあるのだろうかという状況になっています。
バーチャルの世界とリアルという店頭、もし店頭に売り場をお持ちのメーカー様なら、やはり両輪でやっていくことが、本当の口コミとして広がっていく良い方法だと、弊社の酒井監督は考えております。
5年、10年もこうした状況が続くわけではありません。
いずれはこれも当たり前となり、あの時大変だったなという時代が訪れ、また売り場にいろんな国の方々が集まる時代は、遠からず必ずやってきます。
そのためにこそ、今は売り場に人が少ない状況ではありますが、この店頭の動画というものを今からもう一度再確認していく必要があると思います。
店頭動画の効果によって、すぐに買わなくても記憶に残し、検索して頂くことで、結果的にWeb上の決済に繋げることも期待できます。
それだけ強いインパクトを残せる店頭動画というのは、今の時代でも十分求められているのだと思います。
筆者: 栗田
日本屈指のクリエイター、酒井靖之監督が
最前線のクリエイティブの話題から、
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クリエイティブに生きたいすべての人に贈るYouTubeチャンネル「sakaiTV」。
売れる動画・映像制作のパイオニア