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「勝つためのプレゼン術」 〜ビジネスを勝ち抜くプレゼンテーターになるために〜

2021.06.30 (Wed)

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「勝つためのプレゼン術」

〜ビジネスを勝ち抜くプレゼンテーターになるために〜

 

「勝つためのプレゼンテーション」の極意を、弊社代表・酒井靖之監督が伝えます。

 

自分のプレゼンに自信が持てない人、プレゼンテーターとしてもう一歩成長したい方、ぜひご一読ください!

 

■はじめに

映像の世界に飛び込んで以来、どれだけのプレゼンを行なってきたか、実は数えたことはありません。

おそらく500回以上にのぼる回数をこなしてきていると思います。

 

当然、勝つときもあれば、負ける時もある。

負けたら当然悔しいので、さらにプレゼンに磨きをかけてきた、という感じでここまでやってきました。

今のプレゼンの勝率はかなり高い方だと思います。

 

今回は、不詳私が、「勝つためのプレゼン術」を、皆さんにお話しさせて頂こうと思いますが、私とてまだまだ勉強中の身であり、このような偉そうな題材は気がひけるのですが、後進のためと思い、筆をとらせていただきます。

 

 

■プレゼンテーションとは

プレゼンテーションはディベートと共に、日本人がもっとも苦手にしている分野のひとつと言えます。

 

欧米では他者と議論をし、それをプレゼンテーションするという教育方法が確立されています。

 

対して日本には、一方的に教師の話を聞くという教育スタイル。

プレゼンが苦手となる背景には、この教育スタイルにあると僕は思います。

 

しかし、ビジネスという戦場においては、プレゼンテーション能力が高い人が勝ち上がっていくのは間違いありません。

 

映像業界、クリエイティブ業界においては、かならずコンペというものがつきまといます。

まさに、どの案が優れた案なのかを、競い合って勝負する戦場なのです。

 

こうした中で、プランニングもさることながら、プレゼンテーション能力が高い人こそが、この世界で生き抜いていける人。

 

今回は「勝てるプレゼンテーション」を学びたい、という人のために、私が学んできた能力の一端をお伝えしていきたいと思います。

 

■プレゼンテーションの基本

 

まずはプレゼンテーションの前に、しっかりしたプランニング(企画書)や自分の考えがあることが大前提です。

そもそも中身の無いことを上手に言葉で喋っても、人のココロを打つことはできません。

 

私がまず企画書を書く際に心掛けていることは、一目で要点を視認できる作りにすることです。

 

「企画書は一人歩きするもの」と僕は思っています。

 

ポン、と社長のデスクにその企画書が置かれていたとしましょう。

社長がそれを手に取った時、細かい字でびっしり書いてある企画書を読むと思いますか。

僕は思いません。

なぜなら、社長は忙しいから。

要点だけ読んでも、意味のわかる作りにすることが、企画書づくりには必要です。

 

また要点は、キャッチコピーのように書いていくこと。

 

例えば、

 

「恋は遠い日の花火ではない。」

 

「そうだ京都、行こう。」

 

「やっちゃえNISSAN」

 

といった名作コピーは、短い言葉で、受け手にさまざまな想像をかきたててくれます。

必要なのは、相手の想像力を借りることなのです。

 

ここにこそ、プレゼンテーションの活躍の場があります。

 

現在、コロナ禍でZOOMでのプレゼンテーションの機会も増えてきましたが、CMのプレゼンテーションの場は少なくとも三人、多い時には二十人以上のクライアントを前にして、一人のプレゼンテーターがプレゼンテーションを行っていくのが通常のスタイル。

 

その場合、絵コンテだったり、企画プラン等を説明しながら、プレゼンテーションを行っていきます。

 

良いプレゼンテーションというものは、相手の心を掴む言葉、相手のココロに刺さる言葉を使います。

 

その具体的な意味をプレゼンで伝えた後、もう一度企画書の文言を見てもらい、

「なるほど、そういう意味があったのか、そこまで深く考えているんだな」と思わせることが大切です。

 

 

■勝てるプレゼンテーションの極意 その1

「すごいプレゼンテーターを演じる」

 

プレゼン上手になりたい人は、プレゼン上手な人の一挙手一投足、呼吸の取り方、決め言葉の発し方を、自分の癖になるくらい真似をするべきだと思います。

 

僕が真似したのは、私がただ一人、この広告業界で尊敬している、あるクリエイティブディレクターです。

 

その人のプレゼンテーションは、単に企画を説明するだけではなく、聞き手のココロに「世界観」を広げていくことが非常に上手な方でした。

 

日本人とは思えぬほど、手の動かし方、言葉の発し方も巧みで、真面目な話に偏り過ぎている時には、必ずジョークを発し、全てが美しく、完璧といえるプレゼンテーターでした。

 

24歳くらいの時に、その方のプレゼンテーションを見てからというもの、僕は自分がプレゼンをする前には、その人になりきって、練習をしたものです。

 

当然のことながら、プレゼンテーションは練習しなければ上手になりません。

これは芝居と一緒だと思っています。

 

僕もかつて演劇の世界にいましたが、ひとつのシーンを演じる時に、何十回も何百回も反復練習をするのと、基本的には一緒です。

 

 

■勝てるプレゼンテーターになるために その2

「感情を解放できること」

 

「感情解放」という言葉をご存知でしょうか。

 

これは俳優の訓練に使われる言葉です。

何かをきっかけにして、自己の感情を解放し、別の人間になりきること。

 

僕はこのコラムで数度申し上げているように、演出家になる前は俳優をやってました。

俳優は、舞台なら演出家の合図、また映像だったら、カチンコの音の瞬間に、別の人間、役どころになりきる訓練をしています。

 

この感情解放というのは、一般の人たちも、訓練をすればできるのです。

 

スイッチが入った瞬間に、スティーブ・ジョブズになりきるとします。

なりきるためには、前述したように、訓練が必要です。

何度も何度も反復練習しなければいけません。

 

その時の目の位置、手の仕草、言葉の発し方。

鏡の前で、実際に言葉を発して練習するのです。

 

「板につく」という言葉がありますが、その仕草って、〇〇さんらしいね、と言われるくらいに、その立ち居振る舞いと仕草が「イコール自分」になるほどに練習をするべきです。

不思議に感情開放を上手にできるようになると、別の人間になりきっているために、ギャラリーがどんなに多くとも、緊張することがなくなります。

 

緊張は訓練によって回避できますし、消すこともできます。

 

プレゼンテーションが失敗したケースに、ギャラリーが多くて緊張してしまった、という話をよく聞きますが、手のひらに人と書いて飲み込むようなことをしなくても、

緊張をしない堂々とした人間をイメージして、100パーセント、その人間になりきればいいのです。

 

 

■勝てるプレゼンテーターになるために その3

「相手の呼吸を読む」

 

上手なプレゼンテーターになろうとして、よく間違えてしまうケースが、相手の呼吸を読まずに、一方的に語り尽くしてしまうことだと思います。

 

相手にまくしたてられて、気持ち良い思いをする人はいないはずです。

 

鈍感な人は、相手の顔色、相手の雰囲気を察知せず、常に自分のペースに終始してしまうきらいがあります。

 

上手なプレゼンテーターは、相手に考えさせたり、なるほど、とうなずくような間を与えることが大切です。

 

相手の心の中で「そうだ!」という拍手が鳴っていると想像してください。

拍手されている時に、それを無視してベラベラ喋る人はいません。

心の中で、相手の反応を読みつつ、プレゼンテーションしなければいけません。

 

良いプレゼンテーターは不思議なことなのですが、普段、聞き上手な方が多い。

得てしてこうした人達は、取材がとても上手です。

 

私もよくインタビュー術、取材術を聞かれますが、まず一番に必要だと思うことが、聞き上手なことです。

 

相手の話に興味を持って聞き、次はどうなるんだろう?と子供のような好奇心、純粋な心を持って、その人の話に興味を持つと、大抵の人は、心を開いてくれます。

 

プレゼンテーターも同じだと思います。

 

自分が話しているだけではなく、相手の反応もしっかり見て、プレゼンを行うべきです。

 

 

■勝てるプレゼンテーターになるために その4

「心をつかむ必殺技はジョーク」

 

アメリカ人のプレゼンテーションを見たことがある人はわかると思いますが、

プレゼンテーションの中に、必ずジョークを入れています。

 

日本人のプレゼンテーターで、上手にジョークを入れることができる人はなかなかいません。

映画祭の授賞式で、平気でジョークを入れる北野武さんの器は凄いものだと僕も感心します。

 

テレビCМなどの大きな映像作品のコンペの場では、クライアントも真剣ですから、ふざけたジョークを言ってはいけません。

 

相手の心を和ませるような上手なジョークを、しっかりと考えていくことが重要だと思います。

 

私はいつも思いますが、いくらビジネスの場でも、全員が全員、生真面目で硬い話を聞いていたいわけではないと思っています。

 

心の清凉剤というか、気の利いたジョークを挟んで、相手の気持ちを和らげつつ、核心の話に迫っていく。

こういう人が、巧みなプレゼンテーターなのだと私は思います。

 

 

■勝てるプレゼンテーターになるために その5

「服装にも気を配る」

 

かつて広告業界、映像業界でよく言われたのは、「プレゼンテーションの日には、新しい下着をつけていけ」というものです。

 

さすがに、今も毎回新しい下着、というわけにはいきませんが、プレゼンの日に着る服はやはり計算しています。

 

自分が勝負できるスタイルというより、自分がその企画を代弁する立場として、皆に何を感じてもらいたいか。

 

それを感じてもらいやすい素材であったり、色を選んだ服装を心掛けています。

 

当然のことですが、夏の涼やかな商品を説明するのに、暑苦しい格好をしていてはいけません。

 

夏物の商品のプレゼンテーションをする際は、清涼感を感じられる服装を選びます。

 

また、自分が感じてもらいたいイメージ、たとえば、「この人なら任せられるな」と感じて頂きたいなら、それにふさわしい格好をしていくべきだと思いますし、「この人はフランクで気さくな人だな」と感じてもらいたければ、それにふさわしい格好を選んでいくのは当然のことでしょう。

 

プレゼンテーションは、こうした服装だったり、持ち物だったり、というところからも、イメージ戦略として考えていかなければならないものだと思います。

 

 

■「ダメなプレゼン」

 

自分の主義主張として、何かを否定するのは好きではないのですが、弊社編集部より、駄目なプレゼンについてぜひ教えてほしい、というオーダーがありましたので、あえて書かせていただきます。

 

まず第一に、抑揚のない説明に終始しないこと。

 

セミナーや講演会をする時に、感情を盛り上げる喋り方とか、緩急を使うのは当然です。

盛り上げるべき時には盛り上げなければなりません。

 

政治家の一定調子で読み上げられる国会答弁を聞いて、眠たくなりませんか?

実際、寝ている方も沢山いらっしゃいますが、それは、官僚の書いたものをただ読んでいるだけだから、つまらなくなるのです。

 

大臣が本当に自分で書いた、思い入れのあるものなら、そうはならないはずです。

 

ビジネスの現場も同様。

抑揚のない喋りに終始していては、良い企画もダメにしてしまいます。

 

また、前述したように、相手の呼吸を読まずに、のべつまくなしに喋り過ぎてしまうこと、まくしたててしまうことは絶対に避けてください。

相手の理解も及ばないうちに、どんどん話を進めていかれては、聞く気も失せてしまいます。

 

「みなさん、いかがですか?」

「どういう風に考えますか?」

 

というように、相手に考える余地を与えながらプレゼンテーションをするべきです。

 

 

■「感謝と礼儀を大切に」

 

そして大事なことは、プレゼンの始めから終わりまで、先方に対する礼儀を忘れないこと。

 

名前は伏せますが、有名なCМディレクター「俺が企画してるんだ」という、上から目線の方もいらっしゃいました。

そもそもプレゼンという機会に呼んで頂いたことへの感謝の気持ちが大切だと思うのです。

 

また、清聴頂いた皆様への最低限のマナーは守って頂きたいと思います。

 

クライアントが仕事を決めるのは、決して、プレゼンテーションや企画の良さだけではないと思うのです。

 

「この人なら、自分の命を預けるに足るな」という人間力がある人に、仕事が集中するのは、どの業界においても事実だと思います。

 

礼儀をわきまえた姿勢で、プレゼンに臨むことが大事だと思います。

 

 

■営業はプレゼンそのもの

 

普段の仕事の中で、プレゼンを頻繁に行う機会は、あまりないかと思います。

だからこそ、普段から練習を重ねることです。

 

たとえば、営業の現場は、最高のプレゼンの練習になります。

営業はプレゼンそのものだから。

 

自分の会社を短時間で知って頂き、そして相手の呼吸を読みながら、相手のココロが開くまで、会話を重ねる。

 

まさに営業即、プレゼンの練習の場なのです。

 

 

■思い出のプレゼンテーション

 

僕も、本当に数えきれないほどのプレゼンテーションを行ってきました。

思い出に残るプレゼンをひとつ挙げるとしたら、やはり、「アロマキャンドル事件」でしょうか。

 

あるビッグクライアントのプレゼン当日。

さあ、ビルの中に入るぞ、というときに、うちのスタッフから、

「酒井さん、すいません!企画書を会社に忘れてきました!」との声。

 

一瞬、頭が真っ白になりました。

まだプレゼンまで20分あるとはいえ、会社まで戻る時間はありません。

 

ビルの斜め前に、「アロマキャンドル」を売っている店が見えました。

僕は、あることをひらめき、その店でアロマキャンドルを一つ購入し、プレゼン会場に向かいました。

 

プレゼン会場で、クライアントを前に、僕はこう言いました。

 

「これより、プレゼンを行います。企画書は、あえて用意しておりません。アロマキャンドルを焚かせていただきますので、電気を消してください。そして皆さん、目を閉じて聞いてください」

 

そして、頭にあるイメージを、ドラマチックに語り始めました。

 

10分後、プレゼンを終えて部屋の明かりがついた時、大きな拍手が起こりました。

成功したことを確信しました。

 

その仕事は、無事受注し、会心の出来になりました。

機転を利かせたことが、功を奏した事例ですが、こんな冷や汗モノの出来事は、これ限りにしたいと思ってます。(反省)

 

 

 

■最後に

 

つらつらと指南めいたことを書いてしまいましたが、勝てるプレゼンテーターになるには、何よりも練習に勝るものはないと思います。

 

何事もそうですが、一朝一夕に身につくものではありません。

僕は、小学生の時、教科書の音読では、緊張のあまり声を上ずらせ、歌のテストでは音を外して、大爆笑されるタイプでした。

 

こんな僕でも練習を重ねて、名プレゼンテーターからとことん学び、

「酒井さんはプレゼンがうまいね」と言ってもらえることも増えました。

 

すぐに名プレゼンテーターになれる魔法はありません。

地道な努力を続けていくしか道はないと思います。

 

これを書きながら、自分はこの通りに出来ているだろうか、と汗顔の至りではありますが、このコラムが皆様のお役に立てれば幸いです。

 

(文・酒井靖之)

 

日本屈指のクリエイター、酒井靖之監督が

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