「アニメーション動画っていくらかかるの?」 〜 アニメーション動画の費用感を紹介 〜
2021.08.01 (Sun)
2021.08.01 (Sun)
撮影、俳優、場所に縛られることなく、想像の世界を自由に表現できるアニメーション動画。
最近ではプロモーションツールの1つとしてアニメーション動画を活用する企業さまも増えてきています。
今後、アニメーション動画を作ってみたい企業さまにとって、気になるのはその費用。
「アニメーション動画って、ぶっちゃけいくらかかるの?」
今回は、その疑問にお答えするアニメーション動画制作にかかる費用感について解説させていただきます。アニメーション動画をご検討の企業さまは、ぜひ参考にしてみてください。
まずはじめに費用の話の前に、アニメーション動画の歴史を振り返えりながら、アニメーション動画のすばらしさをお伝えしたいと思います。
アニメーション動画が発明される以前、映像を投影してたくさんの人が楽しむ技術がありました。それが影絵や幻灯(写し絵)です。
影絵は、光源からスクリーンに強い光を投射し、その間に紙や木の板、薄い金属などの材料で作った光を通さない人形を入れて動かす、というもの。
単純な影だけのものから、人形に色ガラスをはめ込んだ影絵もあり、中でもマレーシアやインドネシアなど東南アジアの伝承芸能として伝わっている影絵は、たいへん精巧で美しい影絵として知られています。
影絵は人形を動かして演じる必要があり、演劇に近いものです。
また幻灯は、投えいする絵さえあればいつでもどこでも上映できますが、動きを表現することはできません。写真に近いものといえます。
当時、「動く映像」というものを、多くの人が求めていました。
1824年。
ロンドン大学で生理学を研究していた、ピーター・マーク・ロジェは、
人間の視覚に残像が起こることを発見。
頭の中に届いた映像のイメージは、次の映像がやって来るまでの間は保存され、次の映像が重なることで動きを感じとれることを発見しました。
ここから、動く写真、アニメーション動画の開発が始まります。
1825年、ソーマトロープが発明されます。
円盤の表と裏に2種類の絵がかかれていて、左右についたひもを使って回転させることで、2つの絵が重なったひとつの絵に見えるというもの。
これが、アニメーション動画のみならず、広い意味合いでのいわゆる動画の原点といわれています。
1882年。
フランスの発明家エミール・レイノーが、動画をスクリーンに映し出す方式を開発。 さらに、世界で最初の映画とされるフィルム映画『一杯のビール』を完成させました。
パリで行われていた上映会には1900年までの間に50万人が来場したといわれています。
1893年。
アメリカの発明王トマス・エジソンが、「のぞきからくり」とも呼ばれたキネトスコープを発表。
そして、1895年、有名なフランスのリュミエール兄弟が、
スクリーンに映像を映し出す写真による映画「シネマトグラフ」を発明。
映画誕生の日と言われる、この年の12月28日。
リュミエール兄弟は、パリのグラン・カフェで、シネマトグラフを見せてお金を取るビジネスを初めて行いました。
これが、現在の映画館の上映形式につながっていきます。
さらに時代は進みイラストレーターのジョン・ランドルフ・ブレイは、
透明なプラスチックフィルムに描いた絵を重ねて動かすセル・アニメーションを開発。
以後、現在に至るまで、アニメーションの基本技法となっています。
夢溢れるアニメーション動画の世界――。
ここからは現実的な、アニメーション動画の費用についてご紹介していきます。
アニメーション動画の費用のベースとなるのは、制作スタッフ、いわゆる人件費です。
作品全体を取り仕切り、演出を行うディレクター。
キャラクターや背景をデザインする、イラストレーター。
3DCGを作成するCGクリエイター。
編集を担当するエディター。
声を吹き込む声優、ナレーター。
以上が、主な制作スタッフです。
ゼロからキャラクターデザインを起こしたり、3DCGを加えたりする場合は、制作工数が増え、おのずと制作費も上がってきます。
一方、キャラクターのイラストや、カタログがあらかじめ用意されている場合は、費用を抑えることが可能です。
近年、実写でのPR動画制作が難しい商材が増えていることもあり、アニメーション動画の要望が増えてきました。アニメーション動画専門の制作会社も生まれるほどです。さらに原価を下げてくる会社も出現するかもしれません。
「それじゃ、安いほうがいいよね」とお思いでしょう。
制作会社選びで注意すべきことは、作る動画のクオリティです。
安く作ることができたけどクオリティがちょっと…
せっかく作ったけど効果がない…
これでは意味がありません。
動画のクオリティはしっかりチェックすることをお勧めします。
■アニメーション動画の工程と制作費
アニメーション動画の工程としては、
まずはじめに、プリプロダクションといわれる工程があります。
これは、企画・プロット・絵コンテの作成といった制作の準備段階にあたります。
次に、プロダクション、ポストプロダクションといわれる工程。
イラストレーターやアニメーターが実際に作業し、キャラクター・背景・動画をつくり上げていく工程です。
工程ごとにそれぞれ個別の料金が発生します。
作品の尺が長くなれば、当然必要なグラフィックやアニメーションが増えるため、費用は高くなります。
また、尺が同じでも、キャラクターの動きが多かったり、背景を精緻に描き込んだりすれば、作業が増えるため、料金は増えていきます。
アニメーション動画は、作品の長さ・精密度が費用に大きく影響します。
その後、アニメーション動画にナレーションやBGM、SE(音響効果)を入れ、作品として仕上げていくMA(Multi Audio)と呼ばれる工程があります。
専門の音響エンジニアやサウンドクリエイターが、ナレーション収録やBGM・SEを入れていく工程です。
当然、この工程にも費用は発生します。
ストーリー仕立てのアニメーション動画の場合、声優さんを起用することもあります。
有名なキャストを起用したり、高度な録音機材が完備されたスタジオを利用すると、さらに費用は上がります。
簡単にいうと、どこまでこだわるかによって費用が決まってくるということです。
近年、IT系を中心に多くの企業が採用しているのが、インフォグラフィックスを使用した製品やサービス紹介のアニメーション動画です。
短い尺で、商材の強みや魅力をわかりやすく伝えられ、実写よりもやわらかく、なじみやすさも生まれ、購入や契約のハードルを下げる効果が期待できます。
オリジナルキャラクターの制作が必要になることはほとんどないため、
比較的安価で制作が可能です。
また、webサイトや、カタログに掲載している画像や営業資料を素材として使うことができるため、ストーリー仕立てのアニメーション動画と比べると、制作費は圧倒的に抑えられます。
そして、会社のブランディング、人材採用に向け効果を発揮するのが、ストーリー仕立てのアニメーション動画です。
ショートフィルムやドラマと同様、ゼロからシナリオを制作し、キャラクターデザインや背景のディテールまで内容に沿って作り込んでいくため、その費用はおのずと高くなってしまいます。
さらに著名なクリエイターを起用したりすると、制作費数千万円を超えることも、珍しくありません。
アーツテックには、著名なクリエイターを使用せずとも、同等のクオリティを実現するノウハウがあります。
どのように費用を抑えて高いクオリティのアニメーション動画を制作するかは、後ほど、記述いたします。
それでは、以下に、弊社の実績と実際の制作費をご紹介していきます。
「Garment Lab =少し待つ= スタイルのファッションブランド」
約50万
Garment Lab(ガーメントラボ)は【最高のファッション体験】を通じた
【サスティナブルな社会の実現】を目指す、=少し待つ=スタイルのファッシンブランド。
ファッション業界が抱える問題を解決する、画期的なサービスを判りやすく、センス良く、インフォグラフィックスで表現しました。
「SEIKO NexTime(ネクスタイム) 電波とスマホで “ 時刻ぴったり ”」
約70万
オフィス、教室、地下室など、時計が狂ってはいけない場所で、スマホがあれば時刻合わせができるSEIKO NexTime。
スタイリッシュなイラストを使用した、30秒ワンカット処理のアニメーション動画。
製品の特徴を短い尺でまとめることができるノウハウ、技術も、アーツテックの専売特許。
「伊藤園 忍者アイス」
約60万
可愛らしい忍者キャラクターで、お茶とアイスのコラボを演出。
忍者風の音楽とSEも作品のクオリティを高めています。
アイスのしずるカットのみ撮影。
イラストと合わせる提案をし、功を奏しました。
NTTソルマーレ「電子書籍の未来」
約200万
シュールなCGアニメーションを駆使し、電子書籍のワクワクする未来を表現したブランディング動画。ハイクオリティな3DCGを使用しながらも、短期間かつリーズナブルに制作しました。
一般的には、費用をおさえるためにテンプレート付きのアニメーション制作ツールを使い、制作する会社も増えてきました。
また、YouTube動画に特化した制作会社も生まれています。
「クオリティは落ちるが費用は安い」ということです。
そのような会社が増えている状況下、制作費の相場は下がりつつあります。
アーツテックでは、テンプレートを使ったり、YouTube動画のクリエイターに外注することで、クオリティを落とすようなことはしません。
すべての作品において、オリジナルのシナリオを起こし、その商品やサービスが売れるための制作方法を取ります。
それは、弊社代表の酒井靖之監督がクリエイティブヘッドにつき、そのクオリティを担保しているから実現できるのです。
また、アーツテックでは、カタログやWEBの資料をそのまま使用することはありません。動画用にリライトすることで、より効果の出る動画を目指しています。
制作会社選びには、実績もさることながら、その会社の「制作に関する考え方、姿勢」を確認することを、ぜひともお勧め致します。
それこそが、作品のクオリティそのものだからです。
筆者 アーツテック 制作スタッフ 伊藤