勝つための企画術〜ビジネスを勝ち抜く企画とは〜

勝つための企画術 〜ビジネスを勝ち抜く企画とは〜

2021.08.02 (Mon)

勝つための企画術  〜ビジネスを勝ち抜く企画とは〜

勝つための企画術

〜ビジネスを勝ち抜く企画とは〜

 

どうすれば、相手の心をつかむ企画が書けるのか。

どうすれば、企画を通せるのか。

好評を博した「勝つためのプレゼン術」に続いて、今回は「勝つための企画術」。

クライアントに「これだよ、これ!」と言わしめる企画術を、弊社代表・酒井靖之監督が余すところなく語ります。

 

 

 

■企画の重要性

 

映像・動画制作において一番大切なのは、なんといっても企画です。

そうです、企画こそ一番大切なものなのです。

 

大切である理由は二つ。

 

第一に、企画は、まさに作品の設計図。

 

CМならば絵コンテ、ドラマなら脚本の前段階にあたるシノプシス(梗概)など、様々な形がありますが、いずれにしても企画は、作品作りの設計図となるもの。

設計図で手を抜いたものが、最終作品として高い完成度を誇るものはまずないと言って良いと思います。

 

第二に、単純な話ですが、映像・動画制作はコンペがほとんどですので、企画が良くないと通らないということ。

 

お金を出しているスポンサーは皆、真剣です。

 

簡単に小手先でまとめたような企画や、どこにでもありそうな、スポンサーにとって想定内なもの、絵コンテの上手さだけで中身の薄さをごまかしたようなものは、ほとんど通らないと言っても過言ではありません。

 

この「企画」を上手に立てられる人、書ける人が、事実、映像業界でも最も稼げる人なのです。

 

もし「勝てる企画術」というものが本当に存在するならば、僕は一千万円を出してでも買いたいくらいです。

 

残念ながら、世に数多ある企画の立て方の本を読んでも、僕にとって参考になるものはありませんでした。

 

そこで、僕なりに企画を作るにあたって、大事だと思ったことをお話しさせて頂きます。

あくまでも、ひとつの参考として読んでいただけたら幸いです。

 

 

■企画のスタート

 

企画のスタートは、まず、クライアント(企業、広告代理店、メディアなど)から問い合わせを頂きます。

 

弊社のように、長年やっていて実績もそこそこあれば、電話やメールで、「こういう企画を書いて欲しい」と問い合わせが来る場合もありますし、広告代理店から、「コンペではあるけれど企画を立ててくれないか」という場合もあります。

 

そこから企画を作る作業が始まります。

 

 

■オリエンテーション

 

企業のコンペの場合、まずはクライアントが制作の意図を説明する「オリエンテーション」という場が設けられます。

 

オリエンテーションは、単に内容が紙面で送られてくるのではなく、クライアントから説明があり(コロナ禍ではZOOMを使用することも増えてきました)、質疑応答ができるパターンがほとんど。

 

僕は、このオリエンテーションの場こそ、企画を立てるにあたり、一番大切にしている場です。

ここで大事なことは、クライアントのオリエンテーションを、行間まで読むこと。

 

僕は、「クライアントは口下手」だと思っています。

 

クライアントは表現のプロではないので、オリエンテーションの場で、こちらに伝えたいことのすべてを、伝え切ることはできないと思うのです。

 

だからこそ、行間を読む力が大切。

クライアントの説明だけではなく、本当はこういう意図があるのだろう、こういうことがしたいのではないか、と行間を読んで、こちらが想像してあげることが重要です。

 

説明を聞きながら、オリエンテーションの目的をしっかりと見定め、この動画を見た人にどういう感情を持ってもらい、どんなアクションを取ってもらうことが正しいのかを、僕なりに想像していきます。

 

例えば、ある企業の新しいサービスを知らしめてほしい、というお題なら、そのサービスを求めている人物像を思い描きます。

 

CМは、必要としている相手にきちんと届く作品でなければ、広告の体をなしていないと言えます。

視聴者に「こんなサービスを待ってたよ!」と思わせるものでなければなりません。

 

オリエンで、一方的に分かったつもりになっていることは怖いことなので、分からない所はどんどんクライアントに質問していって良いと思います。

 

その結果として、

 

「そうだよ!私たちは、こういうことを言いたかったんだよ!」

「これだよ、これ!」

「これを求めてたんだ!」」

 

とクライアントに言わしめるようでなければ、企画は通りません。

 

 

■企画作りの実際

 

いよいよ、企画の実作業に入ります。

 

例えば新サービスを知らしめるためのCМだとしましょう。

 

僕の場合は、いきなりシナリオを書いたりはしません。

まず、実効果のある動画を作るための企画プランというような類の企画書を作ります。

 

その時に大切にしていることは、前述通り、視聴者について考えること。

いきなり絵コンテなどコマを描くのではなくて、どういうような事を伝えれば相手の心は動くのか、または動かないのか、まず、そこを掘り下げて考えます。

 

これはマーケティングに近い考え方かもしれません。

 

対象年齢は何歳で、どういう価値観を持っているのか、その人がこれを見て、何を感じて、どういうアクションを取るのか、そういった所から、企画の考え方を組み立てていきます。

すると、伝えたいメッセージが決まってきます。

 

さらには、ロケで撮影するのか、スタジオで撮影するのか。

 

タレントは必要なのか、必要ではないのか。

 

企業名やサービス名を連呼する必要があるのか、ないのか。

 

等々、外堀を埋めていくように考えていきます。

 

 

◆「アイデアとはたどり着くもの」

 

伝えたいこと(メッセージ)が決まったら、次は見せ方(演出案)を考えます。

 

ここが演出家の腕の見せ所です。

それこそ、何万通り、何十万通りの見せ方があるわけですから。

 

見せ方について考える時、僕の場合はただひたすらに考え抜きます。

 

考え抜いた時に、過去に見たCМや映画などのイメージや、自分の中のアイデアソースを思い浮かべます。

 

いつも言っていることですが、「アイデアはたどり着くもの」なのです。

 

自分の潜在意識にストックしてある、数万、数十万ものアイデアソース。

必死に考えていると、ある瞬間、そのアイデアソースが何かとぶつかって、または結びついて化学反応が起き、新しいものが創造されるのです。

 

そういう意味では、企画を作る人は、自分で見たり聞いたり、体験したことの他に、様々な人の体験の話を聞いたり、人一倍本を読んだりして、潜在意識に大量のストックを植え付けておかなければなりません。

 

僕には、強く潜在意識に植え付けたもの以外は、アイデアとして出てきません。

脳内ではなく、潜在意識に植え付けるのです。

 

好きな映画は何回、何十回でも見るようにしています。

繰り返し見ることで、脳内ではなく、潜在意識にそのイメージが植え付けられると考えているから。

これは一種の職業病ですね。

 

ちなみに潜在意識とは、普通の意識のさらに下層にある意識のこと。

普段は顕在化されていませんが、ふとした時に顕在化されるらしいのです。

僕は訓練によって、この潜在意識に眠っているものを、顕在化させることができるようになりました。

 

また、寝ている時にもこの潜在意識はしっかりと活動していると言います。

アイデアを悩み抜いて寝た時、僕はよく夢で答えが浮かぶのですが、やはりそれは本当なのだな、と考えています。

 

こうした訓練を日頃からしていると、誰も見たことのない、新しいイメージを創造できるようになってきます。

 

これが勝てる企画を生み出す源泉となるのです。

 

 

 

◆相手の気持ちに同苦する

 

もうひとつ、勝てる企画の前提として僕が大事にしていることは、その会社の担当者、そしてその先にいる、取締役や社長の立場になって考えること。

 

どういう想いでこのサービスを作ったのか、そこにどんな苦労や労力、社員の努力があったのか。

きちんとそういう部分も想像を働かせながら、企画を考えていきます。

 

そうすることで、こちらのモチベーションも高まるのです。

 

僕は、第三者の立場では良い企画は書けないと思っています。

クライアントの、「これが売れなかったら大変なことになる。なんとしても、このCMを成功させたい」という切羽詰まった気持ちに同苦していくのが、僕なりの企画のやり方です。

 

 

■事例 

 

ここからは、ご好評を頂いているプリントパックTV-CМ「完全自社生産」篇、「DMまるごとパック」篇を例に取り、解説していきたいと思います。

 

まず、プリントパック様からの、知名度の高い方をキャスティングしてくれないか、というご要望から話がスタートしました。

 

プリントパック様は、今まで「ノンタレ」と呼ばれる、メジャーなタレントを使わない方式でCMを制作していました。

 

そこで、僕たちがいろんなタレントと交渉する中で、プリントパック様の真面目で誠実な企業姿勢と、松岡修造さんのイメージが結びついたのです。

 

早速、松岡修造さんの事務所と交渉し、OKを頂くことができました。

 

そして次に中身です。

 

印刷通販という業態を切り拓いたトップランナーであり、ナンバーワンのユーザー数を持つプリントパック様。

 

しかしながら、資本力を持つ二番手のライバル企業に猛追されている、という現状がありました。

 

そこで、ナンバーツーを追い落とすのではなく、プリントパック様にしか出来ないことをアピールしていこうと決めました。

 

 

プリントパック様は、日本一の安さで印刷をする企業。

 

浮かんだメッセージは、

「プリントパックなら、もっと安く。」

 

プリントパック様は、全国に9ヶ所の自社工場を持っています。

まさにこれこそが最大の強み。

 

また、「安い」だけではなく、「早くてきれい」を実現出来ている企業でもあります

 

そこで、「安い、早い、きれい」が実現できている理由を、視聴者にしっかり訴求していくことをコンセプトに置きました。

 

ユーザー目線で見ると、印刷会社を選ぶ際、やはり決めては価格。

次に、納期。

そして「きれいさ」と考えました。

 

一日に膨大な数の注文を全国から受けているプリントパック様が、

「安い、早い、きれい」を実現するために、最新鋭の印刷機器を導入した、広大な自社工場。

 

全国に自社工場があるからこそ、早い。

 

自社工場とお客様の直販だから、途中のマージンがかからず、安い。

 

要するに工場直販だから、安くて早い。

 

最新鋭の印刷機器を導入しているから、当然きれい。

 

それがきちんと伝わる画で、そして松岡修造さんの説得力で、ストレートなCМを作ってみよう、というのがこちらの案です。

 

プリントパック「プリントパックTV-CM 完全自社生産 篇」

監督、企画 酒井靖之

松岡修造さんを起用したシリーズ新CM。

松岡修造さんが工場内を見学し、高い「品質」と、圧倒的な「安さ」・「スピード」の秘密を探る。

 

 

 

プリントパック 「プリントパックTV-CM DMまるごとパック 篇」

監督・企画 酒井靖之

松岡修造さん起用のシリーズ新CM。

印刷から宛名印字、郵送までワンストップで提供するプリントパックの新サービス「DMまるごとPAC」。

ありそうでなかったこのサービスを、松岡修造さんが軽やかに解説する。

 

 

 

■終わりに

 

勝てる企画は難しい。

本当に難しいです。

 

案が良いだけで勝てるわけではありません。

 

相手に、

 

「これだよ、これ!」

「これを求めてたんだ!」」

 

と言わしめるには、究極から言えば、ビジネスを熟知していないと難しいと思うのです。

 

僕自身、何千という企画を書いていますが、突拍子もないアイデアを出すタイプではありません。

 

そのかわりクライアントに、

 

「これって、ウチらしい作品だよね!」

「こういうのを求めてたんだよ!」

 

と言ってもらえたことは相当数あります。

 

僕は、小手先で考えたような、その企業に似合わないCМは作らないタイプです。

 

単にうるさく商品名を連呼するCМだったり、クリエイティブがなかったりするCМを見ると、「馬鹿にしているのか!」とさえ思います。

 

目立てばいい、というわけではないと思うのです。

 

それにしても、勝てる企画というものは本当に難しいものです。

でも、これだけは言えます。

 

勝てる企画を書くには、ビジネスを熟知していなければいけないし、普段から企画をパッと立てられる修業をしておかなければなりません。

 

僕自身も、企画が通らなくなったら、この世界は引退すると決めています。

企画が通らなかったら、当然、仕事がなくなるし、そもそも企画が通らないということは、

力が落ちているか、自分と時代にズレが生じている証拠だから。

 

だからこそ、鞘の中の刀はいつでも磨いておかなければいけないし、常に緊張感を持っていなければならないと思っています。

 

(筆者・酒井靖之)

 

日本屈指のクリエイター、酒井靖之監督が

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