新しいブランディングのあり方〜「感動」の動画戦略 〜
2022.08.30 (Tue)
2022.08.30 (Tue)
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〜「感動」の動画戦略 〜
2020年より始まった新型コロナウィルスの感染拡大。
暗い世相に追い討ちをかけるような、ロシア・ウクライナ戦争。
世界が混沌とする中、私たちは様々な変化を余儀なくされました。
働き方、消費行動、それに伴うマーケティング活動、動画を含む広告・コンテンツ制作ももちろん変化を求められています。
この記事では、こうした時代だからこそ効果のある、新しいブランディングのあり方について詳しく解説します。
今までのブランディング動画というのは、企業の理念を、CM的な発想で形にするというのが主流でした。
新型コロナ感染拡大後、消費者の購買スタイルが変化している今では、同じやり方では通用しないと考えます。
たとえば、消費行動を例にとると、しばらく実店舗に足を運ばなかった、という方も大勢いらっしゃると思います。
昔の購買スタイルに基づき、「消費者の皆さん歩み寄ってください」といった5年前と同じブランディングでは、効果を望むのは非常に難しいと言わざるを得ません。
ネットで消費するのが主流となった現在では、web上で、商品を際立たせることが大事になってきます。
いわゆる「商品PR動画」です。
しかし、ただ動画を作れば売れる、といった安直なものではありません。
今の時代、その作り方にはコツがあります。
たとえば、感染拡大後に流行した「クラウドファンディング」。
SNSなどでも、クラウドファンディングの広告動画が目立っていて、私自身も、それを見て、つい買ってしまったことがあります。
どうして自分が買ってしまったのか、これを分析すると、「応援」したい気持ちがひとつ。
もうひとつは、企業や開発者の、その商品への“想い”が伝わってきた時です。
今、こうした時代は平時ではなく、有事の時代。
状況が困難であればあるほど、企業の熱や想いの伝わる映像・動画が良い結果を生むと考えます。
大事なことは、商品のファンになっていただく前に、自分の会社のファンになっていただくこと。
これこそが、ブランディングの目的でありますし、お金をかける意味もある、と思うのです。
「想い」が伝わりやすい動画の手法としては、「開発者へのインタビュー」です。
今までのように、この商品が、どういったコンセプトで作られ、どういう特性を持ち、またどういう人に買って頂きたいか。
もはやそれだけではダメだと思うんです。
商品開発というものは、必ず、作る側、売る側の想いが込められています。
どのような想いで作られたモノなのか。どんな人に使っていただきたいか。
消費者へ、想いと気持ちを訴えること。
すなわちココロが動くメッセージを入れていくことが重要です。
さらに、今の時代としては、ストーリー仕立てのブランディングムービーというのが最も有効な手段です。
自分の会社の、理念や想いを、ドラマの形で表現するモノです。
ブランディングムービーを、どうすればより伝わるものにできるのか。
私たちが10年少し前から「感動」をテーマにした動画戦略を始めました。
2011年 3.11——。
日本中を失意のどん底に陥れた、この出来事を境に、TV-CMは公共広告機構ACのCMにとって変わりました。
記憶されている方も多いと思います。
私達も、ノーテンキなCMをやめ、ドラマ仕立ての感動動画を始めた訳です。
有事の際に必要なのは、視聴者のココロに寄り添えるもの。
皆が勇気を持って前に進めるCMではなければいけないと思い、感動動画を作り始めたのです。
アーツテック流の「ココロが動く」感動動画の事例を紹介させて頂きます。
まずは、記念すべき最初の1本目「母娘の絆」です。
一本目を作る際、広告色をなるべく排しました。
クライアントからは、「もっと商品を出せないの?」というお声がありました。
ごもっともだと思います。
でも皆様、考えてください。
YouTube、SNSなどの媒体は、広告が最も嫌われるメディアではないでしょうか。
興味のない、またつまらないCMなら、まちがいなくスキップするでしょう?
TV-CMのような発想ではいけないと、何度もクライアントを説得しました。
ともかく、時間がかかりましたが、最後はお客様もご納得いただき、ユーチューブにて配信されるように。
1ヶ月で200万PVを超える再生回数となりました。
そして次が、全世界で5000万回を超える再生回数を伸ばした作品「おばあちゃんの口紅」です。
これは、ある化粧品会社の開発スタッフの実話を元にした物語です。
会社の開発スタッフにヒヤリングした際、この話を聞いたのです。
この話こそ、企業の想いの全てが詰まっていると考え、思わず
「それ、いただきです。それでいきましょう!」
と叫んでしましまいました。
結果、信じられないほど再生回数が伸びた記念碑的な作品となりました。
それから何10本もの感動動画を制作する中で、
“このカタチこそ、一番企業理念を伝えることができる”
そしてまた、
“みんなに観てもらえる動画”
ということに気づきました。
そして私どもは、この感動動画を、新たなブランディングムービーとして、戦略的に捉えていったわけです。
お客様には「伝えたい」ことがあります。
「伝えたい」ことがあるからこそ、多額の制作費を使って、広告制作物やテレビCMを作っていくわけです。
しかし「伝えたい」ことを、そのままストレートに直訳して発信しても、視聴者には伝わらないのです。
要は「伝えたい」ことを「伝わる」ように変換しなければなりません。
「伝えたい」を「伝わる」モノに変換することこそ、私達の出番。
「伝わる」からこそ、視聴者は、その企業をよく知ることができる。
その企業のファンになる。
そしてその企業の商品が欲しくなる。
つまりは、伝わらなければ何の意味もないのです。
この伝わる度合いが高いのが、いわゆるこの感動動画というものなのです。
この10年余りで、アーツテックは数10本の感動動画を作ってまいりました。
これらのどれもが、高い再生回数を誇っています。
視聴回数を伸ばすための特別な施策、マーケティングやPRなどはほとんど行っていません。
それなのになぜ、再生回数が高いのか。
タネを明かしますと、「感動」を伴うコンテンツを、人は見たいという欲求があります。
もともとこの欲求を、人は持っているのです。
そして「感動」したら、人にそれを教えたくなるという欲求もあります。
「ココロが動く」と「シェアをしたくなる」。
単純にいうと、そういうことです。
この手法は、ブランディング力としては、相当高いと思います。
数億円の予算を投じてTV-CMを打つよりも、数十分の一の予算で、ブランディングができるのです。
ただし、中途半端な感動では、反感を買うだけで、逆効果になることを注意してください。
テレビドラマを観ていて、演技が臭かったり、設定がありえなかったりすると、我に返って、「なんだこれ」「これ嘘じゃん」と思った経験のある人は多いと思います。
私も、もともとドラマ畑でやってきたのですが、いつも思うことは、
「ドラマというのはそもそも嘘のもの、フィクション。
しかし、嘘を貫き通す演出力、力量がないと、ブランディングどころか、本当に逆効果になってしまう」。
これを本当に注意してください。
アーツテック流の「感動動画」のスタイルとしては、
これら「ドラマ」のほかに「ドキュメンタリー」スタイルがあります。
通常、企業広告の動画は、100パーセント台本があります。
台本なしで撮影することなど、絶対にあり得ません。
私自身、ドキュメンタリー作家でもありますが、ドキュメンタリーには、台本があってはいけないのです。
それでは、ノンフィクションではないし、結論をシナリオに書いてしまっては、いわゆる「やらせ」になってしまいます。
これも、クライアントと相当話し合って、GOをいただいた作品です。なにしろ、結論がどうなるのかわからないわけですから、大変な勇気が要ったこととお察しします。
そして、今最も求められている動画と言えば、
社員が一つになる「One Team動画」だと思います。
新型コロナウィルス感染拡大に伴い、働き方も大きく様変わりしました。
テレワークというスタイルでの在宅勤務。通勤時間が無くなるなど、メリットも確かに多いと思います。
しかし、人間はとても弱い動物です
。
自分一人では、頑張れない。モチベーションも上がらない。
そんな人も多いのではないかとご推察します。
みんな頑張っている。
ひとりじゃない。
困難な時代を、みんなで乗り切ろう。
そんな気持ちになれる動画、モチベーションが上がる動画が、今の時代には必要なのだと思います。
社員の皆様が、イキイキと、前向きな気持ちで頑張る、頑張れることが、会社の業績を上げる最も大切なことだと思うのです。
https://www.youtube.com/watch?v=lvky6pIFAIE
こうした作品は、社内だけではなく、社外の人が観ても、ココロが動く。
ブランディングたり得る動画だと私は思っています。
アーツテックは1996年の創業以来、戦略的動画のパイオニアとして、”売れる” “目立つ” ”広がる”動画、ココロが動く動画を制作してきました。
私たちアーツテックが考える「戦略的動画」とは、何かと何かを組み合わせて、といった広告代理店的発想ではありません。
一つひとつのコンテンツを、緻密に演出し、観る人の感情を揺り動かす、つまりココロが動く動画を作り上げることが、すなわち戦略的動画だと考えています。
この時代、観る人のココロに届く、ココロが動く「感動」の動画を制作しなければなりません。
「ココロが動く」「伝わる」動画が与える力は、計り知れない効果があります。
ココロが動かなければ消費者は、”商品を買う”とか、具体的なアクションを起こさないのです。
私自身、もっともっと自分を磨き、ココロに届く動画、映像を皆さまにお届けできるよう、邁進していきます。
<文:酒井靖之>
コンテンツ東京 広告クリエイティブ・マーケティングEXPOに出展した際、行ったセミナーは、
今回の内容と同じことを語っています。
どうぞご覧ください。
「感動」の動画戦略
ー ブランディングに貢献する動画手法
日本屈指のクリエイター、酒井靖之監督が
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