映像ディレクターとは? 年収や仕事内容、やりがいについてもご紹介!
2022.11.04 (Fri)
2022.11.04 (Fri)
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映像ディレクターは、映像制作の根幹の全てを担う役割を持っています。オーケストラでいうところの指揮者と同じで、作品の世界観を創りあげることに力を注ぎます。
映像制作をするうえで、ディレクターがいったいどういう存在なのか、その仕事内容から分かりやすく解説していきます。
現在の映像制作は大きく二極化しています。映画をはじめ、テレビ番組やCMなど、企業がある程度予算をもって制作するものは、本格的な映像制作の会社が受注します。
一方YouTubeなどの少ない予算の案件は、企業の社員や動画クリエイターが、一人で撮影から編集まで行うという流れがあります。
ここではあくまで本格的な映像制作の流れや映像ディレクターの役割について、説明させていただきます。
映像ディレクターの年収ですが、いわゆるAD(アシスタントディレクター)と呼ばれる駆け出しの頃は300万円弱、ともすれば200万円未満という方も多くいらっしゃいます。メインのディレクターになれば400〜700万円ほどの収入があります。
もちろん、経験年数や所属する企業によって、金額にはかなりの幅があります。
また、フリーランスの場合は、実績やスキルにより収入が大きく異なります。
フリーについて、私たちのような映像の世界に生きる人たちの考えるフリーは、年間1本(1000万円)以上の収入が得られる人のことを指します。
ところが今の世では、どこの企業にも属したことのない人がフリーと呼ばれるようになってきました。フリーというよりもフリーターに近い動画クリエイターが多数いることは否めません。
ディレクターと比較されやすい職業にプロデューサーがあります。
双方の仕事内容は全く違い、映像ディレクターは作品のクオリティの部分を担っているのに対し、プロデューサーは予算管理や制作、進行の管理を行います。映画でいえば、その映画を”ヒット”させるための責任者がプロデューサーです。
ちなみにプロデューサーの収入ですが、映画界だと1000万円オーバー。企画が当たればそれだけの報酬を獲れる夢のあるポジションですが、当たらない企画を1度でも作ってしまうと信用を失うという、とても過酷なポジションでもあります。
作品の企画や演出に関わるすべてのことを映像ディレクターが総括しているといえます。具体的には以下の項目に分けられます。
まずはクライアントとのオリエンテーションを行い、要望を吸い上げるところから映像ディレクターが行います。
クライアントは自社の魅力を発信したいと考えていますが、かならずしも魅力を説明することに馴れているというわけではありません。
弊社の代表である酒井監督は、「クライアントは口下手」、と口癖のように私たちに言っています。つまり、クライアントの言う通りに作品を作っても、魅力的な企画は生まれるわけではありません。ましてや良い作品だと思われることもありません。
クライアントが本当に求める企画は何なのか、クライアントが気付いていない魅力はどこなのか、”行間”を読まなければいけない。それもディレクターの大切な仕事なのだと思います。
CMや広告映像、動画の場合、構成を考える段階では、まだクライアントから契約を取れていないことがほとんどです。そしてクライアントは大抵コンペ方式で依頼します。
つまり、クライアントの想像を超える構成やシナリオを作成しなければ、このコンペを勝ち取ることはできないということなのです。
映像を文字や写真を使って、企画書という形で表現します。場合によっては「絵コンテ」も作ります。
絵コンテはディレクター自身が描くこともありますし、他のスタッフやプロの絵コンテ屋さんが描くこともありますが、全ての構成の流れや、どんな映像が入ってくるのかは、全てディレクターの指示の下、作られていきます。
撮影現場にはカメラマン、照明さん、音声さん、ヘアメイクさん、衣装さんなど、たくさんのスタッフが入ります。映像ディレクターは、それら全ての人が撮影当日にディレクターのイメージをしっかりと把握し、スムーズに動けるようにしなくてはなりません。
そのために、事前に何度も打ち合わせを重ね、自分の脳内イメージを全て伝える。これも映像ディレクターの大事な仕事です。
「技打ち」という事前打ち合わせを行い、ディレクターのイメージをあらかじめ伝えていますが、現場でさらに具体的な、細かなイメージを伝えていきます。演者がいれば、その方の歩き方、しぐさや世界観まで丹念に説明するのも映像ディレクターの役割の一つです。カメラの露出をあとどれくらい上げてほしいとか、ライトの照度をどれくらい下げるのかまで、全てにおいてディレクターが、自身のイメージに合わせて指示を出していきます。
また、出演者がカメラに慣れていない人の場合など、できる限り出演者を緊張させないようにするために、映像ディレクター自らカメラを回すこともあります。
まずは仮編集を行います。撮影した映像を、ディレクターのイメージ通りに配置していきます。
編集オペレーターによって行われるこの作業でも、次はどのシーンを挿入するのか、何秒なのかまで、事細かく映像ディレクターが指示を出します。
その作業が終われば、次は本編集といって、字幕やテロップの挿入、合成表現などの特殊な効果を行います。
本編集は通常、編集スタジオで行われます。そこで使用する編集ソフトはFlame(フレーム)やInferno(インフェルノ)といった超高性能なものを導入しています。そのため、コンピュータへの負荷の高い3D表現や容量の大きなデータの再生なども軽々行うことができます。
本編集で出来上がる、絵完パケと呼ばれるデータを元に、次はMA(ミックスオーディオ)という作業を行います。ここで音楽やSE (サウンドエフェクト)、ナレーションを挿入していきます。
SEや音楽の選定、また大きな案件では作曲家や選曲家とのイメージの擦り合わせから作曲、選曲を行うのもディレクターの仕事です。ナレーターに原稿をどのように読んでほしいかを伝えることも同様にディレクターの役目です。
すべてはディレクターの指揮の下、作業が行われていきます。そして、その責任者は映像ディレクター本人です。
企画から納品まで全てに関わる映像ディレクターは、さまざまなスキルを持っている必要があります。
クライアントから仕事を得るためには、なんといっても目立つ企画、作品を創るための発想力、構成力が必要です。
奇抜な発想や演出をするのを得意とする人もいれば、ブレのない強い企画を経験則から生み出すことを得意とする人もいます。いずれにしても、クライアントから、「これいいね」といわれる企画を生み出す人が、良いディレクターであり、売れるディレクターです。
肩書きを映像ディレクターと名乗っていても、年収が300万円の人もいれば3000万円を超える人もいます。その大きな差は企画力。そして、その企画を通すプレゼン力にあります。
クライアントが伝えたかった部分を見抜き、その想像を遥かに超える企画を創れる人が、売れていくディレクターなのだと私たちは思っています。
作品とは、映像ディレクターの脳内イメージを可視化したものに他なりません。映像制作に関わるスタッフの方々全員、ディレクターの意向を忠実に再現するために取り組みます。
いくらディレクターが魅力あるイメージを持っていたとしても、しっかりスタッフへ伝達することができないと、よい作品は完成しません。
映像制作をするために、沢山の人が関わり1つの作品となっていきます。映像制作はチームプレイです。ですので、AD(アシスタントディレクター)として制作現場に入り映像ディレクターの助手として経験を積む必要があります。そこからディレクターの技を盗んでいき、一人で全てをできるようになったのち、映像ディレクターへキャリアアップしていくのが順当です。
ADの期間が2年間くらいという方もいれば、10年以上ADという方もざらにいるのがこの業界。
結局は、大勢のスタッフを従え、作品を完結できる自信と勇気、能力がなければ、映像ディレクターというポジションは務まりません。
映像ディレクターにとって、寝る間も惜しんで制作された作品は、我が子のように愛着が湧くもの。
そうして生み出された作品が世間から高く評価されたり、反響があったりすることは何ものにも代えがたいことです。
その逆もまたしかりで、企画が当たらないということは仕事をしていないことと同じだと思われてしまいます。これがつづけば、当然仕事も減っていく。常に相当なプレッシャーと隣り合わせであるともいえるでしょう。
映像制作はアニメーション動画でない限り、必ず撮影を伴います。最寄りの撮影スタジオをお借りして室内で撮影することもありますが、現地へロケに行くこともあります。その土地ごとの文化、慣習に触れることができます。
そして、さまざまな方との出会いも多くあり、広い視野で物事を見ることができる環境にあるといえます。
映像といえば、昔はテレビしかありませんでした。今ではYouTubeやvimeoといった、動画を使用したマーケティングが気軽にできる環境が増えたため、多くの企業や個人の方が、映像制作に参入してきました。
個人レベルの撮影ができる単独の動画クリエイターは数多くいらっしゃるとは思いますが、映像ディレクターとして、たくさんのスタッフを従え、作品を創れる人というのは限られていると思います。
そういう意味で、映像ディレクターの可能性は益々広がっていくと思うのです。
アーツテックには、さまざまな企業さまから映像制作のご依頼を頂いております。
ご依頼いただける理由は、アーツテックは「目立つ」「広がる」「売れる」映像制作にこだわっているから。
私たちは形式にとらわれません。クライアントのご要望に対し、独創性にとんだ作品をクリエイトし続けています。
もし本気で映像ディレクターになりたいのであれば、是非アーツテックの門を叩いてください。私たちは本気で映像を創っています。共に成長しましょう。