結果を出す仕事術 Vol.1「超アナログ仕事術」(前編) - 映像制作・動画制作会社 - ARTSTECH(アーツテック)

結果を出す仕事術  Vol.1「超アナログ仕事術」(前編)

2023.03.10 (Fri)

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仕事とは、結果を伴ってこそ、価値が生まれるもの。

結果を出すためには、仕事のやり方も考えないといけません。

「結果を出す仕事術」第一回は「超アナログ仕事術 Vol.1」。

 

デジタル全盛の中、あえてアナログにこだわってみる。

アナログのペンと紙だからこそ、生み出せる結果もあるはず。

 

アーツテック代表・酒井靖之監督がその方法論を余すところなく語ります。

 

◆デジタル全盛時代の危険性

 

便利な世の中になりました。

PCやスマホ、タブレットなどのデジタル機器を使うと、効率的で時間の短縮にもつながります。

僕自身もこれらデジタル機器の恩恵を受け、日々を生きています。

 

しかし、なんでもデジタルに頼れば良いかというと、それは違うと思っています。

 

例えば、Googleの検索。

確かに便利ですが、なんでもかんでもこれに頼るのはいかがなものかと思うのです。

わからない語句があった時は、まず想像してみる。

 

その後に検索すると、

「あ、あってた」

「想像と違った」

などの感想も生まれます。

 

そう、まずは想像することが大事なのです。

想像する前に検索すると、想像力がどんどん衰えていくと思います。創造力は言わずもがな。

 

またカーナビや、Googleナビに頼るばかりでは、道は覚えられません。

方角も、スマホに頼るばかりでは、方向感覚はどんどん衰えます。

 

ちなみに今の若いタクシードライバーで、道に詳しい人に出会ったことがありません。

客に道を教えてもらっているようでは、プロと呼べる仕事か疑問を感じます。

 

なんでもデジタル(スマホ)頼りだと、人間に元々備わっている能力が、どんどん退化していくと思います。

退化するから、余計にスマホに頼る。

これでは、スマホに支配されているようなものです。

 

僕が小さかった頃、「いずれ人類は、ロボットに支配される」という趣旨の漫画(アニメ?)がありました。

今まさに、これが現実となっているのです。考えてみれば、恐ろしいことです。

 

もし、世界中が停電になるという一大事が起きたら、皆さんはどうされますか。

スマホがなくても生きていけますか?

 

僕は、スマホ依存が過ぎるのは、大変危険なことだと思っています。

 

世界中でベストセラーになった「スマホ脳」の著者、アンデシュ・ハンセンは、

「人間はこれまでほとんどの期間、狩猟採集生活を送り、さまざまな危険に囲まれてきた。

こうした生活に合わせて進化してきた脳は、現代のデジタルに適合できない。

スマホやSNSは、脳のある部分を刺激して依存させる。

うつを誘発し、記憶力や集中力、学力をも低下させ、睡眠障害、心の不調を引き起こす。

SNSは、人を孤独にし、さらにSNSへの依存心が増幅する。(趣旨)」

と、スマホ依存への警鐘を鳴らしています。

 

僕は、デジタルは「使いよう」だと思っています。

「アナログ脳」を常に保ちながら、必要な時にデジタルを使う。

支配されるのではなく、デジタルを「使いこなす」。

 

ということで今回は、僕のアナログ仕事術を少し紹介させていただきます。

 

◆あえての「アナログ絵コンテ」

 

デジタル技術の最先端を走る。動画・映像業界。

撮影もデジタル。

編集もデジタル。

CGもデジタルなら、作曲もデジタル。

 

動画・映像制作は、全ての工程が見事なまでにデジタルワークフローで整えられています。

 

こうした中で、僕はあえてアナログで勝負する時があります。

 

TV-CMの制作会社を決めるためのコンペ。

 

各社がしのぎを削って、きれいな絵コンテを用意してきます。

 

ほとんどの会社がデジタルで絵コンテを作成する中、僕は手書きのコンテで勝負したりします。

僕は、絵コンテだけではなく、広告コミュニケーションとは「体温を伝えるもの」と捉えています。

 

 

 

手書きの方が、僕の想い、すなわち体温を伝えやすい。

 

それが、手書きで仕上げる理由です。

 

また、その方が、クライアントにインパクトを与えることができ、評価を得られることも多いのです。

 

 

実際、私が手書きで出したコンペの勝率は八割以上。

こうした事実から、アナログならではのパワーというものがあると確信しています。

 

次は、超アナログ仕事術「手帳術」についてお話しさせていただきます。

 

 

 

◆ 手帳の書き方

 

僕の仕事は、企業のブランディングや新商品のCM作りです。

 

制作はまず、お客様のお話を聞いてからが始まりとなります。

お客様の想い、商品特徴、他者との差別化、ペルソナなどを、クライアントとコミュニケーションを取りながら引き出していきます。

 

当然、それを手帳やノートに書き込んでいくわけです。

 

こうした仕事は守秘義務が大変厳しいので、先方との打ち合わせを録音したりすることはほぼできません。

 

今なら、打ち合わせ時にパソコンに打ち込んでそのまま議事録にする、という仕事方法が主流かもしれません。

 

その方が時短にもなります。

 

でも僕は、パソコンを使わず、手帳に書き込んでいきます。その理由は後述します。

 

打ち合わせですが、クライアントが中小企業の場合、社長さまがそのまま宣伝の担当者ということは少なくありません。

 

こうしたケースでは、社長は、自社や商品に対する思い入れが深いこともあり、のべつ幕なし、一気呵成に話をしてくる方が多い印象があります。

 

その中で、いかに相手の話の趣旨を理解、把握し、企画書に落とし込めるか。

 

 

そのためには、まず、先方の語る言葉を、要点を逃さず、手帳やノートに書き写さなければなりません。

 

そして様々な状況にも対応できるように、僕は手帳に書き込む際のマイルールを決めています。

 

まず、先方の話の要旨、各論はどこなのか、枝葉の部分はどこなのか。

 

それを分かるように書き込みます。

話には出なくても、先方の行間を読み、そこで大切だと思ったものも書き込んでいく。

 

この記述は、先方が言ったことなのか、自分が言ったことなのかが分からなくならないように、自分の言葉には下線を引くようにしています。

 

また、人によっては、その業界でしか通じない言葉を多用される方もいらっしゃいます。

 

そのような場合は、分からない言葉はカタカナで書いて、それにクエスチョンマークを付けています。分からないことは後で聞くなり調べればいいのですから。

 

要は、後で見ても、自分で分かるようにしているということです。

 

僕は映像の世界の人なので、絵を描き入れたり、話の内容を図解的に書いたりもします。

 

不思議と、そうすることで、話を聞いている間にアイデアが浮かぶのです。

 

こうしたマイルールは、パソコンでは難しいのです。

 

「タブレットに、手書きで書けば?」

と言われそうですが、残念なことにタブレットでは速記できないのです。

 

もっとデバイスが進化して、アナログに近づいてくれば、タブレットを使うようになるかもしれません。

 

 

僕は、今まで膨大な企画書を書きましたが、

「どうしてあの事を聞かなかったんだろう」

「なぜあのとき大事な部分をメモできなかったんだろう」

という悔しい思いを何度もしてきました。

 

その反省を生かして、自分なりの手帳術を創意工夫して、身に着けてきたつもりです。

 

  • 手帳は書いてからが勝負

ここで注意したいのは、くれぐれも「手帳に書いて終わり」ではないということ。

 

僕に限っていうと、手帳には決して議事録を書いているのではありません。

 

大事なことは、相手の話を心に焼き付けることです。

 

話を聞きつつ、それを自分の中で消化し、自分の腹に落とし込む。

 

そのために手帳に書き込むんだ、ということを忘れないでください。

 

クライアントから

「私の表現したかったことはこれなんだよ」

と言わしめさせる絵コンテ、キャッチコピー、シナリオなどを提出しなければ、コンペは通らないし、膨大な時間をムダにしてしまいます。

 

そのために、先方の真意、行間を読みながら、それを心に深く落とし込んでいくのです。

 

僕は大抵の場合、クライアントの話を聞いている時にアイデアが浮かびます。

 

そのアイデアも、しっかり手帳に書いていきます。

ジャストアイデアこそ、作品の卵。

 

これを温め、孵化させてこそ、企画案やシナリオという、作品の設計図ができ上がると考えています。

 

 

 

Vol.1はここまで。

Vol.2では、酒井監督が超アナログ仕事術を極めていく中で、重宝している文具、

監督のパートナーとも呼ばれるそれらについてお話していただきます。

 

(文:酒井 靖之)

 

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