【ロケハンってなに?】言葉の意味からやり方まで徹底解説!
2023.05.31 (Wed)
2023.05.31 (Wed)
「ロケハン」
テレビ・映像業界の方がよく口にしているのを聞いたことがあるような、、、
どんな言葉の略でどういう意味なのか、実際何をするのか、知らない方も多いのではないでしょうか。
今回は、そんなロケハン初心者の方から、ADやプロダクションマネージャー(制作)として日々奮闘する方々へ向けた効果的なロケハンを行うための秘技まで公開させて頂きます!
Contents
ロケハンとは、「ロケーション・ハンティング」の略です。
それぞれの英語を訳すと、 ロケーション=撮影場所 ハンティング=探索する という意味。
つまり、脚本イメージにあったロケ地を探し、下見することをロケハンと呼びます。
どれだけ腕のあるスタッフが集まっても、初めて足を運ぶ場所ですぐにハイクオリティな映像を撮影することが難しいのは、想像に難くないかと思います。
ロケハンを行うことで、実際に撮影したい場所に足を運び、その場所でどのような撮影ができるのか、具体的な映像イメージをつくることができます。
では、実際にロケハンはどうやって行うのか、工程と注意点を次章で解説していきます。
台本を手に取り、まず初めにすることは、どのような撮影場所が想定されるかをリストアップすること。
ここは、道を歩いているシーンだから、外の道が必要か。
ここは、家族団欒のシーンだから、お家のリビングが必要になるな、、。
といった具合に、台本を読み込み、必要とされる撮影場所を把握します。
その上で、それぞれの場所は、どういったイメージの場所であるのか確認することが必須です。
道といっても、田舎の長い一本道と、丸の内のような華やかな都会の道とでは、全く違ってきます。
そういった認識の相違を無くすためにも、ロケ地探しの最初は、イメージの認識共有が肝となってきます。
ロケ地の探し方はさまざま。
インターネットで検索する方法もあれば、考え方次第ではいく通りもあります。
いくつかその方法をご紹介します。
最近は、ロケ地やスタジオ情報をまとめたサイトが多くあります。
条件を入力し、検索すると、イメージに近いスタジオを簡単に検索することができます。
自力で一つひとつ探すとなると、時間も労力もかかってしまいますが、すでに撮影使用許可が出ている施設やスタジオに限定された検索という点において、この手法は一番オーソドックスでありながら、より多くのロケ地を探すことができます。
では、ロケ地探しにはこれ!といったロケ地探し用サイトを3つご紹介します。
①ロケなび!
ロケなび!:https://locanavi.com/
ロケなび!は、株式会社 地域活性プランニングが運営するサイト。
ロケ地情報のみならず、ロケ弁屋さんの情報や紹介などもあり、情報量はトップクラスです。
たまに、「ロケなびに頼りすぎるな!」とお叱りをもらってしまうほど、ロケナビを活用しています。
②東京ロケーションボックス
東京ロケーションボックス:https://www.locationbox.metro.tokyo.lg.jp/
東京ロケーションボックスは、東京都が東京観光財団に委託して運営しているサイトです。
東京都内の公共施設・民間施設を使用した撮影のサポート窓口でもあります。
東京都が委託して運営しているサービスである点においては、信頼性の高さが魅力です。
③撮影NAVI
撮影NAVI:https://satsuei-navi.com/
撮影NAVIは、業界最大規模の撮影のための総合サイト。
映像制作にまつわるロケ地情報の提供はもちろん、ロケ弁情報なども提供しています。
撮影NAVIの最大の魅力は、ハウススタジオはもちろん、飲食店や学校など、多岐に渡ったスタイルのロケ地情報を掲載していることです。
また、使用している中で感じる魅力は、資料写真の多さです。
スタジオの資料写真が多いほど、イメージがしやすいのは明白です。
そのため、制作チームに情報共有する上で、とても効果的に感じています。
ロケ地探し専用サイトと違い、アナログかつ時間がかかる手法ではありますが、誰も見つけていないロケ地があるのも事実です。
そうった場所にフォーカスするためには、やはり地道な方法も必要になってくるでしょう。
例えば、「ハイソな住宅街にある長い一本道」というイメージであったとします。
まず、ハイソな住宅街はどこにあるのか、そしてその周りに長い一本道があるのか、地図上で調べていきます。
次に、よさそうな場所をGoogleのストリートビューで見てみましょう。
思ったより道が狭かったり、地図だけでは気付けない点が見つかってきます。
それを繰り返していきながら、イメージに近いロケ地を選定していきます。
後ほど詳しく説明しますが、写真上でのイメージが良くても、ストリートビューだけでは確認できない交通量などの環境確認がその後も必要となってきます。
「よし!いい場所も見つかった!あとは、実際に行ってみて大丈夫そうならここで決まりだ!」
なんて、簡単なものではありません。
そもそも何をもって、「大丈夫」と呼ぶかロケハンに行く前に再度確認しておく必要があります。
ロケハン時のチェックポイントを以下にリストアップしました。
最低限でもこれだけ、、、
これにプラスして、それぞれの作品独自のチェックポイントも出てくるのです。
しかしながら、事前準備がロケハンの成功の鍵になります。これらを疎かにすると、作品のクオリティが下がってしまうのです。
量が多くてもめげずに、ひとつひとつ確実に確認していきましょう。
準備が整ったら、ロケハンに向かいます。
先ほどリストアップしたチェックポイントを確認することはもちろん、台本をもとに、シナリオイメージを再現したり、現場を撮影したりと、やることは盛り沢山。
現場ではわかっているつもりでも、いざ帰って情報整理を始めると、「あれ、これってどうだっけ?」とならないようにするためのポイント3点お伝えします!
① 家具や間口など、見取り図に記載されていない部分の寸法を測ること
② 部屋であれば必ず四隅から写真を撮ること
③ 屋外や複雑な工場内などの場合は、撮影場所がわかるように目印を確認しておくこと
※屋外は、自動販売機や電柱に書いてある住所を記録しておくと◎
ロケハンが終わると、ロケマップというものを作成します。
マップ上で情報を整理し、家具や小道具の配置、被写体の配置・それに対するカメラ位置まで、俯瞰図で情報をまとめていきます。
また、屋外撮影の場合、その場所の撮影許可を申請します。
これは、民間施設・公共施設問わず確認する必要がありますが、許可取得には、最低3日〜2週間かかることもあるので、ロケ地が確定したら、すぐに関係機関に申請を行いましょう。
以下に、ロケ地別申請先をまとめました。
(引用:https://www.ediusworld.com/jp/pimopic/cat8_166.html )
ドラマの場合、制作部でロケ地探しのロケハンを行い、ロケ地を選定したのち、技術スタッフを集めたオールスタッフロケハンというものを行います。
その際、事前のロケハンでまとめた情報を共有し、オールスタッフロケハンでは、実際の撮影に近い形でシミュレーション・イメージ共有を行います。
こうして、実際のロケへとつながっていきます。
今回は、ロケハンについて解説していきました。
映像制作の現場では、「事前準備が9割」です。
事前準備という言葉に含まれることは、無限大だと思います。
日頃からテレビで見かけた印象的なロケ地をメモしておくことや、たまたま休日に歩いた素敵な場所を記録しておくこともそのひとつかもしれません。
作品を良くするために、最高の作品を作るために妥協しないこと、これが9割の事前準備が成功したときではないでしょうか。
次回は、ロケハンで活躍するツールについてご紹介します!