与える印象が大きく変わる!?動画制作において重要なナレーション。違いを生む「声質」とは
2024.03.15 (Fri)
2024.03.15 (Fri)
作品のイメージを決めるといっても過言ではない「ナレーション」。
ですが、いざナレーターさんに依頼をするとなった場合、どういった点を意識して人選を行えば良いのか、何を基準にして良いのかわからない方も多いと思います。
本コラムでは、動画制作において重要なナレーターの人選を進めるにあたって、気を付けるべきポイントをご紹介していきます。
Contents
動画において、「音」がとても需要な役割を果たしているということは言うまでもありません。
声を含めた音は、視覚とともにユーザーを動画に引き込むうえで重要な役割を果たしています。
しかし、音が重要だからといって単にナレーションを入れれば良い、ということではありません。
最近ではAIナレーションを活用している動画も見かけますが、果たしてそのナレーションは役割を十分に果たしているのかと言われると、それはまた違うような気もします。
ナレーションにおいては、「声質」にこだわることが求められます。
なぜなら、「声質」によってユーザーに与える印象は大きく変わるからです。
AIナレーションは確かに料金は安く、スピードも早く完結できますが、感情がこもっていない分、伝わる情報も伝わらなかったり、共感を生むことができないというデメリットがあります。
ナレーションは、共感を生むことによって動画への感情移入が高まる相乗効果を生むものですので、ナレーターの「声質」にはこだわる必要があるのです。
ナレーションを活用することで、視覚情報のみではなく聴覚からも訴えることができ、伝えたい情報をさらに印象強く伝えることが可能になります。
ですが、声質を気にせずに活用してしまうと、作品の良し悪しを左右してしまったり、企業のブランドイメージに影響を及ぼす要素になってしまう場合もあります。
動画は、短い時間で多くの情報を伝達することができるツールです。
人間は動画やアニメーションなどの動きのあるものを視覚情報として一番多く得る傾向があります。
その次に情報を多く得るのが、聴覚からの情報です。
そのため、視覚情報のみからではなく、聴覚情報からも訴えることによってさらに印象を強くすることが可能になります。
ナレーションはその有無で動画の印象を大きく変えますが、同様にナレーターの声質・性別・年齢によっても受ける印象が大きく異なります。
女性ナレーター、男性ナレーターでは、印象が大きく変わってきます。
女性ナレーターは、明るく高い声で話すことができるので、聴きやすく、動画も明るい印象にすることができます。
例えば、展示会で動画を流す場合には、高い声は会場に声が通りやすいため男性ナレーターよりも女性ナレーターの方がおすすめだったりします。
また、皆様がよく耳にする、電車のアナウンスやカーナビの音声も女性ナレーターの声なのは、聴き取りやすいという理由からなのです。
男性ナレーターは、基本的に低い声ですので説得力や信頼感を与えやすくなるという特徴があります。
落ち着いた内容のコンテンツであったり、力強いイメージを与えたい時には向いています。
聴き取りやすさで比べると、女性ナレーターよりも聴き取りにくいという印象はあるかもしれません。
女性ナレーター・男性ナレーターでどのように印象が変わるのか、弊社制作実績を参考にご確認いただければと思います。
こちらは企業のプロモーション動画になります。
■男性ナレーター
東京エレクトロンデバイス「Pride of TED」
■女性ナレーター
MAX株式会社「世界中の暮らしや仕事をもっと楽に、楽しくするー」
ご確認いただくと分かるように、ナレーターの声質によって、聞き手の感じ方に違いが生まれてくるのです。
ナレーターを決定する際には、ボイスサンプルを複数確認し、動画で表現したいイメージをしっかりと表現してくれる人材選びが重要になってきます。
ナレーターさんと一括りにいっても、女性から男性、年齢も子供から年配の方まで、声のジャンル、キャリア年数も様々な方々が幅広くいらっしゃいます。
もともとお芝居の世界を経験してからナレーターになった方、もともとアニメが大好きで声優を目指しナレーターになった方、人それぞれにバックボーンがありますので、こういった部分も参考にすることでミスマッチを減らせる傾向にあります。
と言うのも、ナレーターさんにもやはり表現力が求められます。
ナレーターの声質・表現力によって、作品に深みをもたらしてくれることもあるため、表現力の有無は重要視するべきポイントです。
ナレーターを選ぶ際には、役者出身の方には注目してください。
キャリアによって異なる場合はありますが、役者出身の方は常に表現力を磨いています。
どんなに読み上げる力が強くても、表現力が全くない方だと、動画に深みを持たせられなくなってしまう可能性もあります。
表現力は、練習したからといってすぐに身に付くものではありませんので、常日頃から意識を向けている声優・俳優の方は表現の幅が広い方が多いので、そういった部分もしっかりと確認しましょう。
作品にマッチする人材を深くイメージしておくことで、ナレーターの人選もしやすくなります。
前述したように、ナレーターを選ぶ際にはバックボーンを意識することも重要ですが、これまでの実績や得意分野も確認しておくことで、ミスマッチを防ぐことができます。
例えば、専門的な用語で解説していく動画の場合、
全く初めての方よりかは、ある程度経験がある方の方が安心して収録も進めるかと思いますので、人選の際に実績をしっかりと確認しておくことが重要です。
ナレーターさんの人選を進める際には必ずボイスサンプルデータをいただきましょう。
動画のテイストによって雰囲気を変えたデータが何種類かご用意があるかと思いますので、サンプルデータは複数いただきましょう。
ナレーターさんのポートフォリオサイトを確認したり、ボイスサンプルデータをいただくことで声質や表現力を確認することができますが、それでもイメージが掴めない場合には、実際の原稿を読んでもらうとイメージがつきやすくなります。
ナレーターを選ぶ際に気をつけるポイントについて紹介いたしましたが、その上で、“動画のターゲット層に適するナレーターであるかどうか“を見極めることも重要なポイントです。
例えば、幼児向けの動画であれば、20代〜50代の母親がターゲットになりますので、母親世代に近い20代や30代の女性のナレーターを起用すると、安心感・親近感を与えることができます。
高齢者向けの健康食品のナレーションであれば、年齢が近しい方の方が安心感を与えることができます。
また、動画のテイストに合わせた人選も大事なポイントです。
ナガセビューティケァ「あなたらしさを、健康で支える。」
まずはこちらの動画をご確認ください。
綺麗なモデルさんが登場する美容系の動画ですが、こちらの動画のナレーターがもし40代の男性だった場合、動画のイメージが全く変わってきてしまうということは、皆様も感じ取っていただけると思います。
このように、聴覚からの情報は、動画のイメージを印象付けるものになりますので、
ナレーターさんのキャリアや声質のみで判断するのではなく、動画のテイストに合っているのかどうかもしっかりと確認を行いましょう。
ナレーターを決定するのは、動画が完成に近づいてきてから決定となる場合が多いです。
最初の段階でナレーターのイメージを持っていても、動画が完成に近づいてくると、「やっぱり女性ナレーターの方が動画に深みを持たせてくれるのでは」など、変更になる場合もあるからです。
ナレーターさんは動画のイメージを印象付けるとても重要な役割を担っていますが、動画制作の最初の段階から制作に関わっているわけではありません。
ですからナレーション収録の前段階で、打ち合わせにて擦り合わせを行うことがとても重要になってきます。
動画で伝えたいポイント、動画のイメージなどを事前に共有しておくことでズレを事前に解消しておく必要があります。
また、イントネーションの確認なども事前に擦り合わせをする必要があります。
専門的な用語を使う動画ですと、イントネーションの確認だけで時間がかかってしまう場合があるからです。
ナレーターさんは1時間で◯◯円とギャラが設定されている場合もありますので、確認で時間を取られてしまうと、その分の延長料金が発生してしまいます。
ナレーターさんによっては、時間を延長することが難しい方もいらっしゃいますので、事前の擦り合わせはしっかりと行なってから収録に進みましょう。
後々のトラブル防止のためにも、スケジュールや費用、尺の長さや概算の文字数なども事前に共有をしておく必要があります。
特にスケジュールや費用については柔軟に対応できない方もいらっしゃいますので、必ず事前に確認を行いましょう。
収録の前段階で、原稿に修正があった場合にも、しっかりと共有をしておくことで、トラブルを未然に防ぐことができます。
収録をスムーズに行うために事前の擦り合わせが需要になると前述しましたが、収録時にナレーターさんと密にコミュニケーションを取ることも、作品を良くするためにとても重要です。
収録は時間が限られた中で行いますので、制作会社側もナレーターさんも、真剣勝負で収録に挑みます。
その中で、例えば指示を出すディレクターが「もっとこう感動する感じで」と抽象的な言葉のみでしか指示を出さないとします。
ナレーターさんもプロですから、指示通りに発声を変えたりしますが、ディレクターの求めるナレーションにするために何度もリテイクを重ねてしまったら、収録時間が伸びてしまうこともあります。
クリエイティブな世界では、抽象的な表現で指示を出す方が多いのは事実です。
撮影現場でも、抽象的な言葉で指示を出している先輩方をよく目にします。
ですが、抽象的な言葉で説明してリテイクを重ねて、結局収録時間が伸びてしまっては本末転倒ですので、ナレーション収録の際に指示を出す監督やディレクターには、初対面の方に自分のイメージしている動画の完成像を、しっかりと具現化して伝えることができる“コミュケーション力”も必要になってくるのです。
■・男性ナレーター
・爽やかさ、誠実さ
陣屋コネクト「陣屋コネクト概要篇」
■・男性ナレーター
・力強く、重厚感のある印象
ソキア「NET05 プロモーション動画」
■・女性ナレーター
・明るく元気な印象
ヤーマン「No!No!Hair!」
■・女性ナレーター
・優しく、落ち着いた印象
ウォータースタンド株式会社「MISSION&VISION Promotion Video」
ナレーターはナレーションに協力してくれる単なるパートナーというよりは、共に動画制作を行う上でのいわば同士ともいえる存在です。
せっかく質の高い動画を制作していても、ナレーターのイメージが動画と全く違ったり、ターゲット層に合わないナレーターを人選してしまうと動画の効果を半減させてしまう可能性もあります。
そうならないためにも、本コラムに記載したポイントをしっかりと確認しながら人選を行ってみてください。
(アーツテックスタッフ)