「引き出す力」〜インタビュー術〜
2024.05.17 (Fri)
2024.05.17 (Fri)
インタビュー動画などでは、実際にディレクターがインタビュイーにインタビューしながら、答えを引き出しています。
つまり、インタビューで引き出される言葉次第で、いい映像になるか否かが左右されると言っても過言ではありません。
しかし、大きなカメラに大きな照明に照らされ、ディレクターの後ろには、10人以上の人がたくさんいる・・・。
このような状況が初めてでありながら、緊張せずにインタビューに対応できる方はなかなか心臓に毛が生えていると思います。
しかしそんな方ばかりではありません。
緊張して、噛まないように、失敗しないようにとどんどん声が小さくなってしまう方のほうが多いと思います。
また、雑誌などのインタビューと違い、映像の場合、言葉の語尾をきれいにしたり、
間違った言葉遣いを正しいものに修正したりはできません。
一字一句映像として映し出されるため、欲しい言葉をもらうまでは、ディレクターも質問を続けなければなりません。
そんな映像ディレクター直伝の相手の本音を引き出すインタビュー術について今日は紹介します!
映像ディレクターのみならず、営業マンの方やカウンセラーの方など、相手の思いや言葉を引き出すことで仕事に良い影響をもたらす職についている方も必見です!
Contents
明るいテンションでインタビューを撮影したい場合、
緊張している相手の暗く、声の小さいテンションに合わせてしまっては、インタビュイーの表情も暗く良い言葉は引き出せません。
インタビュアーの方が明るい表情で、声も張りながら質問を投げかけることで、インタビュイーのテンションをあげ、明るい印象のインタビュー撮影ができるでしょう。
いくらインタビューと言えども、聞きたい質問を「まず〇〇を教えてください」「では次は△△について教えてください」と業務的に聞いてしまっては、相手も業務的に答えるだけで、決して良い答えは引き出せません。
映像としては使えない質問になってしまうかもしれませんが、相手との距離を縮めるフランクな質問をおり混ぜたり、相手の回答に対して、レスポンスすることを忘れないようにしましょう。
インタビューをしながら、映像で使いたい箇所を頭の中ではさみを入れて切り出します。
そうすることで、聞きたいことがきちんと聞けているのか分かり、ダラダラと質問を続けることなくインタビューを行えます。
ただし、これはかなり高度な技なので、他の極意をマスターしてからでもいいかもしれません。
例えば、「趣味を教えてください」という質問と、「Aさんは、海が似合う雰囲気なので、マリンスポーツとかしてそうだなあなんて思うのですが、普段はどういうことをするのが好きなんですか」という質問。
簡潔でわかりやすいのは前者の方です。
話を膨らませるのはあくまでも、インタビュイーであり、インタビュアーがどれだけ話を膨らませても良い言葉は引き出せません。
最初の質問はわかりやすく簡潔に。深掘りするのは、インタビュイーの回答に対してのレスポンスで行うのがベストかと思います。
当たり前かもしれませんが、インタビューとなると手元の質問表ばかりに目を向けて、インタビュイーと目を合わせない人もいます。
それでは相手は心を開くわけがありません。
相手は、あくまでも自分に対して答えているため、質問した身として、きちんと目を見て答えを聞きましょう。
そして、声は出せなくてもリアクションはできます。
大きく頷き、表情も豊かであれば、よりインタビュイーとの距離が縮まるのではないでしょうか。
感情の流れに沿った質問を意識するということ。
仕事のやりがいや達成感について語っていただいた後に急に、入社年度を聞くのは、感情導線を大幅に無視した質問です。
その流れで、将来の夢や仕事上の目標などを質問すれば、感情が乗りより良い言葉が引き出せるかもしれません。
感情導線に乗ると、ヒトは自分の気持ちを話しやすいです。
そのため、相手の本音を引き出すためには、相手の感情の流れをきちんと読み取りながらインタビューを進めることが重要です。
インタビューとは、あくまでも欲しい言葉ありきで行われるものです。
もちろん想定外の答えでも、想定より良い回答であれば映像に使うことも多々ありますが、欲しい言葉をもらうためには、ただむやみに質問を投げかけてももらえるかどうかはわかりません。
実際、下取材の際と、インタビュー撮影時で全く同じ質問をしても、全く違うことを回答されるなんてこともよくあります。
もし、いまいちな回答が来てしまい、想定内の回答が欲しいときは、欲しい言葉を想起させるワードや類語などを質問に含むことで、相手の回答を誘導することができるでしょう。
最初の挨拶を元気よく誠実に行うこと。
自身に対する安心感や信頼感を掴む大きな一歩であり、大切なポイントです。
ファーストインプレッションがマイナスであると、相手の心は閉ざされたままになるかもしれません。
そのため、第一印象をいかによくするかも注力してみましょう。
形式的な質問をする流れであると、会話をしているリズムにはならず、相手の気持ちも乗りません。
相手の話すテンポや、間、時には一拍おいたりと、リズムを作り、また掴み、良い流れでインタビューをしていくことが重要です。
何事にも言えることかもしれませんが、最後はこれに尽きるかと思います。
何も下調べも予習もイメージトレーニングもしないままインタビューに望んでは決して良い言葉は引き出せないでしょう。
映像の意図、質問事項、欲しい回答、事前に考えておくことは多々あります。
それら全てを頭の中に入れ、インタビュー当日は、インタビュイーの目を見てあくまでも会話をするかのようにインタビューする。
そうすることで、より良いインタビューになるのではないでしょうか。
これまでの極意はあくまでも映像インタビューを例にとった引き出す力でしたが、これは、インタビューをしない方であっても、身につけることでより力になるものでもあります。
例えば、営業職の方のヒアリングの際など、相手の真意を引き出すことで、より良いご提案につながるのではないでしょうか。
もしくは、人事職の方で採用担当をされている方であれば、面接に来た方の真意を引き出すことで、自社にとって有益な採用活動につながるのではないでしょうか。
このように、“引き出す力”を身につけることはすなわち、“良い仕事ができる”ことにつながるのです。
次に、このように“引き出す力”を活用し行われたインタビュー動画の制作事例をご紹介します。
①株式会社ミキモト 採用動画
視聴者層である就活生が動画視聴後、入社したくなる働いている方々のイキイキとした姿や実際の声が映し出された作品です。
②公明党「小さなからだ、大きないのち。—リトルベビーハンドブック—」
「リトルベビ=未熟児」で生まれたある女の子とそのお母さん。
その苦難や葛藤、希望に満ちた未来を感じる作品です。
苦しい時期を思い出し、インタビュイーが涙を流す場面もありました。
このように“引き出す力”は、多様なシーンで活用できます。
ぜひ皆さん、自身に関係のないことと思わず、実践してみてください!