絶対使える! DaVinci Resolve美肌効果「Ultra Beauty」
2024.06.15 (Sat)
2024.06.15 (Sat)
CM、街中で見かけるポスター、雑誌、その他広告の世界で、モデルさんの肌のレタッチ処理は必須。当然ですが、それには時間とお金がかかります。
CMのように予算がある仕事以外では、なかなかそこまでできないのが現状です。
それを覆す(かもしれない)ダビンチリゾルブでの美肌効果を検証したいと思います。
ビューティー系のお仕事で使える!
ダビンチリゾルブユーザのクリエイターさん必見です!
今回は、ダビンチリゾルブ19 PUBLIC BETAを使用し、以下の2つの手法で検証したいと思います。
1.「ミッドトーンディテイル」で調整する
2.「ビューティー」効果を使用する
まずは「ミッドトーンディテイル」で調整してみます。
ミッドトーンとは、人の肌に近い明るさや色の部分のことです。
まず、カラーページにいきます。
肌の調整をする準備としてノードを追加します。
ダビンチリゾルブでのカラーグレーディングにおいて、大まかな項目毎にノード追加していくと管理しやすいです。例えば、明るさを調整するノード、色を調整するノード、LUTをあてるノードという感じです。
今回は「ミッドトーンディテイル」用にノードを追加します。
女性の肌のみに「ミッドトーンディテイル」をかけるために、クオリファイヤーで、肌を抽出します。
次に、ウィンドウの円の形をつかい、大まかに顔の部分のみを抽出します。
これによって、顔以外は、エフェクトの影響がされないように設定できました。
次にプライマリーカラーホイールにある「ミッドトーンディテイル」を調整します。
最大の-100にすると、いかにも効果かけてますというサイバーな感じになってしまいます。
プロの現場では「レタッチしてます」ということが視聴者にバレてしまうことは、絶対にあってはならないことです。
ナチュラルな肌になる数値を探っていきます。
今回は-68としました。
これだけで完了です。
Before、Afterはこちら。
<Before>
<After>
次は「ビューティー」効果を使用していきます。
編集ページのエフェクトOpenFXに「ビューティー」という効果がありますが、
これは画像全体にかかってしまうものです。
今回の主旨は、肌のみを抽出し「美肌」に変えていくことですので、
それを実現するには、カラーページで作業していきます。
先ほど同様「美肌」用にシリアルノードを追加します。
女性の肌のみに「ビューティー」をかけるために、クオリファイヤーで、肌を抽出します。
次に、ウィンドウの円の形をつかい、大まかに顔の部分のみを抽出します。
次にいよいよ「ビューティー」をかけていきます。
右側上の方にあるエフェクトライブラリ「ResolveFXリファイン」から「ビューティー」を選択、先ほど作ったノードにドロップします。
ちなみにこちらの効果は、ダビンチリゾルブ有料版のみに使用できる機能ですので、ご注意ください。
今回のポイントは、アドバンスオプション「ウルトラビューティー」です。
これは、ダビンチリゾルブ18以降に搭載された新しい機能になります。
「ウルトラビューティー」の中身を見ていきます。
「スムース」の方法を「フィルター」にすると、ナチュラルな感じで肌のくすみが取れているのがわかります。
↓
方法を「平坦化」にすると、くすみはさらにとれていますが、その分ナチュラル感が少し落ちます。
今回はあえて「平坦化」で進めていきたいと思います。
次は、ディテールの復元です。
この項目を200にすると、逆にくすみが目立ってきます。
0にするといかにもエフェクトをかけてますという領域に入ってしまいます。
ということで、この項目は特に、違和感を与えないような調整が必要だと思います
今回は、0.86くらいに設定してみました。
次は、テクスチャーの復元。
設定を2にするとかなり質感がもどっているのがわかります。
それではやりすぎなので、0.5くらいにしておきます。
この機能は「スムース」「ディテールの復元」で、くすみや色、明るさのムラを取りつつ、質感だけをもどすことができる優れものです。
これが、顔全体のBefore、After。
<Before>
<After>
ダビンチリゾルブ18から搭載されたこの「ウルトラビューティー」という機能は、
いかにもかけてますという感じにならないよう、よりナチュラルな美肌効果が可能だということがわかりました。
これは使えます!
今回は、2つの機能を使ってダビンチリゾルブの「美肌」効果を検証してみました。
結論としては、新しい機能「ビューティー」効果を活用することで、一歩上のレタッチができると確信しました。
その上で、細かい設定に時間がかからないよう、自分なりのデフォルト数値を覚えておいて、まずはそのまま設定してみる。そこからの微調整でやる方法が作業効率が上がるやり方かなと思いました。参考にしてみてください。
次回も「現場で使える」をテーマに、ダビンチリゾルブの機能を研究しながらお伝えしていきたいと思います。
それでは、次回もよろしくお願いします!
(筆者 アーツテック制作スタッフ 伊藤)