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「AIに負けない映像・動画制作とは」

2024.08.07 (Wed)

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「AIに負けない映像・動画制作とは」

 
 
chatGTPの登場以来、世界中で大きな議論の的となっているAI。
 
その波は、映像・動画制作業界にも押し寄せてきています。
 
アメリカの脚本家の組合がAIの使用制限を求めてストライキを起こしたのも記憶に新しいところです。
 
どうすればAIに負けない映像・動画制作ができるのか。
今回はこれをテーマに書いてみたいと思います。
 
 

はじめに

 
現在、AIは日進月歩の勢いで進化を続けています。
今まで人間がおこなってきた作業も、当たり前のようにAIが担うようになりました。
 
AIの苦手分野と言われていたクリエイティブ分野においても、本を書いたり、絵を描いたり、動画編集をしたり、かなりのレベルまでできるようになっています。
 
まさに、クリエイターの心胆を寒からしめる存在こそAI。
 
現代を生きるクリエイターとして、どうすればAIに負けない作品を作ることができるのか、これについて考えてみたいと思います。
 
 

人間だからこそできること

 
結論から言えば、AIに負けないクリエイションをしたいのなら、「人間にしかできないクリエイション」をすべきであると僕は考えます。
 
AIはそもそも、大量のデータをインプットすることで、その威力を発揮します。
 
例えば、将棋の世界でも、過去の対局すべてをインプットしてしまえば、あらゆる局面においての勝ちパターンを作ることができる。
 
小説の世界においても、古今東西の名作ーーユゴーやトルストイ、ゲーテやヘッセ、森鴎外や夏目漱石、村上春樹や東野圭吾まで、そのセンテンスやパラグラフ、展開などをインプットすれば、かなりの作品を生み出すことができるでしょう。
 
しかし、人間の持つチカラを見くびってはいけません。
 
たとえ1ヶ月に50冊の本を読み、それを30年続けたとしても、到底AIのインプットには及ばない。
 
しかし、人間には「ココロ」という、AIにはない、最大の武器があります。
 
人間は、本や映画、音楽などをインプットする際、ただ単にインプットするわけではありません。
 
感動したり、驚いたり、泣いたり、笑ったり。
共感したり、反発したり、なんらかのココロの反応があるわけです。
 
すなわちココロを動かしながら、インプットをしていくのが、人間流のインプット。
 
だからこそクリエイターは、人が感動し、驚き、泣き、そして笑えるアウトプットができると思うのです。
 
また人間には、ココロがあるゆえの独特な感情や感性が存在します。
 
万葉集には、五・七・五・七・七のリズムに乗せて、情感、情念、葛藤が見事に表現されています。
 
0と1の世界のAIは、合理的かつ常識的な表現は得意なのだと思いますが、現実社会は、必ずしも常識だけがまかり通るわけではありません。
 
 
本当はこう思っているのだけど、つい反対のことを口に出してしまう‥‥
 
「あなたなんて大嫌い」
 
その言葉の裏には、その人のことが世界一好きだという想いがこもっているのかもしれません。
 
こうした真に人間らしい部分、機微といったもの、それは人間にしか作れない表現なのだと思うのです。
 
 

物事の本質をつかむこと

 
 
それでは今後、私たちがAIに負けない作品を作り続けるにはどのような訓練をすれば良いのでしょうか。
 
僕のコラムでは、常に「時代に左右されない最高の作品をインプットすること」と語っています。
 
歴史に残る名作ーー本でも映画でも音楽でもーーには、時代や流行に左右されない、「人生とは何か」、「生きるとは何か」といった人間の本質が描かれているからです。
 
そして、全てのクリエイションにおいての原型があります。
 
例えば、ダ・ヴィンチ、ゴッホ、ルノアールなどは、「自然とは何か」「美とは何か」という本質がある。
 
作家で言えば、ユゴーやトルストイ、ゲーテなどには、「生きるとは」「愛とは」「戦争とは」「平和とは」の答えがある。
 
ただ単に数多の情報をインプットして表面だけを分析するのでは、厳しい話し、AI以下。
 
AIに負けないためには、数多のクリエイティブ作品の中から、人のココロを動かさずにはおかない、その本質を見極めてインプットすることが大事なのだと思います。
 
毒にも薬にもならない本を何百冊もインプットするより、歴史に残る名作を数十冊、それこそ文章を記憶できるほどインプットしていく。
 
そして、それらの本質を捉えた上で、自分の感性を掛け合わせ、化学反応を起こし、新しいアウトプットを生み出す。
 
これがAIにはできないクリエイティブを生み出すコツなのだと思っています。
 
 
 

終わりに

 
時折、ネット上に、これはAIで作ったのではないか、と思われるようなCMが流れてくることも増えてきました。
 
クリエイティブに生きる人間なら、AIでも表現できるような映像制作、動画制作をしていたらダメだと思うのです。
 
人間誰しも、自分にも想像がつかないほどの可能性が秘められていると、多くの識者は語っています。
 
ロケットも、ロボットも、エレクトロニクスもAIも、すべて人間が創造したのです。
 
クリエイティブ、この創造の領域は、AI如きに負けてはならないし、負けるわけがありません。
 
僕たちは、人間にしかできないこと、自分にしかできないことをとことん突き詰めて、常にココロを動かしながら、人のココロを動かす創造を続けることが重要なのだと思っています。
 
 

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