【初心者でもいますぐできる】ブランディングムービーにおける「伝わる企画書」のデザイン
2024.08.20 (Tue)
2024.08.20 (Tue)
どんなクリエイティブな仕事にも欠かせないのが、作品の大枠を形どる企画書の存在です。
せっかく魅力的な企画が思い浮かんだとしても、企画書がイマイチだと、せっかく考えた企画までイマイチに捉えられてしまう、なんて事も・・・。
逆に言えば、企画書次第で、考案した企画をより一層、魅力的なものに見せることができるのです。
では、良い企画書とは一体、どんなものなのでしょうか。
一概に「企画書」とはいっても映像にはさまざまなジャンルがあります。
そこで、今回は「ブランディングムービー」を例に取って、「伝わる企画書」、とくにそのデザインはどんな点を気をつければ良いのか、そこについて、詳しく解説していきたいと思います。
そもそもブランディングムービーとは、“企業やブランドの価値を確立するために制作される動画のこと“を指しており、企業やブランドのイメージアップ、企業理念の認知拡大、これらを目的に動画を制作する企業が多いことから「ブランディングムービー」と呼ばれています。
コロナ禍を経て、クラウドファンディングが一気に浸透していきました。
クラウドファンディングを成功させるために必須であるのが「ファンの存在」です。
そして、このファンを増やすための一つの手段として「ブランディングムービー」を作る会社が増えています。
「ブランディングムービー」は、現在の新たなビジネス形態において、その会社のファンを増やす一つの役割を果たしているのです。
上記の内容は必須で把握しておくべきですが、これらと合わせて、お打ち合わせの機会を頂けている場合には会社に関して分からないこと・気になることは質問し、提案の際に会社に合った魅力的なブランディングムービーの企画をできるようにしておくことが大切です。
ブランディングムービーで言えば、その企画書を見せる相手は会社という組織。
そして、その中でも、最終決定を出すのは社長や取締役など、日々、さまざまな業務に追われている方たちです。
私が考える良い企画書とは、“上記のような多忙な日常を送っている最終決定者が、一目見ただけで中身を理解でき、そしてこれから作られる映像をイメージできるもの”。
今回のコラムでは、特に企画書のデザインに注目して、忙しい最終決定者に伝わる企画書に近づけるためのデザインの工夫について書いていきたいと思います。
そもそも映像制作における企画書とは、「映像作品を制作する際の計画や内容をまとめた資料のこと」を意味します。
ブランディングムービーにおける企画書も同様。
このように企画書では、写真やイラストを用いて、企画書を見る相手がこれから作られる作品の具体的なイメージを持てる資料を作成していきます。
ブランディングムービーに関わらず、すべての「伝わる企画書」を作成するにあたり、欠かせないものの1つが“魅力的なデザイン”です。
単にWordだけを使って作成された文字の羅列では、企画の具体的なイメージも湧きづらく、そもそも企画書を一目見た時にまったくワクワクしません。
企画書を見せた相手(ブランディングムービーの場合、多くは広報担当)を初見でどれだけ惹きつけることができるのか。
企画書において、その「デザイン」は「伝わる企画書」へ近づけるために、最も大きな役割を果たしていると言えるのです。
しかし、ここで注意していただきたいことは、ここで言うブランディングムービーにおける「魅力的なデザイン」とは、単に“デザイン性が高いこと”ではなく、「“相手への思いやり、そして企業への理解が感じられる”魅力的なデザイン」を意味しているということです。
そして、そんな魅力的な「伝わる企画書」を作成する際に多くのクリエイターが使っているソフトがAdobeのIllustrator(イラストレーター)です。
しかし、「これから初めてIllustrator(イラストレーター)を使う」という方の中には「Illustrator(イラストレーター)って、プロが使うソフトだし、難易度が高くて、自分には使いこなせなさそう・・・」。
そんな風に感じている方も少なくないのではないでしょうか。
しかし、難しそうに見えるデザインも実際には簡単な作業の組み合わせなのです。
Illustrator(イラストレーター)の基本操作を覚えて、少しずつ出来ることの幅を広げ、世界で1つだけの「伝わるブランディングムービーの企画書」で、せっかく考えた魅力的な企画を、より魅力的に相手に届けていきましょう。
企画書がどんなカラーでまとめられているものかは、とても重要です。
自分が「ビビットカラーが好きだから」といって、美容系の会社にビビットトーンでまとめられたブランディングムービーの企画書が響くのか。
残念ながら、それでは全く響かず、「伝わらない企画書」となってしまうのです。
「ブランディングムービー」とは会社の顔となっていくもの。
企業カラーと全く異なる色でまとめられた企画書を作ってしまっては、「この人はうちの会社を理解してくれていないな」と思われてしまっても仕方がありません。
特にブランディングムービーの場合は、必ず企業カラーを意識して。
その他、個人の場合には、打ち合わせの際に、相手がどんな色が好みなのかを服装や会話から探って、相手に合うカラーで企画書を作成すること。
単に1色でまとめるのではなく、メインカラー/サブカラー/アクセントカラーを決めて、この3色をうまく散りばめるだけでも企画書のデザイン性はグッと上がり、企画書自体も見やすく、伝わりやすいものとなります。
このように文字でまとめてしまうと、もしかすると「なんだ、配色って3色決めれば良いのか」と考える方がいるかもしれません。
しかし、この配色に関してはプロのデザイナーでも常に悩むもの。
まずは初めの一歩として、メインカラー/サブカラー/アクセントカラーを決めることを覚えて、それぞれのカラーの使い方をある程度理解できたら、次に色の勉強を始めることをおすすめします。
ブランディングムービーの場合には、まず、企業カラーに合わせたメインカラー/サブカラー/アクセントカラーを決めて、相手を想った配色で「伝わる企画書」へと近づけていきましょう。
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以下、配色に関して学ぶことができるおすすめのサイトです。
https://baigie.me/officialblog/2021/01/27/color_theory/
知っておくとためになる色と配色の基本が詳しく書かれていて、勉強になるので是非、参考にしてみてください!
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こちらのサイトでも書かれていますが、クリエイティブな仕事に限らず、色や配色の知識は色々な場面で役立ちます。
色の知識をつけて、より魅力的で、「伝わる企画書」へと近づけられるようにしましょう。
色を作る際、Illustrator(イラストレーター)で表示されるのがこちらの画面です。
カラーピッカーの右に表示されている上から3つ「HSB」は、「色彩(Hue)・彩度(Saturation)・明度(Brightness)」を意味します。
そして、その下の「RGB」は、「Red・Green・Blue」の色数値を少しづつ調整して色を作るものです。
その横、「CMYK」はグラフィックデザイナーの方がメインで使う色表現で、「シアン(Cyan)」「マゼンダ(Magenta)」「イエロー(Yellow)」「キープレート≒黒、墨(Key plate)」のことを指しています。
プロのデザイナーやクリエイターは、上記の「HSB」「RGB」「CMYK」の数値を細かく指定して、自分がイメージする色と全く同じ色を作り出しているのです。
※注意ポイント※
企業カラーやロゴの色味を無断で変えることは御法度です。
これらは“企業の顔”なので、こうした場合には自分で勝手に色を作らず、元々の色を使用するように徹底しましょう。
企画書は「読ませる」ものではなく、「伝える」もの。
伝わらない企画書は良い企画書とは言えないのです。
タイトルやサブタイトル、ポイントのワード、説明文。
それぞれで文字の級数を変えることはもちろんですが、「伝わる企画書」を作成するにあたり、心掛けていくべきことは“年代に合わせた文字サイズを意識すること”です。
自分も含めて、10代、20代の人が陥りやすい「文字が小さすぎる問題」。
10代から30代の方と、40歳以上の方が読みやすいと感じる文字の級数は異なります。
特に企業のブランディングムービーの企画書の場合、最終的にGOサインを出す方の年齢の多くは40代以上であることが想定できます。
40歳以上の方へ向けた企画書に、10代から30代の方へ向けた企画書と同じ級数で文字を書いてしまうことは、残念ながら、相手のことを想っているとは言えないのです。
企画書は伝えたい相手が必ずいるもの。
そして、特にブランディングムービーの企画書の場合には多くが40代以上。
今回はブランディングムービーを例に挙げていますが、企業に対して「伝わる企画書」を作る際には打ち合わせを重ねた、年齢層が若い方だけではなく、取締役・決定権者の存在も想像しながら企画書を作っていく必要があるのです。
せっかくの企画書が「読ませる企画書」になってしまわないように、級数を意識して、想いやりのある「伝わる企画書」にしていきましょう。
そして、Illustrator(イラストレーター)はAdobeの中でも文字のデザインを得意としているソフトです。
デフォルトで設定されているワープの円弧、上弦、下弦、アーチはもちろん、最初の1文字を大きくする、縦長・横長にする、など使い始めは簡単な文字デザインから練習を初めていくことをおすすめします。
前述した通り、複雑なデザインは簡単な作業の組み合わせ。
最初から複雑すぎるデザインに挑戦するのはなく、まずはその構造を理解することが大切なのです。
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以下、Illustrator(イラストレーター)で出来る様々なデザインをわかりやすく教えてくれるおすすめのアカウントです。
是非、ご参照ください。
「タマケン / Photoshop & illustrator」
https://www.youtube.com/channel/UCiTUCCGHYovIMdaEkL_BQAA
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企画書に限らず、みなさんは何か物事を伝える際に、相手の感情導線を意識していますか。
企画書では、全体的な構成はもちろんのこと。
各ページにおいても、感情導線を意識したデザインで構成することが重要です。
企画内容を提示するページにおいては、特に相手の感情導線を意識しましょう。
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何を目的とした企画なのか。
↓
では、具体的にどんな企画の内容なのか。
(ジャンルは?出演者は?どんな撮影方法?そのポイントは?)
↓
作った映像は今後具体的にどう使用していけば良いのか。
※実際の成果がある場合には、具体的な数字と合わせてその事例も載せる。
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対面で説明の機会をいただいた場合には、指先やカーソルを使って、相手の目線の動きを促すことができます。
しかし、繰り返しになりますが、ブランディングムービーの場合、最終決定をする取締役や決定権者が複数回行われる打ち合わせに毎回必ず参加してくださるとは限らないのです。
上長であればあるほど、目を通さなければいけない資料は多く、忙しいもの。
私たちが目指すべきブランディングムービーの企画書は、「こんな企画書が来ました」と部下から渡された企画書を、上長がパラパラとめくって、「いいじゃないか!」と、完成系がイメージできる企画書。
このような「伝わる」企画書が書けるよう、さらに上を目指していきましょう。
今回のコラムでは、さまざまにある動画ジャンルの中でも企業のブランディングムービーを例に取って、【初心者でもいますぐできる】ブランディングムービーの「伝わる企画書」とはどんなものなのか、について書いてみました。
「伝わる企画書」とは、つまり、作り手の“想いが詰まった企画書”なのです。
ブランディングムービーであれば、企画書を作成する企業とどれだけ真摯に向き合ったか。
相手のことを想って作られた企画書には、相手も必ず気づくもの。
たしかに、複雑に凝られたデザイン性のある企画書は目を惹くかもしれませんが、前段で話したような内容から相手にとって読みづらい企画書・見づらい企画書になってしまっていたら、それでは本末転倒です。
Illustrator(イラストレーター)を習得して、デザイン性を高めることはもちろん大切ですが、まずはソフトの使い方をしっかりと理解すること、その上で色やデザインの知識を増やして、相手の感情導線に沿った「伝わる企画書」を作ることを目指しましょう。