酒井監督への50の質問 後編
2025.03.05 (Wed)
2025.03.05 (Wed)
アーツテック代表・酒井靖之監督への50の質問の後編です。
後編も、監督へ率直な疑問をぶつけさせていただきました。
次世代を担うクリエイターは必読です!
Contents
集中とインスピレーションです。
何をどう編集するか、ということは、企画段階や撮影時にある程度分かっていますが、ドキュメンタリーのような場合では、インスピレーションが大事になってきます。
撮影した素材をどう組み合わせたら、より良くなるのか、より感動が深まるのか、その時々のインスピレーションを僕は信じています。
集中を高めて、良いインスピレーションを得られる状態にしてから編集作業に入る。
それが僕のやり方です。
音楽は、演出の方向性に合っているのが大前提ですが、映像にベタ過ぎる音楽をのせると、作品が光らないことがあります。
速いテンポの映像の時には、あえてゆっくりとした音楽、ゆっくりとした映像には展開の速い音楽をつけるなど、緩急をつけること、また印象を強く持たせる音づけにこだわっています。
「頑張れば、夢は叶えていけるのだから、安心して自分を信じて頑張りなさい。迷うことはないんだよ」
と伝えてあげたいです。
格闘家としてリングに立ってみたいです。
「なんとしても良い作品を作りたい」という強い情熱を持つこと。
持ち続けることです。
他人の真似、パクリ、二番煎じの安直な発想です。
戻りたいと思わないので、分かりません。
その役柄に完全になりきっていること。
ただなりきるだけではなく、自分の個性をしっかりと出した上でなりきること。それが良い演技だと思います。
段取り芝居になっていることです。
今の演技の最中に、次の演技の段取りを考えていると、演じていることがバレてしまいます。
役者は、演じていることがバレてはいけないのです。
小学生、中学生の時に影響を受けた人は新井満さんです。
文学では芥川賞、音楽では「ワインカラーのときめき」が大ヒット。
『千の風になって』の訳詞でも有名な人で、電通のクリエイターだった人です。
1998年の長野オリンピックでの演出も担当されました。
音楽も小説も詩も、あまりにもずば抜けた才能で、非常に影響を受けた方です。
映画監督でいえばスティーブン・スピルバーグ、クリント・イーストウッド。
画家でいえばマティスやゴーギャン。
写真でいえば、アンリ・カルティエ=ブレッソン、木村伊兵衛。
音楽でいえばエリック・クラプトン、矢沢永吉、その他、数十人いますので、一番は誰かとは言えません。
会いたいと思う人には、基本的に会えているので、特にいません。
十代、二十代の前半までは、時々、海外に行っていました。
しかし二十代で会社を立ち上げて安定するまでの約10年は全く海外に行くことができなかったので、この時期にもっと世界を体感しておけば良かったという気持ちはあります。
もっと語学も学んでおけば良かったな、とも思います。
風呂上がりに、好きな音楽を聴いたり、本を読んだり、YouTubeや好きなビデオを見ながらビールを飲んでいる時です。
同上。
自分はしないですけど、そういう時代なのでしょう。
それもまた良しだと思います。
アマゾンプライムビデオに加入しています。
ちなみに、映画をよく観ます。
ドラマは「孤独のグルメ」が好きです。
ブラジルです。
食べ物も美味しいし、人々がとても陽気でフランク。
カラフルな街並みも独特で、また行ってみたい国の一つです。
あとは、中国の敦煌(とんこう)でしょうか。
日本では決して味わえない壮大な景観に圧倒されました。
モロッコです。
独特の異国情緒があると思うので体感したいです。
格闘家です。
日本一強い男になりたかったです。
ぜんぜんあります。
四十代前半までは365日働いていましたが、最近は休日を取るようにしています。
休日はシェア畑で農作業をしています。
大変な作業ですが、心身ともにリラックスできるので、良い趣味を持ったな、と思っています。
平均すると、4、50本ほどでしょうか。
「自分を信じて、努力すること」ですね。
いろいろなことを言う人がいます。
「もっと楽に生きたら?」
「夢は、叶わないから夢なんだよ」とか。
人間は易きに流される動物でもあります。
しかし、初心を忘れず、何としても夢を叶えるんだ、と努力を三年間続けてみてください。
そうすれば、勝手に夢が近づいてきます。
努力に勝るものはありません。
そう伝えてあげたいです。
死んでるんじゃないですか(笑)。
どんどん新しいムーブメントを作って、メジャーになって、ガンガン稼いで、クリエイターはこんなに格好良いんだという生き様を見せてください。
世界から賞賛されている日本人ならではの気遣いや優しさなどを保ちながら、自国を愛し、自国の文化に誇りを持てる人の集合体であってほしいです。
右寄りとかイデオロギーとかではありません。
自分の国を愛しつつ、他の国の、文化やイデオロギーなどの差異を受け入れる、広い度量に満ちた国が望ましいと考えます。
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※これで前後編合わせて50個の質問に答えて頂いたのですが、ボーナストラックとして、監督にもう少し付き合っていただきました。
料理は作ります。わりと上手い方だと思います。
肉じゃがなんかも作ります。
カレーやシチューをよく作りますが、自分の畑で作った野菜を入れる時には幸せを感じます。
ヒューマンドラマですね。
『男はつらいよ』です。
フーテンの寅さんです。
「今の自分の生き方で間違っていませんか? もうちょっと変えた方がいいですか?」と聞きます。
変えたい部分は、ぼくは自分に厳しいタイプなので、もっと自分に優しくなれたら、と思います。
変えたくない部分は、矛盾しているかもしれませんが、自分に厳しいところです。
大変だった時の原点を持っていることが自分の強みであると思います。
ディレクターになり立ての時、仕事が無くて、食うのにも困ったことがありました。
安易にアルバイトに逃げずに生活費を切り詰め、仕事を得るために、必死に生きていたのが自分の原点ですね。
その時のことを思い出せば、勝手にモチベーションは上がります。
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以上、酒井監督に56問の質問に答えて頂きました。
今、クリエイターを目指している方、現状に行き詰まりを感じている方、様々な悩みを抱えている方々への参考と励ましになれば幸いです。(スタッフ)