作品に命を吹き込むナレーターのキャスティング - 映像制作・動画制作会社 - ARTSTECH(アーツテック)

作品に命を吹き込むナレーターのキャスティング

2025.03.05 (Wed)

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キャスティングの流れ

 

私はナレーションのキャスティングを18年やってきました。

ご縁があって、映像・動画製作のアーツテックでお世話になっています。

 

ナレーションのキャスティングの流れは、発注をいただいてナレーターの候補を出します。

 

映像・動画制作会社の方から、その動画に関する情報をいただいて候補者を選別します。

同時に、スケジュールの調整をします。

 

その後、必要なボイスサンプルサンプル(自分の声をアピールする音声データ)を準備して提出し結果を待つ。

 

この作業が一般的です。

 

それぞれ会社の方針が違うのですが、完成するイメージをより詳しく教えてくれる会社もあれば、簡単なイメージだけを依頼する会社もあります。

 

「柔らかい感じの女性ナレーションで」のような。

 

キャスティングにおいて大事になるのは、その時の情報です。

 

「この作品は、〇〇というイメージ」と、作品のイメージが伝わる説明をして下さると、ナレーターの候補を選出する時に大変助かります。

 

ナレーターは事前に準備をして録音スタジオに入ります。

 

ナレーションの方向性や表現、読み間違いがないように発音など言葉のチェックを行います。

 

事前に演出家に話を聞ければ良いのですが、録音スタジオで顔合わせをすることが多いので、演出プランはその時に聞くケースがあります。

 

そこで重要になるのがキャスティングをする時のコミュニケーションです。

 

ご依頼をいただく際、作品のイメージを共有する。

その情報をナレーターに伝える。

 

演出家とナレーターの橋渡しをするのがキャスティングです。

 

私が考える良いナレーション

 

私が考える良いナレーションとは、映像、音楽、ナレーションの原稿が全て調和して、ココロに刻まれるもの。

 

作品にとって音楽も重要と書きましたが、どんなにナレーションが良くても、音楽が悪かったりするとそのナレーションはよく聞こえません。

 

重たいテーマの映像。

例えば戦争の映像にチープな音楽の中にナレーションが入っていると、逆に作品の邪魔になります。

 

演出意図があるのかもしれませんが、作品自体に興醒めてしまうのも事実です。

音楽によってナレーションの伝わり方が全く違ってきます。

 

 

また、良いナレーションは、スタジオで録音収録の時に聴いても感動するし、完成した映像を見ても感動します。

 

 

ナレーションの原稿ですが、動画・映像制作の演出の方が書き起こして送ってくれます。

原稿に込められた1行1行の言葉に命が吹き込まれていると、ナレーションも違うものになります。

 

その原稿を読むだけで、映像を想像できる。

そんな原稿に出会うこともあります。

 

もちろん最高の音楽、最高の原稿に出会ってもナレーションの技術が劣ると、

完成した作品の質を落としてしまいます。

 

ナレーションの技量は大変に重要になるわけです。

 

ココロに残る作品

最高の映像とナレーションと音楽と原稿が調和すると人のココロに残り続けます。

 

 

弊社酒井監督のコラムに大変感動した記事がありましたので抜粋させていただきました。

 

【酒井監督コラム】

最近は少なくなりましたが、CMが話題になったりするのは、

CMに関わるクリエイターたちの腕です。

そのCMの音楽を聞くと、その商品だったり、映像が浮かんだり。

CMだけど、感動したり、ホロッとしたり。

 

私(酒井靖之)も、少年時に観たCMで、今でも思い出せるCMがいくつもあります。

 

・話題になった、懐かしのTV-CM

 

そのひとつが、サントリー トリスの「雨と犬」篇。

雨でびしょびしょに濡れた犬が、街をしっかり、ただ前を向いて歩いていく、といった内容。

 

そこに、ナレーション。

 

「いろんな命が、生きているんだなぁ」

「元気で。とりあえず元気で。みんな元気で」

 

印象的な音楽も相まって、今でも強烈な印象を残しているCMです。

このような素晴らしいCMと出会ったおかげで、

今の自分がいるといっても言い過ぎではありません。

 

酒井監督のコラムから抜粋しましたが、このCMは私の記憶にも、よく残っています。

この音楽を聴くだけで映像が浮かんでくるのです。

 

15秒という短い時間の中で、映像と音楽とナレーションが見事に調和した結果で

見る側のココロの奥底に刻まれている証拠だと思います。

 

「命を吹き込む」と酒井監督は良くおっしゃっていますが、1行1行の言葉に命が吹き込まれている。

だからこそ、映像を想像できるのだと思います。

 

最後に命を吹き込むのはナレーター。

この言葉も酒井監督がナレーションについて必ず話される言葉です。

 

酒井監督のコラムにナレーションについて書かれている箇所を抜粋しました。

 

「良いナレーションとは、編集時には80点だったものを、最後に120点に押し上げてくれるもの」

 

「素晴らしいナレーターは、映像を一度見ただけで、監督の意図や、視聴者に何を伝えればいいのかを見抜きます。

全体観をしっかりと把握した上で、あざとくなく、その作品の語り部となり、また作品を盛り上げてくれるのです」

 

「役者で言うと、まさに『名優』です」

 

 

名優には技を超越する術を持っています。

 

命が吹き込まれた文章を名優が語り部として吹き込む。

人のココロに刻むのは、その全てが必要だと思います。

 

キャスティングも同じでなくてはなりません。

作品の情報を聞き、その作品にとって必要な人選をする。

 

ただ単に、声が良い。滑舌が滑らかな人選をすると競合他社に負けてしまいますし、

仮に決定が出て収録したとしても、独りよがりな感動のないナレーションになります。

 

 

「伝わりゃ、いい」からこそ、高みへ

酒井監督のコラムの抜粋です。

 

「視聴者は良い作品を見たいのであって、上手なナレーションを聞きたいわけではないことを知ってください。言葉は悪いですが『伝わりゃ、いい』」のです。

 

結論、まさにその通りです。

「伝わりゃ、いい」です。

 

良いナレーターをキャスティングする。良いナレーターを育てる。

これは、ナレーターにとどまる内容ではありません。

 

人を見抜く力、人を育てる力。

どの世界でもこの信念は必要だと思います。

 

キャスティングはナレーションの技量も見抜く力が必要です。

 

また、ナレーターを育てる。

これも人を育てることと同じです。

 

ナレーターは有名大手事務所に所属している人、中小規模の事務所に所属している人。どこの事務所にも所属をしていないフリーの立場の人に分かれます。

それぞれ置かれている環境は違いますが、キャスティングをしていて思うことは、大手事務所に所属していても仕事が保証されていないという事実です。

 

フリーのナレーターでも「是非このナレーターで」と依頼は来ます。

 

事務所所属の人で、自分の技術向上に全力で取り組んでいる人もいますが、

事務所に所属しているから安心だと思っている人もいます。

フリーの方は、後ろ盾がない分、自分の技量一本で勝負をします。

 

 

環境ではないと言うことです。

 

 

より高みへと進化を続ける方。

夢を現実に変える努力をし続ける方。

その方が、自分の力で環境をより良く変え、仕事のチャンスに繋がるのだと思います。

 

私も環境が変わりましたが、今いただいた環境をチャンスの場と捉え、努力をし続けていきます。

 

 

 

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