お客様のご要望
成人式の振袖販売日本一を誇る、京都きもの友禅株式会社さま。
創業50年という長い歴史の中で、質の高い商品をご提供し続けている、魅力ある仕事ではあるものの、
日常で触れる機会の少ないきものの販売職を志望する学生はそう多くはないため、
新卒のエントリーを増やしたいというお悩みを、採用ご担当者さまはお持ちでした。
動画戦略
私たちはまず、社員の皆さまや社長さまのインタビューや仕事風景をおさめた、いわゆる採用動画をご提案しました。
しかし、お打ち合わせの中で、お客さまが来店して振袖を選び、
実際に着付けをしてもらうまでの様子を動画におさめて欲しいというお話が上がりました。
ここでよくあるのが、社員の方やエキストラにお客さま役を演じてもらうことです。
私たちもそういった手法を使うこともありますが、今回は「母娘」という設定もあり、
垣間見える関係性が重要となるため、クライアントの実際のお客さまにご協力いただくことをご提案しました。
着物販売という仕事は、同業他社との差別化が図りにくいものであると、私たちは考えました。
そこで、着物の販売でどれだけの売上げを誇っているかということよりも、
この仕事が世の中にどのように役立っているのかを伝える演出にするという方向性に決定。
社員の皆さまのインタビュー動画を制作する一方で、この仕事の社会的意義を伝えるため、
実際のお客さまにご出演いただき、来店から振袖選び、場所を変えての“前撮り”まで、常にカメラを回して、
接客風景や店内での母娘の会話をおさめるという、完全なドキュメントスタイルでの撮影を行いました。
ドキュメンタリーの撮影というものは、演出が入りづらく、どのようになるかという心配もありました。
しかしながら、母の想い、娘の想いを織り交ぜた、本格的なドキュメントスタイルにすることにより、
結果的にリアルの涙、リアルの感動をおさめることに成功したのです。
これにより、着物販売とは、母と娘の想いをつなぐ仕事であるということ、
その人の人生に関わる大切な任務があるということが伝わり、それが京都きもの友禅のスタイルであると、
学生たちに理解してもらえる作品となりました。
クライアントからも高評価をいただきましたが、現役社員の皆さまにとっても、
自分の仕事の社会的意義を再確認していただける機会になったようです。(現在、採用活動にて使用中)